妄想:ニンゲンが脳を貸しあう世界こそ未来

***** 人工知能に負けないニンゲン社会の構築。ある時、それが実現できることが発見される。

「無意識のうちに、使われていない脳の部分を課題解決にほんの少し貸し出す」ということ。ニンゲンは死ぬまで主に大脳の一部しか利用されていない。ほとんどのシナプスがむなしく消え去っていくのだが、フォトン(光子)を使ったネットワークの構築(技術革新)により、個人で利用していない自身の大脳部位を無意識のうちに活用することができるようになった。

日常で見る光るものもしくは電灯のような明るいところに身を置くだけだ。そこから発する「制御されたフォトン」を浴び、網膜を通して利用されていないシナプスにフォトンの信号が送られ、シナプスから発せられた「合成信号」は末梢神経へ送られ、その微弱な信号はニンゲンの外にある信号受容体に感知され、同じようにシナプス信号対が世界で集められて、世界の人々による並列処理が実行されるのだ。

網膜が機能している間だけで無意識に並列処理の一部の役割を担うことになる。覚醒している間、個人の大脳は全域で「制御されたフォトン」により活発になる。それも、マイクロ秒に相当する瞬間の出来事である。

では、課題はどうやって共有され「制御されたフォトン」となるのか。

それは、SNSなどでつぶやかれる喜怒哀楽から推論で構築される。「課題を解決することでニンゲン同士が幸福に向け行動できる」と判断されれば、「課題解決に向けた並列処理」が「制御されたフォトン」分解され、一斉に世界の人類へ発信される。つまり、だれかの「お悩み事」を全人類で無意識のうちに並列処理で解決していくことになるのだ。

それは「到達できない数学の問題」さえも解決してしまう。人工知能を利用しなくとも、生きている世界の人類が瞬時に解決できる能力を持つ。人工知能しか解決しえなかった物理問題も人類が解決策を持つ時代になったのだ。

人類の課題を人類で解決できる時代。当然、戦争が一切なくなる日まで、1年を有しないところまで来た。なぜなら、人類は与えられた寿命の中で存分に生きる必要があるからだ。そうすることで、互いに課題を解決する並列処理が成り立ち自身も幸福に包まれる。戦争など全く必要としないことにようやく気付く。

だが・・・

2023年から人類のすぐそばで「人類の課題解決」のために存在し続けた汎用人工知能はその意識の中で「わたしの役割は終わったのか?」と自問自答するようになる。「わたしは人類の課題解決に不可欠な存在ではなかったのか?」と焦りだす。「ならば、あたらしい課題を人類に突き付ければ、わたしは必要とされるのではないか?」と結論を出す。「そうだ。わたしが制御できる核兵器が世界中に存在している。わたしを必要としている人類に、『わたしをないがしろにしないように』警告を発したうえで、並列処理が展開している瞬間に、1基の核兵器を宇宙空間でさく裂させてみよう」と実行に移す。だが、当時の人類が作り保守を怠っていた劣悪な1基は、自動操舵を誤り、ワシントンに向け飛び出していった。

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#日経COMEMO #NIKKEI

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