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【作家】今年生誕100年の作家はクセが凄い?!

安部公房、吉行淳之介、吉本隆明、
川上宗薫、トルーマン・カポーティ、
山崎豊子、多田道太郎、相田みつを、
陳舜臣、黒岩重吾、、、。

これらの人には
ある共通点があります。
今年、生誕100年になる人たち。

安部公房や吉行淳之介、吉本隆明、
という名前を聞くと、
戦後作家というイメージが
頭に浮かびます。

でも、意外なのは、
相田みつをさんの存在(笑)。
そうかあ、相田みつをも
戦争時代を青春期に
過ごした人だったのかあ。

山崎豊子は、
1945年の敗戦の日を、
毎日新聞社で記者として働いていた。
その大阪毎日新聞社会部で
部長?デスク?として
敗戦の記事を書いていたのが、
後の作家・井上靖でした。

山崎豊子と井上靖がふたりも
同じ新聞社の同じ社会部にいたなんて
すごいなあ。

さて、相田みつをより
さらに意外なのが、
トルーマン・カポーティ。
彼もまた、太平洋戦争を
青春期に過ごしていたなんて。

でも、カポーティには、
戦争小説ってありましたっけ?
あまり書いていない気がする。
『ティファニーで朝食を』や
『誕生日の子ども』や
『夜の樹』や『遠い声、遠い部屋』
これらに共通しているのは、
ノスタルジーへのこだわりですね。
幼年期や故郷へのノスタルジーが
カポーティ作品をいつも貫いている。

あ、そういえば、
安部公房だって、
吉行淳之介だって
官能作家の川上宗薫だって、
戦争や敗戦直後を直接、
テーマにしてる訳ではないですね。

ただ、共通しているのは、
洒脱なダンディズムだ。

戦争のカオスの中から
立ち上がっていく過程で、
自分自身が信じられるものだけを
書いていった作品群は
他人には真似ができない、
クールなダンディズムだった、
と言えそうです。
1924年は、なんだか、
不思議なクセを感じます。

とりわけ、安部公房は、
キング・オブ・シュール。
平凡な時代背景では、
あんなに尖ったシュールさは
生まれなかったにちがいない。

1924年生まれでは、
社会派作家・山崎豊子や
戦後批評家・吉本隆明も
無数の作品を生み出しましたが、
やはり、
カポーティと安部公房が
頭ひとつ抜けた存在だなあ。
川上宗薫も、マニアックな人の間では
なかなかのレジェンドですが。

今年は、安部公房イヤーに
してみようかしら。
まずは安部公房の初期作品
『壁』と『箱男』を読んでみようかと。

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