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電通とリクルート

を読みましたので簡単にまとめ②。著者は山本直人氏。

 前回は、電通とリクルートで両者が必要としていたスキルは違った、ではそれは何か、という話で終わりました。

 電通は、「変換スキル」——商品の意味の書き換えることを必要としていたといいます。
 例えがだいぶ昔になりますが、本で何度か紹介されたのはJRの「クリスマス・エクスプレス」。新幹線は単に遠隔地へ人を運ぶ乗り物と思われていたのを、CMはロマンチックな特別なものへと意味を書き換えたのです。
 余談ですがぼく、このCMめっちゃ好きでYoutubeで何回も見てます笑。これがきっかけでクリスマスは恋人と過ごすもの、という(悪しき)風潮が生まれたとみることもできるようです。実際は松田聖子さん(たしか)のクリスマスソングが、恋人と過ごすことを推すような歌で、それがヒットして風潮が生まれた、など(当然ですが)いくつか原因はあるようですが。しかし「クリスマス・エクスプレス」は、消費者の感じ方さえそもそも変えてしまいうるという大衆向けCMの醍醐味を表していますね。

 一方でリクルートは、「編集スキル」——規格を統一して検索性を与えることを必要としていました。それはそうで、発散志向広告で扱われるものは比較検討の必要性が薄い(機能がそこまで大差ないため)のに対し、リクルートが扱った住宅情報や転職情報は消費者が自ら調べられることが重要だからです。そのために、いかに高度な「編集スキル」を用いてわかりやすく規格化するかということが大事なのでした。

 電通とリクルートのスキルでの比較、これはまだ本で言えば序章of序章何ですが、今までぼくはこういう観点で両者を見たことはなかったのでこんなにスペースを割いてしまいました。次は、①でも触れた、電通の「元栓」とリクルートの「毛細管」についてもう少し深掘りをば。

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