「選択という自由」

「早く大学生になりたい」
部活と勉強に明け暮れていた中学高校時代、何度この言葉を口にしたかわかりません。年の離れた姉が大学生でのんびり過ごしているところを見て、あんなに時間がゆったりしているなんて羨ましいとずっと思っていました。

晴れて憧れの大学生になったわけですが、実際中高生時代よりもはるかに自由な時間が増えました。目の前のことに必死で走り続けたあの頃が遠い昔のような気がして、後輩を目にするととても懐かしくなります。

しかし、人生の夏休みと言われているとはいえ、ぼーっと過ごしている訳にもいきません。勉強はもちろんゼミ、サークル、バイト、ボランティア、留学、就活、、、と「選択すれば」いくらでもやることはあります。逆に言えば、選択しなければ何も起こりません。私は有難いと同時にとても難しいことだと感じています。

やりたいこととすべきこと、優先順位をきちんと考えなければいけないからです。大学生は通過点に過ぎず、将来を見据えるために与えられた時間なのではないかと思っています。

私は高校生までとても忙しい部活に所属しており、かつ大学受験においても国公立大を目指していたこともあって暇な時間は全くありませんでした。当人にとってはつらいことも多いですが、今考えればそれ以外のことは考えなくていいし、自由な時間を捧げた分の経験という対価を得ることができたと感じています。

しかし今は、学校以外に縛られるものがなくなり、全てにおいて自ら選択することが求められます。私は自由を手にしたと同時に、必死で頑張るものを失った喪失感に襲われました。
もちろん、また新しく夢中になれるものを見つけられるのが良いのだと思いますが、先に述べたようにきちんと優先順位を考えていかなくてはならない以上、好きなことばかりやっているわけにもいきません。私はもともと体が丈夫なほうではなく自分に無理を強いるような生活はできないので、自分のなかでのバランスをきちんと考える必要があります。

そういった意味で、私は大学生という時間はある意味今後の人生を試されているようで、難しいと感じています。

やりたいこととすべきこと、バランスよくできるのが理想なのだと思います。周囲に流されずに、きちんと自分の人生を見据えていきたいものです。

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