北海道ってどこにある?
幼い頃、といっても4、5歳の頃だったと思う、
「北海道は上のほうにある」
といわれたとき、空の上に北海道があると考えていた。
なんせ、地図というものを見たこともなく、身の回りの狭く閉ざされた世界しか知らなかったから、
世界は階層構造で、どこかに坂あるいは階段や梯子があり、上ったり下がったりするものだと思い込んでいた。
上に北海道があるのに、なぜ太陽の光が当たって明るいのか
なぜ遠くの上の方を眺めても坂、あるいは階段は見えないのか
とても不思議であった。
また周りに言っても何言ってるんだと不思議な顔をされた。
それが解決されたのは小学校に入学してからのことである。
「上」という言葉の意味が広がるまでに同様の考えをしていた人はいったいどれくらいいるのだろう。
今の歳までくると、少し言葉の意味が広がったところで、あまり感動しないけれども、あの時は長年の謎が解けて、世界の真理を知ったような錯覚に陶酔したものだ。
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