プロローグ
「生まれてこなければ良かった」
何度思ったことだろう。
この世に生を受けた時から、私は周りから祝福されてはいなかった。
父と母が結婚したのは、私がデキたからだ。
当時の両親の年齢は19歳。
当然、両家の親は結婚に反対。
「子供を堕ろせ!」と言われた母が
「この子を堕ろすくらいなら私も死ぬ!」
と言い放ち私が産まれた。
父はお金を稼ぐため、寝る間も惜しんで仕事をした。
反面、女遊びも激しく不倫を繰り返した。
そしてそれだけに留まらず、母に気に入らない事があると暴力を振るう人だった。
母は結婚後、父の実家で義母(祖母)と同居することになる。
同年代の人達が遊んでいる中、嫁姑問題、夫からのDV、子育てに追われそのストレスの捌け口は子である私に向かう。
母から何度も聞かされた話がある。
「生後2ヶ月位からお前の夜泣きが酷くて、イライラしてお前をぶっ叩くんだけど、余計泣くから本当に腹が立ってしょうがなかった。」
そんななか、1年後に妹が誕生。
2年後には同居していた祖母が他界した。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?