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日本語能力試験の現状と課題

はじめに

明後日の日曜日は、半年に一度の日本語能力検定試験の日になります。

今年も私たちの支援している外国人就労者のみなさんの中で、職場の理解も受けて、日程を調整しながら受験してくれるメンバーが居てくれることに心から感謝したいです。

今日は、彼らの日本語の勉強を見つめてきたひとりとして、この10年間で、考え続けていることを書かいていきたいと思います。

1.現状の概要

「日本語能力試験」は、日本語を母語としない人々の日本語能力を測定し認定する試験です。昭和59年に設立され、国内外で受験者数が増加しています。

令和5年7月時点で、国外では約48万人、国内では約21万人が受験しました。特に1級と2級は、日本の大学入学選考にも利用されています。

2.問題点

しかし、この試験には、いくつかの問題点が残っています。

例えば、出題内容の適切性や、1級合格者の日本語コミュニケーション能力に対する大学側の期待とのギャップが指摘されています。

また、他の日本語能力測定試験との関係を考慮し、試験の需要を明確化し、使途範囲を拡大する必要があります。

3.出題内容の検討と改善提案

①現行試験の構成と課題

現在の日本語能力試験は、文字・語彙、聴解、文法・読解の3部門で構成されています。

これらは、基本的な言語能力の測定には、有効ですが、実際のコミュニケーション能力を総合的に評価するには不十分な面があります。

特に、日常生活やビジネスシーンで必要とされる対話能力や、文化的背景を理解する能力が評価されていない点が、課題として挙げられます。

②コミュニケーション能力の重視

今後の試験内容の見直しでは、コミュニケーション能力をより重視する必要があります。これには、実際の会話やディスカッションを模擬するような形式の導入、文化的な理解を問う問題の追加が考えられます。

また、実際の生活や職場で遭遇するようなシチュエーションを取り入れた問題設定も有効です。

➂多様なニーズへの対応

日本語学習者の背景は多様であり、それぞれ異なる目的で日本語を学んでいます。たとえば、留学、ビジネス、趣味、文化交流、日本語文学研究など、目的に応じた認定基準の設定が求められます。

これには、異なるレベルや目的に応じた複数の試験区分を設けることが有効ではないでしょうか?

私は、改善の提案と挙げさせていただきましたが、日本国内海外でも行われる壮大な試験でもありますから、大変な試験内容の変革になります。

④日本語教育機関への影響

これらの変更は、日本語教育機関のカリキュラムにも大きな影響を及ぼします。試験内容の変更は、教育プログラムの見直しを促し、教材の開発や教員の研修など、教育現場における多くの調整を必要とします。

そのため、これらの変更は、関係者との十分な協議と計画的な導入が必要で大変な作業になると思います。

日本語能力試験の出題内容の見直しは、単に試験の質を向上させるだけでなく、日本語教育全体の質の向上にも寄与します。

学習者の実際のニーズに応え、彼らの日本語コミュニケーション能力を真に向上させるために、この10年間で、考え続けていることを書かせて頂きました。

お読みいただいて、本当にありがとうございます。
11月も本当にお世話になりました。
今月も宜しくお願いいたします。



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