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組織はトップの人間以上に成長しない

温度差が激しいとどうなるかと言えば、熱いものは冷め、冷たいものは温まる。

これは何も温度計で測った摂氏や華氏の話だけに限らず、人間の感情や態度、やる気やモチベーションにも同じことがいえる。

組織はトップの人間以上に成長しない

今日、友人とチャットしていて改めた感じたのは、ある組織の伸びしろは、その組織のトップを務める人間の伸びしろ以上に可能性を持たないということだ。

どういうことかと言えば。例えば、その組織のリーダーが閉鎖的な考え方の持ち主で、業務や新人教育の外注に否定的な態度を示す傾向にあるとする。

しかしそのリーダーの部下に当たる人物にがとても外交的でコミュニケーション能力もあり、かつ業務効率化の能力に優れた人物であったとする。当然その部下は内製で対応するする必要のない業務は外注し効率化を図るし、新人教育を外部スクール等を頼ることで自社のリソースを有効活用するだろう。

リーダーはそれが面白くなく感じるので、そんな優秀は部下の考えを一蹴する。

するとどうなるかと言えば、その組織の成長がその否定された分だけ止まる。いつまでも非効率な社内業務を外注できないまま社員を疲労させ続け、教育担当には何度も何度も同じことを入れ代わり立ち代わり入ってくる新人たちへ教え続けさせる。

そうこうしているうちに彼らのモチベーションは下がって離職していくし、なにより改善提案した先の優秀な部下は、自分の居場所ではないとして、その組織を当然去るだろう。

結果、その組織は成長しないというわけである。

これと全く同じことが前職の職場で起きていた。いくつかのプロジェクトでも同様の事象が発生していたし、会社全体がそうであるという節も感じられた。

決して自分を棚上げするわけでもなく、私自身がそのストッパーのように働いていたこともある。

会社を辞めて客観的に振り返ってみると連日この類の気づきが押し寄せてくる。なかなか当事者でいると盲目になってしまうもので、このような体験は面白い。

過去辞めていった社員からもいろいろな指摘を受けたが、外部の人間なのにうちのこと良く気付くなぁと思っていたら、自分も同じ発想になるのだと、久しぶりの転職で思い至った次第だ。

少し業界の言葉で言えば、クォータ機能で制限されているような、CAPが掛けられているような、ボトルネックであるような。そこが、上限値であると言えばいいのだけれども、そこをどうしても超えることが出来ない。

その理由は冒頭で話した、温度の関係性だ。

私なんかは常々暑苦しいやつだねと揶揄されてきた類のおかしいヤツなのだが、なんにしても温度感は高かった。

議論と言えば本気でぶつかるし、それは仕事が好きだからだし、関わる社員たちやお客さんたちを幸せにしたいからだ。

頑張らずに幸せになってほしいとは、口だけ野郎になってしまうから、行動に移す動機を作るためにも議論は本気でしたかったし、出来ることは何時間残業しようと、プライベートの時間を削ろうと(半ば勝手に)やってきた。

温度で言ったら100℃くらいだ。

一方で、周囲の冷めようである。これには随分と参ったのだ。

私の周囲のマネージャや経営者は偉く冷めたもので、温度で言ったら20℃くらいだ。

当然、改善提案などやってる暇がないほどプロジェクトをたくさん抱えていたし、経営者に至っては資金のやりくりやら、人員トラブルに起因するインシデント対応やら、長時間の謎の電話対応やらで首が回っていなかったので、それなりの温度感になるだろう。

一方で他のマネージャたちは、それはそれで彼らの問題を抱えているし、現場のプロジェクト業務以外で給与査定に明確に反映される指標がないものだから、(それもおかしいのだが)温度感はそれなりになる、といった寸法である。

そういう私は元々大して給与に興味がなく、面白いかどうか、人の役に立つかどうか、世界がいい方向に変化するかどうかみたいなところにしか興味がないものだから、温度感は開いて仕方なかっただろう。

事実、上がったはずの給与が1年間振り込まれておらず、年度末に会社側が謝罪にきたことがあるくらいだ。言ってくださいよ、と言われたが、払ってくださいよと言う話だ。7年ほど前の話で、ほんと生きていければ別に給与なんて、と思っていたころの話だが。

こう言った人間関係においてどういったことが起きるかというと、

100℃の経営者
20℃の一般社員

こういった構図だとどうなるかと言えば、一般社員は100℃の経営者に充てられて、徐々に温度が上がっていく。いい傾向だ。一方で経営者は温度の低い一般社員に冷やされてモチベーションが下がっていく。

しかしそこは経営者だ。自身のモチベーションコントロールはそれなりに出来なければ話にならない。

次の例。

100℃の一般社員
20℃の経営者

この構図ではどうかと言えば、20℃の経営者側は多少社員に充てられて気合いがはいるだろうが、100℃の一般社員の熱は冷めていく。

一般社員は熱が冷めるとどうなるかと言えば、会社を辞める。前述の例と同じように、居場所がないと感じるからだ。自分の「熱」をもっと生かせる会社組織を求めて探しに行くだろうことは想像に難くない。

このように、経営者が社員の流出を加速させるという行為はこのように温度感の違いがあるのだろうということを実体験として経験したことをここに記しておく。

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