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(本)すばらしい人体――あなたの体をめぐる知的冒険

おもしろっ!
福岡伸一先生はじめ、一線で研究する人が一般の人に向けて研究内容を噛み砕いて書いてくれた系の本はハズレが少なく、面白い物が多い気がします。
御社もその例にもれず大変興味深い作品でした。
きちんとネットワーク化された知識を持ってる人は、世の中や現象をこういう観点から見ているのか、というのを知れることも面白いですね。

医学を学ぶ事は、途方もなく楽しい。知れば知るほど学ぶことの楽しさは指数関数的に増大していく。私が学生の頃から絶えず味わってきた興奮を誰かと共有したい。知識の点と点とが線ととなってつながり、思わず膝を打つときのときめきを誰かに伝えたい。私が本書執筆したのはそれが理由である。

冒頭にこんな一文がありますが、その意、達成されたり!という濃い内容の一冊でした。人間が生まれてから死ぬまでずっとともにする体。そりゃ、興味が出ないわけないですね笑

本書の中でも個人的に面白い、興味深かった記事を2点か。

①生肉についての誤解
なんとなく豚肉鶏肉は危ないけれど牛肉は新鮮であれば生食しても問題ない、と言うようなイメージを持っていました。しかし、そうではないとのこと。
食中毒のリスクは新鮮かどうかとは関係がなく、私たちの体と同じように動物たちも様々な微生物と共生しています。生肉が危ないのは家畜の腸内には人類に有害なたくさんの細菌が生息しており、食肉処理場で加工する際それが食肉の表面に付着してしまう可能性があるため。
ちなみに生肉だけではなく厳密に言うと生野菜など他の食材でも起こり得るそう。 動物との接触や糞便による汚染などが原因と考えられているそうですが、これらを防ぐには
・持ち帰ったらすぐ冷凍保存すること
・生肉を切った包丁やまな板はは必ず洗うこと
・肉はちゃんと加熱すること
当たり前かもしませんが、改めて。
にしても、若い時には焼肉屋で、ほとんど炙ったか炙らないかくらいでバクバク食ってたような・・・若気の至りとはまさにこのこと(?)。
サラダについては、生野菜(大腸菌の危険)も食べたいしな・・・ちゃんと洗おう。

②すり傷への対応
自分が小学校の頃を思い出すと、怪我すれば水で洗ってマキロンして、絆創膏というのが一連の対応だったように記憶しています。
しかしながら、近代医学では
・消毒液は傷の治りを遅くするため、余程の事情がなければ使わない(というか、傷を消毒したところで、皮膚には細菌がウヨウヨいますので・・・
・傷は湿潤状態の方が治りが早いので、無理に乾燥させない。軟膏などを塗って湿潤状態を維持すべし。ちょっと前まで、風に当てて乾燥させよ、というのが一般的でしたね。
ちなみに、この「常識ひっくり返りました」の例をあげるとうがいも、だそう。
ちょっと前まで、「うがい、手洗い」ということがよく言われてましたが、最近はコロナの防止対策でも「うがい」は消えています。うがいをした瞬間は良くても、飛沫が飛んで来ればそれで終わりですし、そういう意味で言うとうがい薬も効果がないそう(むしろ、水道水でのうがいの方が効果的だったり)
卵は一日一個まで、なんて言われていた時代もあり、食事や医療に関する情報は、後から「あ、間違ってた」と言う事例が少なくなく。
よりよく生きるためにも、この辺のアンテナは高くしておきたいですね。
スタンスとして、盲信は避けるべきで、全ては「暫定的に最適と思しき解」と言う程度に捉えておく方が良さそうです。

こんなおもしろ記事がこれでもか!と言うほど述べられており、ページをめくる手が止まりませんでした。

著者の山本健人さんのブログもおすすめです。↓

https://keiyouwhite.com



最近、”自分との結びつき”(connect to self)をより強く意識して本を読むようになり、集中の度合いというか面白い!と感じる機会が増えてきたように思います。
勉強でも読書でも、当事者意識、大事ですね。


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