ぼくたちにとって建築家とは

建築家のもとで長く番頭さんとして働いたあとで、腰掛けのつもりで不動産営業に転職したのがちょうど10年前。見るもの触れるものすべてが新鮮でした。

それまで大学や設計事務所で学んできたことや、良いと言われてきたことが、不動産会社ではまったく評価されない。営業成績? 服装? 社内営業? 異なる価値観で毎日がズンズンやってくるんですね。まあ正気じゃいられない^ ^

数年待たず建築界にもどるつもりが、不動産業界で建築家の評価が低いことに心底腹を立ててたんでしょう、不動産やお金の世界から見える建築家のビジネスモデルを、現代版にアップグレードさせようと、何とか奮闘してるうちに不動産会社で独立しちゃった!やばい。

ちくしょう、そのぶん歴史に名を残す大仕事をするぞ、といつもの勝手な使命感。片思いで建築界にラブコール。黒歴史を残すかも。今回も乱文すみません、てにをは気にせずぱっぱといきます。

転職した当初、ポスティング(いわゆる、家のポストに入ってる、迷惑なあれ)を前職会社から命じられました。極めて不毛な苦行でしたが、貴重な発見が!「家ってめちゃめちゃ多い」ってこと。何十万のポストに手を突っ込んではじめて知りました。数字で見ただけでは理解できない自分の悲しいレベル。でも出会った建築家が設計した住宅は100件くらいだったかなあ。そうすると1000家族にひと組って感じなのかなあ。

もったいない。僕は10組いたら2〜3組は建築家に頼んだほうがいいと思う。日本の消費者が求めてる住空間の水準は、もうすでにそんなスタンダード。でも結局その2〜3割の人も、大半はそうなりません。その理由は不動産業界の中に色々あって、まざまざ見てきました…。

建築家のみなさんの、多様な表現、その個性、その豊かさ。産み出す覚悟、産まれる恐怖、工事現場での格闘。仕事の誠実さ、親密さ、高潔さ。長時間の思考、格闘、発見。そこにある世界観、ディテールから空間構成、哲学や思想。総じてその魅力。

ぼくにとっては建築家とは、すべて。存在をかけて守りたいもの。だからいまどきのおしゃれな不動産会社と比べると、ちょっと古いのかもね。すみませんそれは全力で改善します^ ^

どこでこじれたのか、建築家になりたい!から、建築家に超役立つ存在になりたい!になって、いまは建築家からの依頼が9割だから、構造設計者や設備設計さんに近いと思います。それよりちょっと先に呼んで頂くことが多いかな、プロジェクト化のキーファクターが、不動産や、資金調達、権利関係や相続、あと企業の場合は経営戦略だったりと。そこで困ってるお客さんはたくさんいます。

そんな立場から見ると、伝統的な「コンペ※1」はよくない。本当によくない。勝てたとしても良くない。ぼくも設計事務所時代はたくさん参加しました。獲れても獲れなくても、祭りみたいで楽しかったけど、現実ほかに、困ってるひとがたくさんいるし、そこにビジネスチャンス多いから、そこで顔がみえている貢献する側にまわったほうが、いろんな意味で良くないか。

そんな思いで、創造系不動産を創ってからは、建築家のみなさんとたくさんコラボ(^^)。ほんとうにありがとうございます。協業や提携って、ほんとにいいです

なんか恥ずかしいのでこの辺で。そうですね、次回はこの延長線上で、建築家や設計事務所以外での、創造系と企業間の業務提携について。垂直提携も水平提携もあります。2018年はたまたま、創造系不動産は提携イヤーになりそうです。

#不動産 #建築 #デザイン #マネジメント #経営 #仕組み #建築家 #不動産コンサル #ビジネス

※1 コンペ
ゴルフのコンペみたいな意味。要は設計事務所同士の戦い。昔は公共建築の仕事はその形式で計画案を競い受託されたが、00年代の公共事業縮減により急減。逆に00年前後のネットビジネスの台頭より、民間コンペ(主に住宅)が急増


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高橋寿太郎の だだもれ

小さな会社を経営するって、大変だけどすごくおもしろい! 一級建築士×宅建取引士×経営学修士の高橋寿太郎による、楽ありゃ苦もある経営思考だだもれ。建築家やデザイナーの仲間と楽しみながら、コテコテの不動産業界を何とかしたい紆余曲折。
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