見出し画像

全てが終わる春だから

こんばんは。
春眠に限らず暁は常に覚えていません。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。


私事ではありますが、というか私事以外noteに書いたことありませんが、無事に大学を卒業することができました。
やったね。
いつも落とした単位がどうだとか卒論が終わらないだとか、こいつは本当に卒業できるのかと自分でも不安でしたが、なんやかんやちゃんと卒業できました。


卒業が決まってから伊坂幸太郎の『砂漠』を読み直しました。
僕がこの本に出逢ったのは2023年の8月31日、僕の好きな記事を書く方が紹介していて8月毎日のように読書をしてきたのである意味その集大成として読みました。

その時の感動は今でも忘れられません。その感動を取り戻すべく、むしろ卒業を意識するようになったことから感じ方とかも変わってるかもな〜くらいの気持ちで読んだら初めて読んだ時よりもよっぽど感動しました。

コロナと共に始まった僕の大学生活はここで終わり。
いろいろなことを経験して、多くの出会いと別れがありました。
別にここに書き記してもそれらを一緒に体験した友人たちが見る保証なんて全くないですが、それでも僕にとってかけがえのない、何にも変わり難い4年間だったので残しておきたいと思います。



コロナと共にスタートした大学生活は同期の顔すら知らず、別れだけを経験する春から始まる、はずだった。
オシャレなカクテルと同じ名前のマンションに住む僕の家に集まっては日々の鬱憤や不安、憤りを語り明かす毎日。24時間営業のスーパーまでの深夜の散歩。あの時買ったインスタントのキャラメルラテは飲み切ることなくまだ残ってる。隣の市のイオンまでの自転車旅。最後のシフトでようやく行けた親友くんのバイト先のレストラン。冬限定の運命の人。23時集合10時解散の桃鉄大会、楽しめるのは10年までという教訓。
『蛍の光』が流れる19時30分のIKEA。20歳の誕生日ディズニー。ホテルでのサプライズ、黒シャツ黒スキニー、センターオブジアースで運命の出会い。京急蒲田から横浜までの真夜中自転車小旅行。途中にある東横インの隣のタワマン、世界が違った。北九州でのクリスマス、翌日の風が強すぎる門司港。3年ぶりの片思いの子。
2人で見に行ったネモフィラ。思い出に閉じ込めた青。テスト前の付け焼き刃の勉強会、順当に単位の取れた僕となぜか落とした友達。毎月のように染めていた髪色、どんな色にしても「いいやん!」と褒めてくれていた親友くんの反応が一番良かったのは黒に戻した時だったかも。実習の授業で使う写真を撮るために日帰りで行った阿蘇山。ミルクソフトクリーム。YUIの『SUMMER SONG』。好きなバンドのギタリストの脱退、泣いちゃダメだって思いながら歩いたバカみたいに暑かった深夜の下北沢。幼馴染。フィルムカメラ。雪降る福岡。間に合わなかったM-1敗者復活戦。イオンのペットショップ。猫派の僕と猫派で猫アレルギーの彼女。思い出すきのこ帝国の『猫とアレルギー』。
深夜に呼び出してくる先輩と食べた早朝4時30分の回らないお寿司。帰りに言われた「お寿司じゃなくてホテルでも良かったね」。大阪から夜行バス明けのテスト。伊坂幸太郎の『砂漠』を語れる同期。他の研究室に置いていった小説、綾辻行人の館シリーズ。最初で最後の推し事終わり。友達から告げられた絶交。臭素の匂いが充満した研究室。毎日「また明日」と言い合っていた家が隣の同期との最後の別れ。
オールでのスマブラ、ボードゲーム、なんでもない会話。数え切れないくらい通った国道10号線。毎月のプレイリスト。ビール禁止にしてた2度の実習。ペスカトーレ、ボロネーゼ、スパイスカレー。檸檬堂からスミノフへ、スミノフからビールへ。マイヘアの「ホームタウン」と「白春夢」。サウナ終わりのオロポ。星の綺麗な海。

ここに書き記すまでに忘れていった思い出たち、忘れることはきっと寂しいことだけど、忘れてしまうくらいそれだけたくさんの思い出ができた証拠でもあるかな。

「始まりは終わりの始まり」
終わりがない映画なんてないし、再生ボタンを押したら終わりを迎えるまでの等倍速の日々。
それが今日、ようやくエンドロールに入って、それも終わって、きっとまた新しいフィルムがセットされる。



さようなら、何にも変え難い愛おしき日々。


おやすみなさい。

この記事が参加している募集

眠れない夜に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?