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【人間】2023年、私たちはどうかしている??

「僕らはあの頃どうかしていた」

先週、学生時代の
サークルの仲間で集まった。
私はいけなかったけど、
翌日までグループLINEでは
盛り上がっていた。

久しぶりに会うと、
見た目は劇的に(笑)変化してるけど、
中身はまるで変わってないことを
痛感させられて面白いし、
来し方行く方を考えさせられる。

そんなグループLINEに、
当時、部長だった男が、
「あの頃はオレたち、
どうかしていたな」という、
意味ありげな投稿をした。

部長は責任感が強い真面目な男だ。
そんな彼から、
どうかしてたなあ、というのは、
何を指しているのか、
ピンとこなかった。
お前はいつも全力投球で
やってきたし、
今もやってるじゃないか?

でも、真面目1本に見える男でも
本人の中では、葛藤があるのかも
しれない、それが人間なんだろう。

しかし、それでも、
私の頭はなかなか彼の言葉に
納得が行かなかった。

「どうかしてた。」
今はどうかしてはいないという
宣言にも聞こえる。

私は今もまだずっと、
思春期や青春期からずっと、
どうかしてると思って
生きている人間です。

この2023年を、
発狂することなく、
引きこもりになることもなく、
「つつがなく」生きている人は
みんな、どうかしている、
とすら思ってしまいます。

こんなにまともな人が
生きにくい時代もないのでは?

ロシアの核ミサイルが
いつ飛んできても、
新しい感染病が流行しても、
沖縄の基地には知らぬ振りをし、
福島への犠牲も知らぬ振りをし、
壊れた学校社会や
うつ病になる教員が最多になっても
まだ文科省は胡座をかいていても、 
私は他人事にして生きている。
なんとか明日の平穏のため。

壊れきったこんな時代に、
生きている私たちはみんな
どうかしているのではないか?

ずっとずっとそう思ってきました。
生きるためには、
どうかするしかない。
まともな感性になったら、
それこそ、発狂するだろう?
それこそ、どうかするだろう?
だから、心を鈍磨させて
自分を騙し騙し、生きている。
少なくとも、私はそう。

「あの頃はどうかしていた」は
燃え殻さんやカツセマサヒコの
遅れてやってきた青春小説系の、
キザな台詞みたいだな。
今はまともだとでも言うのか。

本当のことをいえば、
「あの頃もどうかしていたけど、
今もまた僕らはどうかしている」
と言うのが正しい…気がする。

大学時代、
英語ドラマのサークル活動に
必死に打ち込むなんて、
今思えば、バイトもほどほどに
ちゃんとご飯も食べられて、
その活動の中で恋愛も
してたでしょうし、
とにかく恵まれてたとしか
言い様がないくらい(笑)。

あ、そうだ!
自分がなぜか好きになる本では
登場人物たちは、みんな
どうかしている人ばかりだ。
太宰治の主人公しかり、
夏目漱石の主人公しかり…。

そうして、そんな人物たちに
なぜか惹かれてしまうのは、
私もやっぱりどうかしているからだ?

もっと健全で、もっと前向きで
もう希望しかないような本には
ちっとも魅力を感じないなんて、
私もやはりどうかしている(笑)。

自分がついつい、
もう50歳を過ぎても、
未だに大江健三郎や開高健で、
あれこれ頭をいっぱいにしてる。
これはとても、健全とは
呼べないでしょうね。
私は、元部長の一言から
やっと自分がどうかしてることに
気づくことができて、
なぜかホッとしている。
どうかしてるのに…(汗)

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