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海外駐在に帯同するということは、

アジア圏とヨーロッパのとある国に、
トータルで約15年住んでいた。

聞こえはいいが、自分は海外が好きではない。
海外旅行も、本当は行きたくない。
じっとしていたい派なのだ。

なのに、なぜか転々と国と住まいを替え、
大人になってから10回近く引っ越しをしている。

(一番最初に海を渡った時は、まだインターネットも
ジューキュルキュルと電話回線で、向こうで買ったケータイは日本語が無くて、日本人同士でやり取りする時は、ローマ字入力した短文を送るような方法をとっていた)


この春から、御夫君様の出向や転勤で海外駐在を
始められた方もいらっしゃると思うけれど、

何はなくとも【家内安全 夫婦仲良く】

をモットーにして欲しいと思う。
どの国にいても。

*家内安全とは…家族に事故や病気がないこと。
家族一同が息災であること。
          ーデジタル大辞泉 よりー


海外だと、お互いにストレスフルになる時期が必ずくるのだ。

慌ただしく日本で引越しや出国の支度をする。
仕事を辞める奥様もいらっしゃるだろう。
親や友達と別れ、機上の人となり ほっと一安心
したことだろう。

現地に着き、日本との環境の差の激しさに身をおいた時、やっと生活が始まることを実感できるはずだ。
水や空気の匂い、言葉の壁や人々の視線。
国によっては宗教の差があり、一人歩きも危険なことがある。

船便やAirで送った荷物が届く。
勝手の違う買い物に時間を取られる。
水にすら気を使い、うっかり病気になっても
気軽に病院にかかれるのは、世界中でもそれほど
多くの国ではないはずだ。

日中1人になり、孤独を感じるかもしれない。
お子様がいれば、心配や忙しさは倍増するだろう。
あっという間に夜になり、疲れ切った御夫君様が帰宅して…

楽しく、明るい毎日を迎える為には、夫婦が協力しなければ、海外では絶対に無理なのだ。
子どもがいなくても、それは同じである。

御夫君様方は、
「友達でもつくれば?」などと気軽に言ってはいけない。

その友達は、御夫君様のライバル会社の上司の奥様かもしれない。
もしかしたら、今日、取り引きを断られたばかりの会社の奥様かもしれない。
どこでどの様に繋がっているか分からないのが、
駐在の日本人社会なのだから。

ビジネスの話をするのならいいのだが、ついつい日々の愚痴を言ってしまう友達は、慎重につくることをおすすめする。
優しい人は特に「自分軸」を持って、気をつけてください。


そして、限界まで我慢しないこと。
コレは御夫君様も、奥様も。

会社が困るから?
後任が決まらないから?
それは会社の都合であって、
守らなければいけないのは、自分達家族の安全と命の他に、何もありません。


心身の不調を感じ、その国での改善が見込めないと判断できたなら、すぐにチケットを確保してパスポートを持って、日本に戻っていらっしゃい。

一度立て直して、リセットするも良し、
向いてなかったんだと考え直すも良し、
ソレは全て自分で決めていいのですから。

語学が堪能だから、海外赴任が適任とは限らない。
英語が話せても、生活が回らない人もいるし、
言葉はそこそこだけど、なんとかなる人もいる。

コレばっかりは、住んでみないと分からないんだ。
大丈夫、どんな結果でも大丈夫。

朝、玄関を 「行ってきます」と出かけた人が
夜、「ただいま」と靴を履いて帰ってきたらソレで全て良し。

それが
海外駐在家族の基本の基だと思っている。

怖いことばかりで、申し訳ない。

日本に居るとつい忘れてしまうが、世界では
今戦争している場所があるのだ。
緊張感はどこにいても持ちつつ、
家内安全 夫婦仲良く 今日も元気に。





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