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電通とリクルート

 を読みましたので簡単にまとめ⑤。著者は山本直人氏。

 今回は「分衆・少衆」の話です。
 高度経済成長の前は皆物質的に満足しておらず、求めることはだいたい同じだったので「大衆」として括ることができていた。そうした人々に電通のマス広告は合っていたわけです。
 しかし物質的に満たされるようになると今度は心の幸せを求め始める。そうして「自分のことは自分決める」風潮が強まり、さらに経済成長も相まって選択肢が広がったことで、個人主義が叫ばれるようになったのです。

 以上のような背景があったのですが、人々にとっては、さながら旅行ツアーで突然ガイドの人から「ここから自由行動ですよー」と言われてどこに行けばいいかわからず右往左往するような状態になってしまった。

 そこで広告としては、単に「モノ」を紹介するのではなく視聴者に「買う理由」を強固に提供することが必要になってきました。
 それまでマス広告は「新商品発売!」というように新しいことを売りにしてそれを「買う理由」にさせようとしていたが、それでは弱くなってしまいました。

 そこで別のアプローチが必要になってきた。本文では2つが挙げられていて、それは「合理的という理由」と「ストーリーという理由」です。

 「合理的という理由」は、「これはあなたが探している条件に合致しますよ」という広告の仕方で、まさしくリクルートの情報誌(情報を規格化し比較を可能にする)が得意としていたものです。

 では「ストーリーという理由」とは何か?

 を、次に書きます。


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