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内側から見たテレビ

 を読んだので簡単にまとめ。著者は水島宏明氏。

 この本では一貫して、テレビの内側を通して番組の作り方や放送局の風習を批判していました。

 そういうわけで特にテレビのやらせ・捏造・怠慢といった負の側面にスポットが当てられています。こうしたことが起こる原因を読者に伝えたいということが主旨であると僕は感じたので、その不正が原因をざっとまとめたいと思います。

・報道を担うジャーナリストとしての意識が低い
 誤って情報漏洩してしまったり、リハで使った不適切な表現がうっかり放送されてしまったり。こうした問題の根底にあるのは心構えだと述べられています(ある意味当たり前)。

・視聴率第一主義

 結局視聴率を取るため大衆に迎合している。スポーツニュースが多いとか(スポーツニュースがダメだというわけでは決してありませんが、例えばトップニュースから延々そのネタを話し続けるとか)、画になるように(ある種内容には関係なくどうでもよい)映像の撮り方に変に拘るとか。またこの視聴者に胡麻を擂るような姿勢が、コンテンツの過度な平易化とか(さらにそのために内容を捏造したり)、クレームへの過剰対応などにも繋がっているのです。

・過度なマニュアル化、作業の分担
 報連相は大事とはいえ、マニュアル化されすぎると自分の頭で判断できない人が出てきてしまいます。また編集作業がいろいろなブースへまわり、指示が通りづらいという面もあります。その結果、誤って情報を漏らしてしまうというようなことが起きてしまうのです。

 このような問題点を抱えるテレビ業界ですが、影響力は強い。テレビはやはり奥が深い、と述べられています。

 たしかに今や「マスゴミ」と揶揄され軽蔑の対象になることが多いようなテレビですが、結局朝イチのニュースを見たりとまだまだ生活には根付いているでしょう。だからこそ問題点を解決し、国民に利益をもたらす放送を心がけるべきであると思いました。

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