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【ロシア】米原万里が生きてたら、ロシアについて何て言うだろう?

今のロシアのこと、
ロシアとウクライナのことを
一番に聞いてみたいのは、
米原万里さんだ。
ロシア語の通訳家で作家で
人間嫌いで、
あ、いや人間に深い興味を
持ち続けた米原万里さん。

彼女ほどロシアに詳しく
また周辺国にも詳しい人は
いなかったから、
今のロシアには
手厳しい言葉を
繰り出したに違いない。

でも、米原万里は
2006年に亡くなってしまった。
もう18年前だ。
青森の恐山のイタコにお願いして
米原万里をおろしてもらいたい。

でも、そんなことをしなくても、
彼女が書いた様々なエッセイには
ロシアに対する彼女の
様々な愛憎がこめられている。

『ロシアは今日も荒れ模様』
『旅行者の朝飯』や
『ガセネッタ&シモネッタ』、
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
『オリガ・モリソブナの反語法』

米原万里の本を読むたびに、
不思議な気持ちになる。
彼女はロシアを実は
愛していたんじゃないのか?
いや、やはり滑稽だと思ってたのか?

彼女は表面的には
ロシアの愚かさを
延々と語っているようで、
でも、それでもずっと
ロシアについて考えている、
それが米原万里の哀しさだった。

米原万里は親の仕事のために
子供時代をプラハで過ごし、
ロシア語に接したことが
彼女の人生を決めた。

米原万里がもしも
英語圏にいったら
彼女の人生は、
彼女のだす書籍も、
ぜんぜん違ったんだろうなと思う。

しかし、やはり米原万里は
ロシア語圏内で良かったんだ。

おそらく彼女の風刺力、
批評力の深さ鋭さは、
愚かなマルクス共産圏内でこそ、
よく育ったもののはずだから。

米原万里が
ロシア語圏内で育ったことは
幸福だったのか、
不幸だったのか、
それを問うのはナンセンスだろう。

今、ロシアがこんな状態になり、
ウクライナとこんな状態になり、
米原万里のロシアに関する本は
貴重な洞察や批評や記録になっている。

ロシアは今日もまだまだ
荒れ模様。
周辺国もまた荒れ模様。

米原万里のことが 
また無性に読みたくなってきた。

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