最近考えていること 【•カシスジャムは僕たちのアート作品 •人間は「影響」の生き物 •幸福の正体=循環の中に身を置いている実感】
こんにちは! 乾燥がひどくなってくるこの時期、毎年決まって必ず喉をやられてしまう道産子カナダ人農家のJustinです。秋もだいぶ深まって風が冷たくなってきた近頃、いかがお過ごしでしょうか?
風邪は大抵喉から来るので、最近は大事を取ってさっさと寝るように心がけているのですが、今日はなんだか頭だけが妙に冴えてなかなか寝付けないので、話しの流れもオチも特に決めず、なんとなくノートを書き始めてみました。
ライブペインティングならぬライブライティングってな感じで、今回は見直しも特にしないでゆるゆると書いてみようかなと。
まとまりのない変な文章になるかもしれませんがw、最後までお付き合いいただけたらとても嬉しいです。
コンテンツや人との出会いが人生に及ぼす影響
早速本題ですが、最近、どういうわけかコンテンツ(本・音楽・映画・漫画・アニメ・ドラマなど)や体験(主に人や物との出会い)が人生に及ぼす影響についてずーっと考えています。
特に多感な10代の頃にいわゆる「それまでの価値観を木っ端微塵にぶっ壊されるほどの衝撃を受けたコンテンツや人物」と出会った経験がある人は、その後大人になってから、そのコンテンツなり人物なりの存在に「結構な割合で」人生の道筋を決められてしまうのではないかと思うんですが、どうですかね? この仮説。
ちなみに僕は、あまねく全ての人間のなかに、その人の「魂の核」を形成しているコンテンツや出会いが必ずあると考えている派で、だからこそ、どんな人においても、完全に自分の意志で下している決断って実はなかったりするんじゃないかなとも思っています。
言い換えると、今の時代は各個人の中に確固たる自我が存在しているように思われがちだけど、僕たちひとりひとりが日々口にしている言葉や体現している思想に100%オリジナルなものなんて一切なくて、それどころか、その中には必ず影響を受けた人やもののエッセンスが「本人の考えている以上に多分に」含まれているんじゃなかろうかってこと。
人間ってきっと、どこまで行っても「影響」の生き物なんですよね。
(ちなみにですが、僕は親しい人や尊敬する人がどんな人やものに強い影響を受けて生きてきたのか、その体験話を聞くのが大好きです。
最近でいえば、久しぶりに会った親しい身体調律師さんから、彼が過去に影響を受けた人•ものについての話を詳しく聞く機会があって、それがまー面白かったんですよね〜。
最近は整体やヨガなど、体の使い方やケアの仕方を追求した分野にも興味のアンテナが向いているので、農作業の視点から見た体のことに関するノートも今度書いてみようかな)
昨日までの自分をぶっ壊されたくて、昨日までのあなたをぶっ壊したい
で、その話の流れで行くと、僕自身はといえば、常に「昨日までの自分をぶっ壊してくれるなにか」を求めて生きてきた部分が確実にあるし、今は「誰かの昨日までの常識や価値観をぶっ壊したくて」、「あーでもない、こーでもない」なんて言いつつ、相変わらず日々みっともない失敗を重ねながら何とか生きているわけです。
ちなみに、僕がこれまでの人生で最初に強烈な影響を受けたものが「ニルヴァーナ」。(僕がニルヴァーナに出会った中学当時、すでにボーカルのカート・コバーンは死んでいましたし、グランジロック最盛期はとっくに過ぎていましたが)
リアルタイムではなかったにせよ、初めて手にした彼らのライブアルバムの1曲目「School」を聴いた瞬間、そのサウンドや歌詞と、大人への不信感を募りに募らせていた当時の僕の暗澹とした気持ちの間に惑星直列が発生し、今にも死に絶えそうだった魂がみるみる蘇生していく感覚に包まれたのは非常にインパクトの強い体験でした。
北国のベリー、カシスとの出会い
ふたつめは、新規就農した10年前、道東を車で旅していた時に偶然訪れたベリー栽培農園で、生まれて初めて食べた無添加のカシスジャム。
その時の体験談を今ここで書き連ねると長くなってしまいそうなので省きますが(詳しくは、よろしければ過去に書いたこちらの記事もご覧ください↓)
早い話が、そのカシスジャムを一口食べた瞬間、あまりの複雑な味わいと溢れんばかりの生命力に衝撃を受け「俺もこれを作ろう」と決めて、古参品種カシス(ボールドウィンという品種)の無農薬栽培を本格的にスタートさせ、今に至るというわけです。
3つ目は、(これが一番大きいですが)やはりカシスジャムを作り始めてから数年後に出会ったパートナーですね。(彼女と農園を一緒にやるようになってからの話は、こちらも長くなりそうなのでまた機会があれば書いてみたいと思います)
常識をぶっ壊すアート作品としてのカシスジャム
さて、ここからようやくw 本命の本題であるカシスジャムのお話し。
僕たちの農園で作っているカシスジャムは、僕たちにとって「パンやヨーグルトのお供に使う食べ物としてのジャム」というよりもむしろ、「失われつつあるボールドウィンの個性をそのまま閉じ込めた、食べた人のジャムに対する常識をぶっ壊すアート作品」そのもの。
だから、カシスジャムを食べた人から「もう他のジャムは食べられない」とか、「今まで食べていたものはなんだったの?」なんて感想をいただくのが、実は何よりも嬉しいんです。
さらには、食べた人のジャムに対する常識だけに留まらず、「食べ物全般」だったり、「農業」だったり、「自然界」だったり、もっと広義なものに対する常識をぶっ壊すきっかけが作れたら、作り手である僕たちにとってこれ以上幸せなことはありません。
目に見えない「何か」を循環させたい
気持ちとしては(あくまでも僕自身の気持ちです)
「これでも喰らえー! そして体も心も元気になれー!」と叫びつつ全身全霊のエネルギー弾(ジャム)を世に放ち続けている
とでも表現すれば一番適切かもしれません。(もちろん、ジャム以外の商品も全てそうですよ)
僕たちの農園は、機械や薬品は使わず手作業のみで管理しているので、規模としてはごくごく小さなもの。
だから商品を届けられるお客様の数も当然限られてしまうのですが、自分たちの思いを「確実に」、そして「ちゃんと」届けたい思いから、あえて必要以上に栽培面積を広げないよう心がけています。
僕たちのジャムが、今日も世界のどこかで誰かを驚かせて、ほんの少しでも救いになって、明日を生きていく上での元気の源になってくれれば、それでオールOK。
届ける人の数の多さは、実際のところ全然重要じゃありません。
ただ、誰かから影響を受けてエネルギーをもらって、もらったエネルギーを自分たちなりに形にして誰かに与えて、そうやって「目に見えるもの」だけじゃなくて、「目に見えないもの」も循環させていく。
たとえ微々たる力しかなくても、その「霊的な循環」の中に身を置いている実感を得ることこそが、「幸せ」ってやつの正体なのかもしれないな、なんて最近では思ったり。
「ぶっ壊す」なんて角のある表現を最初に使いましたが、言いたかったことは、要はそんな感じ。うまく言葉にできてるのかは分かりませんが💦
まあ、兎にも角にも、つたなくてもなんとなく形にして残せたことを良しとして、今日のライブライティングはこの辺にしておこうと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。ますます寒くなって来ましたがお体に気をつけて。
Wishing you the best.
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