田中乗光/浄土宗寺院住職

お寺で生まれ、お寺で育ち、お寺で生きる。お寺の世界しか知らない寺坊主。今もお寺を住持し…

田中乗光/浄土宗寺院住職

お寺で生まれ、お寺で育ち、お寺で生きる。お寺の世界しか知らない寺坊主。今もお寺を住持しながら日々を過ごしています。

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仏様の前での心構え

気が付けば、もう7月。梅雨も明けて夏の暑さも本格化してくる時期です。 8月になればお寺が一番忙しく、お坊さんも走り回る時期ですが、どうぞお墓参りやお仏壇に手を合わせていただく時間を皆さまでも作っていただければと思います。 お盆の時期は(関東は7月ですが、関西は8月に勤めます)、お寺の息子さんや娘さんなどの子供を連れて、親子で各お家のお仏壇参りをされることがあるのですが、あるお寺さんが息子さんと一緒にお盆参りをしていた時のお話です。 子供は素直。大人は?小学生の息子を連れ

    • お念仏って何?

      浄土宗という宗派浄土宗という宗派は、「お念仏を唱えましょう」というのを大切にしています。 お念仏っていうのは「南無阿弥陀仏」「阿弥陀仏」という仏様のお名前をお唱えすることなんです。 南無阿弥陀仏とは「南無阿弥陀仏」って何なのかというのをご説明させていただきます。 仏教はインドのお釈迦様というお坊さんが広められて、中国から日本に伝わってきました。 インドの言葉を中国で訳されて、今、日本ではその中国語に訳されたお経を読んでいます。 この「南無阿弥陀仏」をそのまま日本語に訳すと、

      • 家庭教育とは

         うちには、小学4年生の娘と5歳の息子がいます。 娘が最近YouTubeをよく見ている。 (注意しないと永遠に見ているのではないかというくらいに><) 娘と一緒に息子もYouTubeを見るようになり、最近では息子もYouTube漬けになってしまいました。息子は5歳で、まだ文字の読み書きが出来ないのですが、しかし今は、音声で検索が出来てしまう!なのでSiriにお願いして、見たい動画をいつまでも見ている始末・・・そして、「もう良い加減にしなさい!!」と妻の怒りの雷が落ちる。 とい

        • 本当に大切にすべきの習慣とは

           最近、皆さんのnoteを読んで、朝活、毎日noteの更新などなどの習慣化をされているのを見たり読んだりして「自分も頑張ろう!」と、とても励みをいただくようになりました。本当に有り難いことです。 そんな中、思った少しお坊さん的?な習慣について書きました。 あたりまえで失うもの 日常的に行っていることは、自分自身では意識することも少なくなってきます。 笑ったり、歩いたり、何かを手に取ったり、食べることだったり、noteを読むことだったり・・・歩くときに歩いている足に意識が行

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        記事

          分かれば分かるほど分からないことを分かった人が本当にモノの分かった人

           仏教で説かれる煩悩の一つに“愚痴(ぐち)”というものがあります。 愚痴をこぼす、というあの愚痴です。おろかの“愚”と知識の“知”に病いだれがかかった“痴”と書きますが、まさに知識が病にかかり愚かな状態になることです。 例えば、旅行に出かけようと外に出ると雨が降っていた。「なんで、旅行に行く日に雨が降るねん」と、愚痴をこぼします。 頭では、雨はこちらの都合では降ったり止んだりしないことは分かっているのですが、心では腹が立っている。 自分の気に入らないことが起こると私たちの知

          分かれば分かるほど分からないことを分かった人が本当にモノの分かった人

          実はお坊さんが1番大切にしていたこと

           私がお坊さんとしてお寺の事を手伝うようになって言われた言葉に、 「坊さんは1掃除、2勤行(お経を読む)、3学問」 と、言われてきました。まずは、掃除をしなさいと。  お坊さんは資格が必要です。資格がないとお坊さんにはなれません。 私の宗派(浄土宗)では、伝宗伝戒道場というのが総本山知恩院というお寺で12月4日~12月25日の3週間の間、泊り込みで修業をして、最終日に免許皆伝と、お坊さんとしての資格を得ます(もちろん、様々な課程をこなさないと、3週間の修行には参加できません

          実はお坊さんが1番大切にしていたこと

          日々の習慣に取り入れると善いこと

           さて、今日は仏教の教える習慣のお話です。 皆さんは、日常どんな習慣を意識して行っていますか? 健康を意識して、毎日1万歩歩いたり。知識を増やすためにも、毎日読書をしたり。それぞれに、意識する習慣はあるかと思います。  仏教徒(仏教の教えをもとに日々の生活を行う方々)の日々の習慣として、“○○しなさいよ”という教えが仏教にはあります。それを「戒(かい)」といいます。 「戒」と聞くと、堅苦しい!規則的なことを守らないといけない!守れなかったら欠点印を押される!!そんなイメージ

          日々の習慣に取り入れると善いこと

          除夜の鐘のあの鐘は勝手に撞いていい?

           年末年始はお寺も忙しく、除夜の鐘に元旦のお勤めに新年挨拶回りに・・・1月2日それらの勤めを終えてお寺でホッとひと息ついていると、 突然、梵鐘(除夜の鐘で撞く鐘のこと)が「ゴォーン!ゴォーン!ゴォーン!」と境内に鳴り響き、現場に行くと満足そうにお寺から出て行かれる女性の後ろ姿・・・「コラーッ!勝手に鐘を撞いたらあかんぞ!!」とは、言っていませんが、あの鐘は勝手に撞いてはいけませんよ^^ 除夜の鐘のあの鐘は、普段いつ撞かれているのか 除夜の鐘のあの鐘を、梵鐘(ぼんしょう)や洪

          除夜の鐘のあの鐘は勝手に撞いていい?

          新年に思うこと〜コロナ禍で大切にしたいこと〜

          あけましておめでとうございます。 大阪のとあるお寺の住職をしております。 今年から思った事をnoteに書く、まぁ日記みたいなのを書き始めます。 宜しくお願い致します^ ^ はじめに お寺の仕事納めは、大晦日の除夜の鐘で、仕事初めはというと元旦のお勤め(私の宗派では修正会と言います)です。 私のお寺では、除夜の鐘は1月1日の0時に終わり、元旦のお勤めは1月1日の0時から始まります…そうなんです。仕事納めたらそのまま仕事初まりなんです。そんな業界は、芸能界かお寺ぐらいなじゃ

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