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日々是妄想: センスはエビデンスに基づく

なんとなくじゃ通用しないし、それじゃ弱い。センスが良いとはどういうことか。そこにリベラルアーツが必要不可欠と最近では思えるようになった。
遅いけど、成長ってことにしておこう。
さてお天気が良いので東京駅から有楽町抜けて銀座まで歩く。左膝が微妙だけど…

目的地1:
安井仲治-僕の大切な写真@ステーションギャラリー

戦前の神戸は知らないけれど、どこか日本人離れした感性を感じる。海外からの情報を取り入れ、自分なりに実践して解釈して消化することができた人だと思う。繊細だけど、ベースにあるのは鋭い観察眼と独自の視点。ピクトリアリズムの影響もあるのはこの時代の特徴かも。
ポートレートが秀逸。たとえ視線は合ってなくても、そこ生まれるニュアンスを重視したような写真に思わず立ち止まる。
時代はズレるけど、ロバート・フランク『アメリカンズ』を思い出してた。空間の捉え方が似てる気がした。あとはやっぱりアジェとトルボット。

この人は正統派で王道のアーティストだったんだ。尚且つ、自由でとても良い目を持っていた。早逝したのは実に残念だった。
良い展示でした◎

日差しが綺麗な午後だった。
影が伸びていく


ちょっと肌寒いけど、天気もいいから銀座まで歩く。
目的地2: キャノンギャラリー。どうしても観たい展示があった。
奇想民俗博物館-「まつりと」

まつり文化の記録と伝承を目的にキャノンマーケティングジャパンが立ち上げたプロジェクトの展示で、ずっと気になっていた。
pandemicでまつりが中止になったり、高齢化や郊外化により消えていく伝統は少なくない昨今。
まつりには人と文化、歴史が詰まってる。まつりにはコミュニティを繋げる役割があることから、防災にも役に立つと言われている。
その成り立ちを知ることは、次に向かう道標でもあると思う。まさに温故知新である。
デジタル技術の進歩は考古学の定説をも変える。いいプロジェクトだと思うし、観てよかった。

受付横に飾られていた藁細工。鶴と亀か?
異形の神々は八百万とおわす

さあ帰ろと思ったけど、森岡書店が気になって歩く。
目的地3: 森岡書店「杉謙太郎-花 毎日の木」
ギャラリーの前でビニール袋に入っている何かを踏んでいる人がいた。聞けば花会で使う素材を作っているそう。今日は椿から染料を絞っている。
杉さんは日々、銀座に咲いている道端の花を摘んで活ける。飾り気のない草花は集まることで、違う風情を見せる。名前は知らないけど、目にしたことがある草花。こんなに美しかったんだね。気づかなかったよ。築地の方が色々あるそうだ。生活圏が隣接してる方が草花が多いそう。

道端の花を摘みたいと思い、携帯用の花切りバサミを随分前に買ったけど中々できない。どうすれば良いか聞いたら、ゴミ袋を持てば怪しさは軽減するとアーティストにアドバイスされた😆

銀座周辺で採集された草花 
@森岡書店
バラを絞った染料による。時間経過によって色が変化する
フラワーベースに詰めてあるのは椿の花。
朽ちていく風情がとても良い

今度こそ帰ると決めて駅に向かう。地下道に潜ったところでエルメスとシャネルのギャラリーで何かやってたと気づく…いや、今日は帰る。膝もヤバい上に、キャパオーバーだから😆

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