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高齢を先取り体験?

弱視難聴は、盲ろう者に含まれる。

けれど、自分自身を説明するとき、盲ろう者という言葉を使ったことがない。

弱視難聴と言う言葉も、実生活で誰かに説明するときには、使ってこなかった。

「弱視です」

と言っても伝わらないこともあったし、

「難聴です」

と言うと、補聴器は?と言われるから。

「目が見えづらくて、耳が聞こえづらいんです。メガネやコンタクト、補聴器などで矯正できないんですよ~」

そのように、伝えてきた。

この説明で、どこまで伝わるのだろうか?とも思うが、だいたいの人は、わたしと付き合ううちに、それがどうゆうことなのか、なんとなく感じ取ってくれた。

数千人しかいない弱視難聴。

なかなか理解してもらいづらい障がい。

きっと誤解されることも多い人生なのかもしれない。

ムシしてないんです。

できることなら挨拶したいんです。

でも、近くに来てもだれだかわかる人と、わからない人がいるんです。

親しい人なら雰囲気や匂いですぐわかる!

でも、たまにしか会わない人や、髪型が変われば、すぐわからなくなる。

だから、あなたがだれだか声をかけてもらわないとわからないのです。

こっちから声をかけたい。

だけど、知っている人なのか確信がもてないのです。

だから、道行く人に会釈をする。

「あ、知らない人だったぁ~」

と、相手のリアクションで気づいたり。

都合のいいときだけ聞こえてるわけじゃないんです。

聞き取れるときと 聞き取れないときがあるのが難聴なんです。

聞こえるときは、ペラペラしゃべり、会話が弾み、最高!

聞こえていないときは、なんとか聞き取れる単語を組み合わせて会話に入る場所を見つけるのに必死!

よく困った場面。

「お会計は〇〇円になります」

聞こえない。

「すみません、もう一度お願いします。」

「〇〇円です!」

聞こえない。

「すみません、聞こえないので値段見せてください。」

顔を近づけようとするも、値段が書いてある場所が遠い!

店員さんは、サッと紙に書いてくれたが・・・

「もう少しおおきな字じゃないと見えなくて…すみません!」

書き直してくれたが…

「見えないですね…すみません!あっ、1万円出します。」

と大きめのお札を出す。

こんなことはしょっちゅうあった。

最近は、カード支払いをするようになったので、レジでもたもたすることはだいぶ減り、このレジでのストレスが減った。

カードについていくのが大変な、高齢の方などは、わたしと似たようなシチュエーションのとき、同じように苦労されているんだろうな、と考える。

見えづらくて聞こえづらい。

「めんどくさいなぁ」

と思われることも多いかもしれない。

知らないお客さんに、もたもたしていて舌打ちされることもあったなぁ。そういうのは聞こえる不思議!

ATMから引きずりだされたこともあった。

イライラされることがあるのだ。

でも、イライラしている人もみんな、年を取ったら見えづらくなったり、聞こえづらくなる。

弱視難聴のこの状況は、高齢になったときに、誰もが経験するかもしれない状況。

わたしは、高齢を先取り体験しているのかもしれない。

くよくよしていては この世界で生きていけない。

この世界だからこその 優しさをたくさん感じることもあるから

わたしは 弱視難聴のリコでよかったのだ。





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