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電通とリクルート

を読みましたので簡単にまとめ。著者は山本直人氏。

 だいぶん遅くなりましたが、いよいよ最後のまとめです。
 人々はかつてテレビの広告を見て「自分もいつかこんなふうに……」と憧れを持ったものですが、物質的に満たされバブルも終わり、皆現実を見るようになりました。そこで広告のあり方も変わり、人々の憧れを持たせるよりも、いかにその人にマッチしているかの情報を伝えるものにシフトしたのでした。

 例えば自動車のCMで言えば、かつては憧れを持てるスタイリッシュさだけを前面に出していればよかったが、今では車の価格はもちろん、エコカー減税とか、情報をいろいろプッシュすることが多くなっているでしょう。

 では電通のような大手広告代理店の広告は今後どうなっていくのでしょうか。このままリクルートのように情報を提供する広告を作るのでしょうか?

 山本氏は、かつての電通広告の原点、「拡声と伝達」に戻ると説いています。「拡声と伝達」は、その商品がいかに視聴者に合っているかの情報を流す、というリクルート的な広告方法ではなく、商品を周知してもらうことを目的とするものといっていいでしょう。
 大手広告代理店は、事業主が広告を出したい意図を汲んで、それを適切に広告に織り込む。それが重要だとここには述べられています。

 例えば任天堂のWiiは、ゲームは子どもからその祖父母世代まで、家族みんなで楽しめるものだということを周知させたかった。ゲームは若者だけのもの、という従来の認識を書き換えたかったのです。
 広告代理店は、そうした任天堂の意図を汲み取って広告を作らなければならないのです。今では事業主側も、1つの広告代理店に制作を任せるということは減り、広告代理店同士を競わせているでしょう。このような事業主の意図を的確に拾っていかなければ、今後も繁栄することは難しいのかもしれません。

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