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世界は本当に、本当に素敵だった

※有料部分は個人的な画像なので、記事に影響なく読めます。
 


発端


ああ、変わらない日々が続いて、何となく歳を重ねていくんだ
大学5年次に薬局で実習をしている時に、ふと思った。自分のやりたいことは叶えてきたつもりだし、現状に不満もなかった

だけど、実際に実習を通じて「社会」を見た時、基本的にはルーティンワークで、大人は学生時代みたいに明確な目標がない人が多いから、現場で働いている方がただ生活のために働いているように見えた

今は国家試験合格という目標があるが、社会人になったとき、僕は何を目指して生きるんだろうと。ただ生活のためだけに働くことは到底自分には向いていないし、実習現場を見て嫌だと思った。

もうすぐ近づく社会人に向けて、どこか自分は守りに入っていると感じていた。実習は指導薬剤師の機嫌や評価を気にして、自分の感情を押し殺していたし、企業説明会は良い人を演じていた

このまま若くて価値のある年齢を無意味に消化して、歳を重ねるのが怖かった。自分を押し殺すのが苦しかった。だから、なんとなく思い付きで年越しを海外でしようと思った。


就活中の黒。尊敬している同じ薬学部の先輩とご飯に行った時の写真。
先輩は国試前なので髪色は自由だったが考え方は大人で、黒は大人になりたくなかった。


目的を持った海外旅行

年越しの旅行を早速計画した。海外旅行はそれまで行ったことがあったが、目的はなく、何となくその国を知って、見たことない景色を見て、計画は一緒に行った友達に任せたりしていてその場のノリで旅行していた。

今回は、明確に目的があり心の奥どこかで何かが変わるかもと思っていた。根拠は分からないし、何かの目標に近づくわけでもないのに、不思議と準備を進めていた。

場所は以前に1回旅行したことがあるシンガポールに決めた。年末の旅行だったので、それなりにお金はかかるし、何しろその頃は病院実習期間中で、丁度、年末年始だけ1週間実習が休みに入るタイミングで決行する。

旅行中に何かトラブルがあれば帰る日が遅れ、実習の単位に関わるので進級にも影響する危険性があった。それでも同じ実習中の親友を誘ったら、一緒に行こうと言ってくれた。親友には今も感謝しかない。

実習で働きつつ、旅行の計画も立てた。実習の成果発表や国家試験の勉強もしつつ、旅行の日を万全で迎えられるように過ごした。そして、いよいよ出発の日を迎え、羽田空港にいた。


2019年12月の羽田空港。コロナが流行する前で人もたくさんいた。


出発してから

その日は深夜便で出発し、朝方にシンガポールに着くという学生プランでお決まりの形でシンガポールに着いた。1度訪れていることもあり、メトロに乗って宿泊先のホテルにはすぐ到着した。

日本は冬だがシンガポールは湿気のある夏で、建物に入るとガンガンクーラーが効いているため、暑さはあまり問題にならなかった。4泊6日の旅行だったため、年越しまではUSSや買い物、散策をして過ごした。

実は、旅行を計画していた時に、年越しはマリーナベイで上がる花火を見たいと思った。場所取りや当日の交通制限も良く分かってなかったが、それでも計画を立てて絶対に見たいという気持ちがあった。

学生時代の実習の合間を使って、お金も使って、親友と来たこの記憶は一生忘れずに残ると確信していた。そしていよいよその日を迎える。


親友と白衣で。


New Year's Eve

その日は街行く人々がみんなどこか浮足立っていて、どこか幸せな雰囲気を感じた。すれ違って挨拶する人はみんな「Happy new year!」と声をかけてくれるし、年越しが近づいていることを肌で感じた。

太陽が沈み、夜になった。場所を移動し、マリーナベイに着いた。カウントダウンに向けて交通規制が少しずつ始まっていて、多くの人が集まってきた。


メトロから会場までいろいろな人が歩いて向かっている

この段階で、すでにワクワクしていたし、近くにはライブ会場もあって、現場は徐々に活気を見せていた。そして、夜も深くなってきた。親友と共に談笑しながらその時を待つ。



年越し前のマリーナベイ


たくさんの人


黒達も頑張って場所を取りました

すると少しずつ、人が集まってきて、ライブ会場も盛り上がってきた。ここでなんと、その時の動画があります(笑)。



動画をそのままアップロード出来なかったので、こんな感じになってしまいました。良かったら雰囲気を。そして花火も上がってきた。何より驚いたのが、ドローンによる演出だった。その当時、初めて目にしたので感動した



花火が上がってきた


ドローンが凄かった


そしていよいよ、カウントダウンが始まった。巨大な時計がドローンにより作り出され、60秒のカウントダウンが始まる。みんなで声を出してカウントダウン。ここに居た人全員が今の瞬間を共有していた


世界は本当に、本当に素敵だった

カウントダウンが終わると同時に花火が上がって、祝う声が周りから聞こえた。花火は上がり続け、僕たちもお互いを祝いあった。


凄すぎて、思わず声が出た


国籍も、人種も、考え方も言語も違う人々が一体となって、同じ年越しを迎えられたことにとても感動した。人生で1番幸せな瞬間だった。1番達成感があった。来て良かったと心から思えた。生きてて良かった。

帰り道、メトロは動いてないので多くの人が歩いてホテルに戻っていた。僕らのホテルはオーチャードシティセンターの方だったのでかなり歩いた。

途中で買ったスプライトが今までの飲み物の中で1番美味しかった気がした。途中ですれ違う人が挨拶を交わしてくれた。

言葉にするのが難しいんだけど、自分の中で何かが変わった人生に対する考え方とか、大人になるってこととか、自分がこれからしたいこととか。

一生今日のことは忘れられない日になった。世界中のみんなで年越をした瞬間は、何にも変えられない喜びがあった
ああ、こんなにも世界は本当に、本当に素敵だった


以上、シンガポール年越しの思い出でした


あとがき

以上が黒の経験したお話でした。記事「死生観」の画像はその時のものです。

後日、帰りの飛行機で、中国の武漢から新型コロナウイルスが~のニュースがやっていた気がします。実は、この年越しの他に、この年はハワイパリにも既に旅行していました。(貯金は消えましたが泣)

直感的に、今行かないと後悔する気がしたんですよね。その後、新型コロナウイルスが流行り、海外旅行は行けなくなりました。何かの暗示だったのか、あの頃の自分の行動力に感謝です。

そして、生きる意味が見つかりました死ぬまでに、色々な国で年越しをしたいって思ったから。今もそれを楽しみに生きている部分はあります(笑)。実は今年ようやくコロナが明けて、とある国で年越しが出来ました。

また、暇があったら記事にします。
なかなか見ることが出来ない景色が見れて幸せでした。
中学生の自分、死なないで生きててくれて本当にありがとう。

皆さんは、一生記憶に刻まれている
もしくは忘れられない幸せな思い出はありますか?
無かったらこれから作ってみませんか
きっと世界は素敵だから。



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