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タリバンからの逃亡劇ドキュメンタリー『ミッドナイト・トラベラー』が公開中!

こんにちは。
前回アフガニスタンのタリバン政権下を描いた傑作アニメ『ブレッドウィナー / 生きるために』をnoteで紹介したのですが、今度はドキュメンタリー映画で新作映画が公開されましたので、そちらもご紹介できればと思います。


タリバン政権では働くことや勉強すらできず徹底的に女性に人権がないことがアニメでも描かれていますが、さらにすごいことまでリアルなドキュメンタリーから見えてきます。
今回はこの『ミッドナイト・トラベラー』を紹介します!

『ミッドナイト・トラベラー』(9/11〜)

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2021年 アメリカ、イギリス、カタール、カナダ 87分
監督:ハサン・ファジリ
出演:ナルギス・ファジリ、ザフラ・ファジリ、ファティマ・フサイニ、ハサン・ファジリ


映画のキッカケからすごい

まず、すごいのがこの映画の作られるキッカケが、監督のハッサン・ファジリがタリバンから死刑宣告を受けたからなんです!

まだタリバン政権下ではない2015年にアフガニスタンの国営放送で国の平和に関するドキュメンタリーを放映したところ、その内容に憤慨したタリバンが、出演男性を殺害(ウソだろ!)。さらにディレクターであるハサン・ファジリにも死刑宣告を出すというトンデモ展開になるんです。

そんなことありますか??っていう展開なんですが、日本では考えられないリアルがそこにあるのが今のアフガニスタンなんです。

タリバン側にいる元仲間から連絡があって「お前の名前が死刑リストに載ってるぞ」って教えてくれるんです。
それでさすがにヤバいぞってなって、小さい娘も2人いるので家族で国外脱出を図る、というドキュメンタリーなんです。

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全編スマホで撮影!

この映画の特徴としては、全編スマホ撮影っていうのがあります。
よくiPhoneで撮ってみましたってタイプの作品もあるんですが、本作の場合は、撮影カメラとか用意してる場合じゃなくて、もうスマホしかない状況ってのがあるんですが、実は奥さんも映像作家で家族で撮れちゃうっていうのがすごい。

途中で悪いブローカーに国外脱出の際に色々荷物とか持ってかれたりしちゃうんですよねー
それでもスマホ1台あれば撮影できちゃうんだから、すごい。

だから今までだったら準備がなくてできなかった事がドキュメンタリーとして作品になる時代なんだなって改めて思いました。
そして、この今のリアルな現状が垣間見れるので超貴重です。

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道中がとにかく大変!

このドキュメンタリー、アフガニスタンからどう脱出するかって話かと思ってたんですが、違うんです。
なかなか国外に出られないんですが、出た後も大変なんです!

それも移民を受け入れてくる安全なところに行くまで転々と隣国を渡り歩くんです。正規の国外旅行じゃなくてビザなしの不法滞在なんで、砂漠みたいな道から行ったり、悪徳ブローカーに脅されたり、行った先で差別を受けたりともう踏んだり蹴ったりなんです。。

だけどこれがもう全部リアル。
それがすごい。まさに今の時代の話だし、今知っておくべき内容。

この不幸な現在進行形のおとぎ話をぜひ見届けてほしいです。


公開情報

▼Filmarksで上映スケジュールが確認できます

▼公式サイト



『ホース・ソルジャー』

ついでタリバン関連でもう1作品ご紹介。
こちらはハリウッドのアクション映画なので、テイストはまた全然違います笑

主演は、『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースです。
タリバンと対立するアフガニスタンの武装勢力と共闘してタリバンを撃退しに行く話なのですが、戦車とかロケット砲とか最新装備を揃えているタリバン軍に対して、なんと騎馬で突っ込んでいく少数精鋭なアメリカ兵!

そんなバカなと思いましたが、なんとこれ実話だったんです。
砂漠の中での戦争アクションものですが、こちらもリアルに行われているアフガンの現状なんです。


最後に

今回はとっても地味な作品だったんですが、やっぱり今観るべき作品かと思ったので紹介させてもらいました。
なかなか公開館も少ないのですが、まだ公開始まったばかりなのでまだまだ観れると思います。


最後までありがとうございます。

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