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読書録108 羽佐間道夫著「90歳現役声優 元気をつくる「声」の話」

ロッキーとエイドリアンといえば、シルベスタスタローンとタリアシャイアなのだけれど、俺の中では羽佐間道夫と松金よね子が先に来る(笑)

今年で50歳になったのだけれど、心の底の方にあるコアな自我みたいなものが形成されたのは、おそらく中学生時代だと思う。

その頃に出会った「ロッキー」「特攻野郎Aチーム」「俺がハマーだ」の羽佐間道夫さん吹替3作品に食らった衝撃と影響は、今でも揺るぐ事がないし、それゆえに90歳を迎えた羽佐間さんが、「あの頃」と全く変わらないというか、年々更に進化していくのが楽しくてうれしくて仕方ない。

本書は、羽佐間さんの魅力がたっぷりと詰まった一冊であり、文章でありながら目の前で語りを聴いているような感覚になれる贅沢な作品だ。

ご本人の朗読によるオーディオブック化を熱烈に希望したいなぁ!

余談ながら、14年前に亡くなった父が、羽佐間さんと同じ歳だったって事に初めて気がついた。

毎週土曜日の午後に、父と2人で「特攻野郎Aチーム」を楽しみに見ていた中学生の頃を思い出して懐かしい。

この本を購入しようと書店で手に取りレジへ向かう道すがら、ふと見た棚に、父が生前というか、父の影響で、古本屋に入り浸るようになった中学生の俺に、見つけたら買っといてくれないかと言っていたのと、同じタイトルの本を見つけた。

その後、どれだけ古本屋を回っても、結局見つからなかったその本なのかは、父がいない現在ではわからないのだけれど、数十年ぶりに復刊されたというその本も一緒に購入して、父の仏前に備えた。

作品自体には関係ない話なのだけれど、不思議な縁みたいなものを感じて、本作と羽佐間さんの存在は、また俺の中で一際大きくなった。


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