阿部潤子(ConnectingPoint)

ConnectingPoint代表( https://www.connectingpo…

阿部潤子(ConnectingPoint)

ConnectingPoint代表( https://www.connectingpoint.jp/ ) 社会福祉士/精神保健福祉士。障害のある人の”想い”を大切にできる環境を社会の中に作っていくことをライフワークとしながら、モフモフのワンコ2匹との生活を愛する職業人です。

マガジン

  • 対話記事1.0:障害者雇用のここっておかしいよね?

    2023年に実施してきた「障害者雇用の目的地」を探る対話企画1.0。障害者雇用をより良い取り組みに進化していきたい!と活動する方々との対話記事をお楽しみください。対話企画1.0のまとめは、「きれいごとの大衆化―「共生社会」から「協振社会」への道しるべー」(https://note.com/junkoabe/n/n872ca7e1a9c1)にまとめています。

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「公開対話」に込めた想い

2024年、Motivator構想の一環で、Connecting Pointとして進めていきたい取り組みが大きく2つある。1つは公開対話であり、もう1つは、対話記事2.0である。今回の記事では、公開対話に向けた想いを書き綴ってみたい。先日、いつも刺激を与えて下さる障害者雇用領域の大先輩とタイムリーに意見交換ができて、想いをよりクリアに具体化できたからだ。 「公開対話」とは 公開対話では、 「より良い障害者雇用を追い求める人、集まれ!」 というサブタイトルを予定している

    • 「対話」のもつ力:「観」をめぐる息苦しさの解消

      「観」をめぐる息苦しさ 初回の公開対話を終えてから今日まで「対話」がもつ力について考えている。公開対話を開催するに至った背景には、障害者雇用の現場で活躍する皆さんが息切れ状態にあるという現実との出会いがあった。 なぜ疲れてしまうのか? 私は、その要因の1つに、支援観や教育観、福祉観、障害観、障害者雇用観といった個の価値観に紐づく「観」をめぐる息苦しさがあるのではないかと思っている。これは障害者雇用だけに限らず、介護・福祉現場、教育現場など対人支援領域に幅広く通じる課題

      • 障害者雇用に息づく「文化」:「分ける」ではなく「知る」に宿るもの

        先日、久しぶりに障害者雇用の勉強会に参加する機会をいただいた。そこで私は、日本という同じ国にいながら「文化」の違いを感じることとなった。 障害者雇用を「雇用率」で語る文化。 と 障害者雇用を「人」で語る文化。 である。 障害者雇用を「雇用率」で語る文化 私は、前職(就労継続支援A型・移行支援)を離れてからというもの、専ら後者でしか障害者雇用を考えて来なかった。でも、現実社会は、まだまだ前者の文化が深く根付いているのだと思う。以前の記事でも書き綴ったが、障害者雇用の現場で

        • DE&Iは「手段」?それとも「文化」?

          先日、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、以下DEI)に関するセミナーに参加した。パネリストは、日本を代表するトップ企業のDEI推進担当の方々であった。私は普段、障害者雇用の文脈からDEIを考えることが多いが、今回は一つの企業にとってDEI推進(多様性の尊重)がもつ意味を学び、考える機会であった。その中で、私が整理できたことが一つある。 DEIは、イノベーション創出や利益を生み出す「手段」なのか? もしくは、 DEIは、個を大切にし、個の成長を組織の

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        • 対話記事1.0:障害者雇用のここっておかしいよね?
          10本

        記事

          「余白の分かち合い」が放つチカラ

          今年最初の記事に「協振」という言葉を使って、障害者雇用の目的地とその目的地を包み込む社会の姿を描いた。思いもかけず、たくさんの反響を頂いて、その声から次なる活動を生み出す種も見つけることもできた。そんな私の思考が発散状態のタイミングに、「理念経営2.0」という本をご紹介頂いた。その方曰く、私が表現した「協振」と言う言葉が、Connecting Pointにとってのパーパスなのか、ビジョンなのか、ミッションなのか、はたまたバリューなのか、整理したら面白いのではないか?というアド

          「余白の分かち合い」が放つチカラ

          「きれいごと」の大衆化 ―「共生社会」から「協振社会」への道しるべー

          私がMotivator構想を掲げたのが2023年3月。「当事者の声」を中心に、これからの障害者雇用を描いてみたいと思ったのがきっかけだ。そこで、私は、障害者雇用の最前線で活躍する人たちの声をもとに、「これからの障害者雇用」を感じ考え、言葉にしようと、昨年11月まで、「障害者雇用のここっておかしいよね?」をテーマに、様々な人たちと対話を重ね、その記録をnote(#1-10)に書き綴ってきた。福祉事業所の支援者、学校の先生、起業家、企業担当者だけでなく、なるべく多様な背景をもつ当

          「きれいごと」の大衆化 ―「共生社会」から「協振社会」への道しるべー

          「想像するちから」を耕す、「対話」の場

          私は、これまで知的障害のある人の生活や働くことを通じて、一人ひとりが自分らしい人生を送れるサポートをしていきたいと活動をしてきた。とりわけ「働くこと」については、「障害のある人」と「一般社会」の接点が生まれる場所であり、インクルーシブな社会づくりに向けた現実的な課題が生まれる。だからこそ、そこで生まれる課題解決のお役に立ちたいと思い、起業に至った。私のキャリアの中心には、いつも、知的障害のある人たちの存在があり、彼らの生活を支えようと真っ当に福祉に携わる人たちの必死な表情と笑

          「想像するちから」を耕す、「対話」の場

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #10長瀬 陽介さん

          障害がキャリアを積む上で”障害”にならない社会を実現する会社、Connecting Pointの阿部潤子です。 対話企画「障害者雇用の『ここっておかしいよね?』」の記念すべき10回目は、長瀬 陽介さんです。長瀬さんとの出会いは、2023年9月に長瀬さんが勤務されている会社のダイバーシティイベントにてご一緒する機会を頂いたことがきっかけです。イベントにて、長瀬さんも「身障者としてのコミュニケーション」、「障害のある人から、障害のない人への歩み寄り」という印象に残る言葉で、ダイ

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #10長瀬 陽介さん

          私たちの「光」を考える

          前回の記事にて、「知的障害のある人の強み・可能性」について、「想像するちから」を軸に語ってみた。この気づきのきっかけは、ソニーファウンダーである井深大さんが設立した「社会福祉法人希望の家」に見学に伺うことで生まれた。井深さんが、ご自身の娘さんを思い、1973年、知的障害のある子どもをもつ保護者と協力して設立された施設である。いまからちょうど50年前に遡る。 実際に施設へ伺ってみると、広大な敷地の中に、生活の場から働く場までが揃っていた。かつて知的障害のある人が、十分な教育を

          私たちの「光」を考える

          「想像するちから」を学ぶ

          私は、学生時代に知的障害のある人たちと出会い、それ以来、彼らの生活を支え、思いを実現するために行動することをキャリアの真ん中に置いてきた。 日本に帰国後は、「障害のある人が働く」ことに焦点をあてながら活動をしてきたが、その中で、私は「知的障害のある人の可能性や強み」を一般社会で暮らす人たちにどのように伝えていけば良いか、と考え続けてきた。 まさに、「障害のある人の『成長ステップ』見える化プロジェクト」は、その問いへの答えを形にしたプロジェクトであった。無意識の偏見によって

          「想像するちから」を学ぶ

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #9 K.Sさん

          障害がキャリアを積む上で”障害”にならない社会を実現する会社、Connecting Pointの阿部潤子です。 対話企画「障害者雇用の『ここっておかしいよね?』」の9回目は、K.Sさんです。 K.Sさんとは、ほぼ初対面でしたが、終始にこやかにお話して下さいました。K.Sさんは、就労移行支援事業所(Bi-z Labo川崎)を2019年に卒業されて、現在の会社(ベイシス株式会社)に就職されました。就職から4年、コロナ禍による環境変化も柔軟に対応されて、安定的に働き続けるK.Sさ

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #9 K.Sさん

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #8山内 勝則さん

          障害がキャリアを積む上で”障害”にならない社会を実現する会社、Connecting Pointの阿部潤子です。 対話企画「障害者雇用の『ここっておかしいよね?』」の8回目は、山内 勝則さんです。 山内さんとの出会いは、弊社プロジェクトをソニー希望・光の皆さんとご一緒させて頂いた頃に遡ります。プロジェクト報告会の直後に、山内さんより、「大変勉強になりました」と仰って下さったことを今でも鮮明に覚えています。当時、試行錯誤を続けながら進めてきたプロジェクトが、少しでもお役に立つこ

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #8山内 勝則さん

          だから、私は書き綴る #未来のためにできること

          私はいま、社会に潜む“障害”を感じながら、その”障害”を超えていく人たち(=モチベーター)との対話を重ねている。そして、それをnoteに書き綴っている。 私は、日本の大学で福祉を学んだ後、豪州の大学院に留学した。そこで出会った「当事者と共に取り組むインクルーシブな社会づくり」に邁進する人たちの姿は私に少なからぬ影響を与えた。帰国後、障害者福祉施設で働きながらも、この時に感じた私自身の想いを実現すべく、2015年に株式会社Connecting Pointを起業した。それから8

          だから、私は書き綴る #未来のためにできること

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #7岩﨑 諭史さん

          障害がキャリアを積む上で”障害”にならない社会を実現する会社、Connecting Pointの阿部潤子です。 対話企画「障害者雇用の『ここっておかしいよね?』」の7回目は、岩﨑 諭史さんです。 岩﨑さんとの出会いは、岩﨑さんにとっての恩師であり、私にとっての恩人でもある共通の知人を通じてもたらされました。初めてお会いした2019年当初から、農福連携への熱い想いをもって携わっていらっしゃる岩﨑さんに、農業を通じた障害者雇用の実践が増えてきた今だからこそ、その想いの丈を語って

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #7岩﨑 諭史さん

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #6富田 沙織さん

          障害がキャリアを積む上で”障害”にならない社会を実現する会社、Connecting Pointの阿部潤子です。 対話企画「障害者雇用の『ここっておかしいよね?』」の6回目は、富田 沙織さんです。 富田さんとの出会いは、富田さんが埼玉県立大学で長期研修生として、研究活動をされている頃に遡ります。当時から、知的障害のある子どもたちへの「自立活動」について熱心にご研究をされていらっしゃり、学習指導要領にある「抽象的な言葉」を「具体的で分かりやすい言葉」に置き換えて、「自立活動」の

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #6富田 沙織さん

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #5汐中 義樹さん

          障害がキャリアを積む上で”障害”にならない社会を実現する会社、Connecting Pointの阿部潤子です。 対話企画「障害者雇用の『ここっておかしいよね?』」の5回目は、汐中 義樹さんです。 汐中さんとは、2023年に知人の紹介で出会うことが出来ました。小学校や特別支援学校の先生という立場で長い間、キャリアを築かれてきた汐中さんが、障害者雇用のフィールドでなぜ起業しようと決意されたのか、そのあたりの想いも含めて、今回、「『障害者雇用』のここっておかしいよね?」について語

          対話企画:障害者雇用の『ここっておかしいよね?』 #5汐中 義樹さん