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「公開対話」に込めた想い

2024年、Motivator構想の一環で、Connecting Pointとして進めていきたい取り組みが大きく2つある。1つは公開対話であり、もう1つは、対話記事2.0である。今回の記事では、公開対話に向けた想いを書き綴ってみたい。先日、いつも刺激を与えて下さる障害者雇用領域の大先輩とタイムリーに意見交換ができて、想いをよりクリアに具体化できたからだ。


「公開対話」とは

公開対話では、

「より良い障害者雇用を追い求める人、集まれ!」

というサブタイトルを予定している。

「障害者雇用をより良くしていきたい!」

そんな想いでつながる人たちが対話する、安心・安全な場を月1回の頻度で、平日のお昼休みの時間につくっていこうと思っている。お昼休みなので、もちろんモグモグしながら参加して頂ける会だ。

公開対話は、解を提供するような機会でもないし、ティーチングスタイルで学ぶ場でもない。あくまでも、立場も役割も違う人たちが「障害者雇用をより良くしたい!」という想いでつながり、それぞれが問いを立てて対話し続ける場であり、考え続ける場である。

その場にきたら、誰もが正しくて、皆がこころで聴いてくれるから、つい、話したくなる。

「あっ気づいたら自分話してた…!」

そんな感覚を大事にしていきたいし、

「話を聴いてもらえてスッキリした!」
「うーん、色々な人の話を聴いていたら、逆に消化不良になった…。」
「会社の規模も全然違うけど、面白い取り組みを聞けたなぁ。」

とか、公開対話が終わった後に、参加して下さった人たち一人ひとりに宿る感覚を大事にしていきたいと思っている。その感覚こそが、公開対話の1つの成果とも言える。

そして、私が、このような公開対話の場を作っていきたいと思った理由には、大きく2つある。

障害者雇用に取り組む人たちが抱く疲労感

1つは、障害者雇用に取り組む人たちが「疲弊」している現状が散見されたからだ。
障害者雇用の取り組みは、企業規模によっても異なるし、業種によっても異なる。しかし、障害者雇用を社内で積極的に推進していこうと取り組み、障害のある人ともフラットな関係を築いて「らしさ」を実現するお手伝いをしたいと活動する人たちが、それぞれの事情で疲れている、といった声を耳にする機会が増えた。

想いのある人たちが、疲労困憊。

そんな状態では、日本の障害者雇用を前進させるエネルギーの喪失にもつながり、もったいないのではないだろうか?そんな思いが頭をもたげた。もちろん公開対話は、障害のある人を悪者にするような場ではないし、愚痴を言いあう場でもない。ただ、障害者雇用に取り組む人たちが疲弊している現実も事実であり、その事実を障害のある人を含めて、想いのある人たちと分かち合い、対話しながら持続可能な取り組みを考えたり、初心に戻れる機会を作っていきたい思った。

ピュアな想いで未来を語り、つながる場の必要性

そして、2つ目の理由は、「障害者雇用をより良くしたい!」というピュアな想いでつながれる場が必要だと感じたからだ。障害者雇用に関するコミュニティはたくさんある。私も、これまで様々な勉強会や研究会に参加させて頂いた。特例子会社の経営者が集うコミュニティも、就労支援の支援者が集うコミュニティなど様々にあった。コミュニティによって違いはあるものの、その参加者はある程度、限定されていたように私は感じている。例えば、就労移行支援事業所の支援者が、特例子会社の経営層の集まりに参加することはレアなケースである。それはきっと障害者雇用に取り組む企業が多様であるように、課題の感じ方も、その打ち手もプレイヤーによって様々であり、ある程度、コミュニティの参加者を限定することで場を作ってきたのかもしれない。しかし、私はコミュニティに参加しながら、何となくいつも違和感を抱いていた。それを言語化するまでに、かなりの時間を費やしてきたが、先日の対話を通じて、一つ見えてきたことがある。

私の感じた違和感の正体

それは、コミュニティの多くが、「正解探し」に走っていたから…かもしれない。

障害者雇用の取り組み方に、「正解」はないはずだ。しかし、私たちは自然と「XXしたら、採用できる/定着できる」という解を無意識に求めているのかもしれない。そして、そのニーズにこたえるように、それぞれのコミュニティが変化し、「正解」を提供するような交流が多くなったのかもしれない。きっとコミュニティが生まれた時は、「正解探し」ではなかったかもしれないが、時間経過とともに、その姿が変わってきたのだろう。

そう。だから、私は、「正解探し」ではなく、みんなで「問い探し」ができる場を作っていきたい。

問いがあれば、みんなで考え続けられる。考え続ける仲間は、特例子会社の人限定だけでもないし、就労支援機関の人や進路担当の先生限定でもない。

より良い障害者雇用を追い求める人、限定だ。

イノベーター理論でいう「イノベーター」と「アーリーアダプター」の存在が、社会のこれからを切り拓いていくように、「障害者雇用をより良くしていきたい!」と思い、行動し続ける人たちが仲間を見つけ、つながっていこうとする人たちが公開対話のターゲットである。

イノベーター理論 5つの消費者タイプ

おわりに:すべての人にとってのセルフ・アドボカシー

ここまで書き綴った私の想いが公開対話のすべてである。
あとは、3月21日(木)12:00に初回を迎える公開対話でどんな人に出会えるのか、私が一番ワクワクしている。きっと、想いにあふれる人たちが、立場を超えて、穏やかな雰囲気の中で自分の意見を語り合える場になると思う。まさに、私がオーストラリアの地で、知的障害のある人のセルフ・アドボカシー活動に参加し、感じてきた温かい場を日本で実現する日だ。まだ知的障害のある人が、公開対話に参加してくれる予定はない。しかし、きっと近い将来、障害者雇用の未来を当事者の視点から語ってくれる知的障害のある人も参加してくれると思っている。そして、そんな人と人との響きあいが、障害者雇用をより良くしたいと願う人たちの想いを動かし、社会に明るい希望を生み出してくれると信じている。

【「公開対話」参加お申込み方法】

第2回「オンライン公開対話」:5月29日(水)12:00-13:00
https://online-opendialogue0529.peatix.com/view

お申込みは、上記、Peatixサイトよりお申込みください。
お昼ごはんを片手に、お会いできることを楽しみにしています


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