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読書録123 鈴木理生著 「江戸の都市計画」

タイトルは「都市計画」とは言うものの、水運を中心にした「港湾史」と言った方が正確かなと思う。

予想とはちょっと趣きが違う内容ではあったが、港湾系の短大を出て、港湾企業で30年近く働いてきた自分的にも、なるほどと思う事が多く面白く読めた。

北日本から太平洋沿いに、東京湾に向かう航路の場合、現在運行しているような10,000トンクラスの貨物船でも荒天時に犬吠埼を越えるのは結構難しいのだけれど、当然小型の帆船時代には難しいわけで、手前の常陸那珂港で荷卸しして、江戸まで川船で運ぶっていうのは、長年どうして東京〜北海道間の中間地点である茨城県に大きな拠点があるのか?という謎に答えが出たのがうれしい。

ただ、割と古い研究者による専門書であるせいか、図表だとか諸々わかりにくい部分が多かったのが残念だったかな。

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