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【ヒット】『アルジャーノンに花束を』がまた何度めかのヒット!!

最近、本屋さんに行くと、
『アルジャーノンに花束を』の
文庫が平積みだったり、
面陳されていて、
「あれ、また
『アルジャーノンに花束を』が
来てるんだあ?」
とびっくりしました。
1999年に出た文庫が、 
25年たってなお売れているなんて!?

今回は、また、
小説紹介ユーチューバー、
けんご氏が最近取り上げたり、
音楽ユニットがモチーフにしたりなどが
重なったかららしい。

こんなに何度もヒットする
息の長い小説も珍しいなあ。

舞台化も何度もされてきた。
テレビドラマ化もされてきた。
2002年、ユースケ・サンタマリア、
2015年は、山P主演で。

それから、
音楽家、氷室京介が
『アルジャーノンに花束を』を
テーマに曲を作っている。

そんな風に、
山Pや氷室京介が絡むと、
影響力は強いでしょうね。

ただ、それだけだろうか?

これは、
この本の出版社、ハヤカワ書房が
宣伝や販売促進に長けているから、
というひとことに尽きる。

この出版社の編集長はさらに、
「要約したら、三行くらいになる
シンプルな作品であることが重要だ」
と、オリコンの記者に
インタビューで答えている。

ゼット世代は、
簡潔さ、シンプルさを好むから、
そこにも今ヒットしている理由が
ありそうだと語っている。

「タイパ重視のZ世代にとって、
内容の面白さはもちろん、
簡潔さは何より重要。
さらにはそのジャンルにおける
“原点、入口”であることも
よく親しまれる本の共通点だ」と
オリコンの記者は書いている。

簡潔さはわかるにしても、
タイパは違うでしょう。
文学を甘く見ているとしか思えない。
文学は、数字にならない
心や気持ち、感情について
書かれていることが魅力であり、
タイパとは正反対な、
時短で片付かないというか、
時短で人の気持ちがますます
モヤモヤする機微について、
一緒に見つめようとするのが
読書欲求なのではないか?
私には、タイパがいいから
『アルジャーノンに花束を』が
売れるとはとうてい思えない。

まあ、現代は、私みたいな 
時代遅れにはわからない
新しい時代なのかもしれません。
気持ちがモヤモヤしてきました。
こんな時にこそ読みたいのが
小説だったりすると思うのですが、
これって時代遅れなのかなあ。

ちなみに、
『アルジャーノンに花束を』は
知能が幼年なみしかない青年が
科学者の協力をもとに、
アルジャーノンというハムスターと
一緒に知能を発達させ、
知性が爆発的に成長し、
天才になるのですが、
それに従い、孤独や悲しみを
味わうことになり、、、、
という物語です。

ダニエル・キイスという
アメリカの作家が
1978年に刊行した作品です。

ところで、日本の小説で、
こうした度重なるロングセラーって
あるかなあ。

何度も何度も映像化され、
本もその度に売れている作品といえば、
太宰治『人間失格』かなあ。
紫式部『源氏物語』かなあ。
小松左京のパニックものかな。
筒井康隆『時をかける少女』かな。

息の長い小説。

でも、今は、
一分に満たないティクトクという
媒体のオススメ力でヒットするんだから、
なんだか、そのあたりがまた
モヤモヤするなあ(笑)。

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