いつ以来の投稿かわかりませんが、おもしろそうな企画をやっていたので久々に書いてみようと思います。 「優先席がない社会」 初めてこの考え方を目にしたのは、小学校の道徳の教科書でした。 バスや電車に必ずある優先席。なぜそれがなくならなければいけないのか?あってもいい、むしろなくてはならないものではないのか。 当時道徳は押し付けがましい教科だと感じていてあまり好きになれませんでしたが、これは興味を持って読み進めたのを覚えています。 優先席とは、お年寄りや体の不自由なかた、妊
を読みましたので簡単にまとめ②。著者は三浦俊彦氏。 ①では涼宮ハルヒの憂鬱やエンドレスエイトに関する簡単な確認をしました。今回はエンドレスエイトが不評だった理由を5つ簡単にみていきます。 ①物理学的誤謬 ②ジャンル的誤謬 ③芸術学的誤謬 ④解釈的誤謬 ⑤メタフィクション的誤謬 の5つが挙げられていました。こう書くと仰々しいように思われるかもしれませんが、解説を聞くと「ああ、確かに」と(ぼくは)なりました笑。 まず①物理学的誤謬から。 簡単にいうと「バタフライ効
を読みましたので簡単にまとめ①。著者は三浦俊彦氏。 もともとアニメが好きで、涼宮ハルヒの憂鬱は観たことなかったのですが面白そうだったので軽い気持ちで手に取りました。すると想像の何倍も深く、難しい論評がなされていたので衝撃を受けました。うまくまとめられるかわかりませんが、これから何回かに分けて書いていきたいと思います。 主な分け方としては ①エンドレスエイトに関する事実の確認(製作過程や評判などについて) ②エンドレスエイトが不評だった理由 ③エンドレスエイトの退屈さ
を読みましたので簡単にまとめ。著者はブルーズ・グリーンウォルド+ジャッド・カーン。辻谷一美訳。 この本は第Ⅰ部理論編と第Ⅱ部ケース・スタディ編に分かれています。第Ⅱ部では第Ⅰ部で学んだ戦略をもとに、具体的な業界や企業を挙げて説明しています。第Ⅰ部を理解していれば第Ⅱ部も理解できるため、ここでは第Ⅰ部に絞ってまとめたいと思います。 企業の戦略分析は、①現在の市場または今後進出する市場に競争優位は存在するか、②存在するとすればそれは何か、の2つを問うことから始まるとあり
を読みましたので簡単にまとめ。著者は齋藤嘉則氏。 この本は経営者向けの本というイメージで、新戦略を考えるときに参考になる思考方法を、実例を交えつつ紹介しています。 以下簡単に書かれていた内容をまとめます。 まず思考するときには「ゼロベース思考」と「仮説思考」が重要。 ゼロベース思考は、固定観念に囚われず顧客にとっての価値は何かを考えなさいということでした。 仮説思考は、ある事実から「SO WHAT?」を繰り返すことで方向性を決め、行動に結びつく結論まで落とし込
を読んだので簡単にまとめ。著者は水島宏明氏。 この本では一貫して、テレビの内側を通して番組の作り方や放送局の風習を批判していました。 そういうわけで特にテレビのやらせ・捏造・怠慢といった負の側面にスポットが当てられています。こうしたことが起こる原因を読者に伝えたいということが主旨であると僕は感じたので、その不正が原因をざっとまとめたいと思います。 ・報道を担うジャーナリストとしての意識が低い 誤って情報漏洩してしまったり、リハで使った不適切な表現がうっかり放送さ
を読みましたので簡単にまとめ。著者は碓井広義氏。 前回はテレビビジネスにおいて、どのようなお金の流れが起こっているのかを見ました。お金の流れは制作費と電波料の2つが主でした。 ではこれが視聴率至上主義とどう関係するのか、というのが今回です。 関係するのは電波料でした。 放送局はCMが挟める枠を企業へ売って、企業がその枠を買ってCMを放送してもらっているわけです。この枠には大きく分けてタイムとスポットの2つがあります。 タイムは、その番組を丸ごと買い取って、
を読みましたので簡単にまとめ。著者は碓井広義氏。 この本は大きくわけて「テレビの歴史」「テレビのビジネスモデル」「ドキュメンタリーの方法」の3つのパートに分かれていました。特にぼくが勉強になったと感じた「テレビのビジネスモデル」についてまとめたいと思います。 放送業界のビジネスモデルについて、広告代理店からテレビにお金が入っているおかげで僕たちは無料でテレビが見られる、くらいしか正直理解していませんでした。ここではもう少し詳しく書かれており、それが視聴率至上主義を生み
を読みましたので簡単にまとめ。著者は石光勝氏。 全体は序章、終章を除くと8章から構成されていますが、ここは筆者の主張に沿って簡潔にまとめたいと思います。 この本で一番筆者が言いたいことはタイトル通り「テレビ局を削減すること」でしょう。 放送法には、もともと地方局救済のために認定持ち株会社制度が導入されていて、1つの持株会社が12テレビ局まで傘下に収めることができます。石光氏は、それを14局以上に増やしたいというのです。そうすると、7都県への放送を対象としているため
を読みましたので簡単にまとめ。著者は山本直人氏。 だいぶん遅くなりましたが、いよいよ最後のまとめです。 人々はかつてテレビの広告を見て「自分もいつかこんなふうに……」と憧れを持ったものですが、物質的に満たされバブルも終わり、皆現実を見るようになりました。そこで広告のあり方も変わり、人々の憧れを持たせるよりも、いかにその人にマッチしているかの情報を伝えるものにシフトしたのでした。 例えば自動車のCMで言えば、かつては憧れを持てるスタイリッシュさだけを前面に出していれば
を読みましたので簡単にまとめ⑥。著者は山本直人氏。 前回は、視聴者の「買う理由」を強固にするための戦略として広告出稿側が意識するようになった「ストーリーという理由」の解説をするといい終わりました。 「ストーリーという理由」を視聴者に提供するとは、「この商品はあなたにふさわしい」というメッセージを送ることである。前回の「合理的理由」という、消費者の条件に合致しているかどうかを知らせるものと似ていると思うかもしれないが、違う。必ずしも消費者の条件を満たしている必要はなく、
を読みましたので簡単にまとめ⑤。著者は山本直人氏。 今回は「分衆・少衆」の話です。 高度経済成長の前は皆物質的に満足しておらず、求めることはだいたい同じだったので「大衆」として括ることができていた。そうした人々に電通のマス広告は合っていたわけです。 しかし物質的に満たされるようになると今度は心の幸せを求め始める。そうして「自分のことは自分決める」風潮が強まり、さらに経済成長も相まって選択肢が広がったことで、個人主義が叫ばれるようになったのです。 以上のような背景
を読みましたので簡単にまとめ④。著者は山本直人氏。 前回は電通とリクルートの共通点と課題をみました。今回は、人々の広告の受け取り方の変化をみます。 簡単に言うと、人々は現実を見るようになったということです笑。 戦後、電通が成長した時代には朝鮮特需から始まる経済成長があり、人々は何か憧れを求めて日々を過ごしていました(実際ぼくはその時代生きていないのでなんとも言えませんが笑)。テレビを見るのも、テレビでしか見られない人を見たいとか、テレビでしか体験できないことを疑似
を読みましたので簡単にまとめ③。著者は山本直人氏。前回は電通とリクルートが広告をどのような目的で使用してきたかをみました。 次には電通とリクルートの共通点、そして現在(といってもこの本が書かれた2010年くらい)二社が直面している課題についてみていきます。 共通点は、二社とも情報の流れの「元栓」を押さえていること。課題は、インターネットによって優位性が脅かされつつあることです。 まず共通点。実はこのnoteの電通とリクルート①では、電通は広告業で「元栓」(四大メデ
を読みましたので簡単にまとめ②。著者は山本直人氏。 前回は、電通とリクルートで両者が必要としていたスキルは違った、ではそれは何か、という話で終わりました。 電通は、「変換スキル」——商品の意味の書き換えることを必要としていたといいます。 例えがだいぶ昔になりますが、本で何度か紹介されたのはJRの「クリスマス・エクスプレス」。新幹線は単に遠隔地へ人を運ぶ乗り物と思われていたのを、CMはロマンチックな特別なものへと意味を書き換えたのです。 余談ですがぼく、このCMめっ
を読みましたので簡単にまとめ①。著者は山本直人氏。 まず電通とリクルートはともに広告、つまり情報を扱う会社ですが、その種類は異なります。 具体的には、電通は「発散志向広告」、リクルートは「収束志向広告」だというのです。 発散志向広告とは、商品の情報について大衆へ広く喧伝することが目的であり、テレビ・新聞など大手メディアを媒介として主に日用品など消費者が何度も買う必要があるものを扱う、というイメージです。 一方収束志向広告は、そのストーリーが当てはまる人をターゲットに