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漂流教室 No.46 「エンミ?」

テレビで、いわゆるグルメ番組や料理番組、それから旅行番組なんかを見ていると、おいしそうなお料理をおいしそうに食べていらっしゃいます。
で、どこがどうおいしいのか伝えてくれる。

さて、伝え方のお上手な方もいらっしゃれば、
何を食べても「おいしい」しか言わない方もいらっしゃる。

まあ、仕方のないことだと思って見ています。
味を言葉で伝えるって難しいでしょうねえ。
私なんかまず無理だと思います。

そんな私が、こんなことを言うのはおこがましいのですが、最近どうにも耳に触ってしかたのない表現がある。

「エンミ」です。
「塩味」のことだというのはわかります。
でも、人生の中で「エンミ」を聞くようになったのはここ何年かのことではなかろうか?
「しおけ」や「しおあじ」、「しょっぱい」と、なぜ言わん?

「甘味」が「アマミ」だから、「エンミ」?
でも、「アマ」は訓読みで、「エン」は音読みですぞ。

形容詞の語幹に「み」を付けると名詞化します。
「あまい」の「あま」に「み」を付けると「あまみ」
「えぐい」の「えぐ」に「み」を付けると「えぐみ」

「しおい」という形容詞はありません。
まして「えんい」という日本語はありません。

「塩味」を音読みして「えんみ」と表現しているんだ、
と言われればそれまでですが、
音読み表現はもともと日本語になかった物事を表現するときに使います。
だって、音読みは中国語由来ですから。

私には
「エンミが利いていて、おいしい!」よりも、
「シオケが利いていて、おいしい!」の方がおいしそうに聞こえます。
個人的感覚の違いだと言ってしまえばそれまでかもしれませんが…

味については、
あれやこれや語るよりも、こっちの方が伝わるのかもしれません。

「海の宝石箱やあ!」

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