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水分の摂り方~水を1日2リットル摂取はちょっと待って!~


水分過多、水捌けの悪い【水湿(すいしつ)】【痰湿(たんしつ)】タイプの方は要注意

夏真っ盛りです。
ちょっと外に出ただけでも汗が吹き出し、ついつい冷たい飲み物に手が伸びちゃいますよね。また、熱中症による被害のニュースもよく耳に入ってくるので、否が応でも水分摂取は意識してしまいます。
健康に気を使っている方なら、「1日2リットルの水を飲むのが良い」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。でも、実はそのアドバイスは全ての人に当てはまるわけではないんです。
特に、「水湿(すいしつ)、痰湿(たんしつ)」という体質のあなたは注意が必要です。中医学においてこの体質は、体に水分が溜まりやすく、水分の代謝がうまくいかないことを指します。
この体質の方は、気圧の変化が激しい時や、梅雨のジメジメと湿気の多い時、水分を過剰に摂取してしまう時に体調を崩しやすくなります。
主な症状としては、

・むくみ
・めまい
・頭が重い感じ
・頭痛
・体のだるさ
・憂鬱な気分
・おりものの量が多い
・お腹が張る
・食欲がない
 などの

様々な症状があります。

実際に、店頭でもあえて水分の摂取を減らすだけで、めまいや頭痛が軽減する方がいらっしゃいます。

冷たいもの、甘いもの、油っこいものはほどほどに

水分過多による体調不良の原因は二つあると言われています。一つは適量以上の水分を摂取してしまったこと、もう一つは体の水分の排出がうまく行かないことです。この水分の代謝は消化器系の脾、腎、肺などの臓器が担当しています。これらの臓器がうまく働かないと、体内に余分な水分がたまってしまいます。特に胃腸は、体内の湿度を調整する役割を果たしています。そのため、胃腸の調子が悪いと、水分の代謝がうまくいかず、梅雨のような湿度が高い季節に体調を崩しやすくなるんです。また、冷たいものや甘いもの、油っこいものをたくさん食べたり、食べすぎると胃腸の調子を悪くしてしまい、体内に湿気が溜まる「痰湿」の状態になりやすくなります。

漢方を活用して、体質に合わせた水分調整を

体の水分排出がうまくいかないあなたには、まずは水分の排出を改善することが大切です。水分の排出がうまくいかないのに、たくさんの水を飲んでしまうと、余計に体内に水分がたまってしまいます。また、その水が冷たいものだと、体が冷えて水分の代謝が悪くなり、結果として水分排出が滞り、体調を悪化させてしまうことがあります。舌を見てみると、舌に厚い苔があったり、舌が大きく膨らんで歯形がついている人は、水分補給は控えめにし、のどが渇いた時だけ飲む、それと余分な水分をきちんと排出することを意識しましょう。汗をかくことも良いし、貝類や海藻、根菜類、キノコ類、冬瓜などウリ科のもの、こんにゃく、ハト麦、緑豆(もやし、はるさめ)など、体内の余分な水分を排出する力がある食材を食べるのもオススメです。
漢方薬を活用して、体の水分をうまく調整し、肺や脾、腎の働きを強化することも可能です。漢方薬の種類は豊富ですので、お近くの専門家のいるお店にご相談頂くことをお勧めします。

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中医学では水分代謝は肺、脾(胃腸)、腎が行うと考えます。体に余分な水が溜まっていると舌に苔が多く、腫れぼったい、歯形がつきやすいなどの特徴があります

健康のための多角的なアプローチ

体調を整えるためには、水分摂取のバランスを整えることはもちろん大切ですが、日々の生活習慣全体を見直し、適度な運動をしたり、しっかりと睡眠を取ったりすることも大切です。これらは体内の水分の代謝を助け、水湿、痰湿状態の改善に役立ちます。また、心地よい睡眠は体全体の調和を保つ助けになります。そして、食事も大切です。特に冷たい飲み物や食事は体内の水分の代謝を悪くする可能性があるので、注意しましょう。
健康的な食事と適切な水分摂取が体質改善に繋がります。
栄養という面でいうと、例えば、むくみやすい方などは血液検査でアルブミンの数値が低い場合があります。アルブミン値が低下すると、血管内の血液の浸透圧が低下します。 血管内と血管外の浸透圧バランスを取ろうとして、血液中の水が血管外へ移動するため、血管外の組織に水がたまり、むくみが起こりやすくなります。アルブミンは血液中に 100種類以上存在しているタンパク質(総タンパク)のうち、もっとも多くを占める(約60%)タンパク質のことです。タンパク質不足も原因の一つと言えます。特に胃腸の弱い方や女性、高齢者の方に多く、そういう方は、しっかりとタンパク質を補うことも重要です。タンパク質は体重×1グラムが1日の摂取目標です。

内臓の力は個体差によって、強弱があって当たり前です。視力の良し悪し、お酒に強い弱い、持久力がある人ない人、筋肉の多い少ないといったように体の体質は十人十色です。お水だって、多く飲んで良い人悪い人がいて当然です。一人一人違う体だからこそ、広く知れ渡った健康法が、自分にとって必ずしも適切ではない場合も十分にあり得ます。
実際に店頭でも、
「〇〇さんがやっていたから、私もやってみた」
というワードはよく耳にします。じっくり伺うと、その健康法は控えておいた方が良いというケースは実際にあります。
情報過多の社会において、何が正しいかを判断するのがとても難しいことかもしれません。そんな時は、自分だけで判断するのではなく、丁寧に話を聞いてくれる専門家のアドバイスを参考にするのも一つです。
普段から健康をしっかり意識しているにも関わらず、原因が分からず不調だった症状が、あっさりと改善するかもしれませんよ。


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