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コア・コンピタンスに基づく新規事業アイデアの創出プロセス


はじめに

アイスリーデザインの加藤と申します。
今回は、弊社DXコンサルティング部が提供している『Human Innovation Program』の概要説明と、その中で活用している「3by3ビジネスフレームワーク」の特徴についてご紹介します。

企業が持続的な成長を遂げるためには、自社の強み(すなわち「コア・コンピタンス」)を深く理解し、これを活用して新たな事業を創出することが不可欠だと考えられています。
しかしながら、多くの企業が自社の強みを見失ってしまい、市場の変化に対応するイノベーションを生み出すことに苦戦していることが多分にあります。

弊社はこのような問題解決の一助になれるよう、独自に開発した「3by3ビジネスフレームワーク」を活用することで、自社の強みを再認識し、それらに基づく新規事業アイデアを創出するためのプロセス を提供しています。

強みと顧客課題を結び付ける『Human Innovation Program』

弊社のデジタルイノベーションパートナー事業における、コンサルティングサービス内の「新規事業創出 / 人材開発ワークショップメニュー」として提供しているのが『Human Innovation Program』になります。

本サービスは
● DX組織の形成、DXマネジメント人材の育成
● 新規事業アイデアの考案、課題解決ソリューションの創出
● 働き方改革、生産性向上

を実現するための実践型ワークショップで
①「3by3ビジネスフレームワーク」を活用した新規事業アイデア創出
②「JOB理論フレームワーク」を活用した課題解決ソリューション抽出

の2パートで構成されています。

大袈裟に表現すると『企業の内部に眠る潜在能力を引き出し、それを市場の需要と結び付けること』を最大目的としたプログラムです。

強みはイノベーションの種

企業の強み(コア・コンピタンス)とイノベーションの関係性の整理になりますが、「企業の強み」は新しいビジネス機会を見い出し、競争上の優位性を確立するための「イノベーションの種」になると考えています。
企業はまず、これらの強みを再認識し最大限活用することで、既存の枠組みを超えたサービスや製品を開発、ひいては市場に新たな価値を提供することができると考えます。

ところで、イノベーションとは?

前提としてイノベーションとは
・新しいアイデア、製品、サービス、プロセス等を実用的な形で生み出し、それを社会や市場に導入することで、従来の方法や価値を大きく改善、または変革する「プロセス」
を意味します。
単に新しいアイデア考案や技術開発をすることだけでなく、それを実現し 実用化する過程を含んだものが「イノベーション」です。

イノベーションを起こすためには?

イノベーションを起こす、すなわち企業が競争力を保ち成長するためには、ビジネスモデルや顧客体験、内部プロセスなど多岐にわたる要素において革新を見い出す必要があります。

「3by3ビジネスフレームワーク」のベースとなっている「10 Types of Innovation」は、イノベーションが起きる様々な要素を体系的かつ網羅的に分類されています。
10のイノベーションタイプを分類すると
1. ビジネスモデル
2. ネットワーク
3. 構造
4. プロセス
5. 製品性能
6. 製品システム
7. サービス
8. チャネル
9. ブランド
10. 顧客エンゲージメント
が含まれます。
詳細は最終段の付録「10 Types of Innovation におけるイノベーションタイプ・カテゴリー」をご覧ください。

例えば、ビジネスモデルのイノベーションを考えた場合「収益モデルの構造を根本的に変えること」を可能にします。
ネットワークのイノベーションを考えると「サプライヤーやパートナーとの協業を通じて新しい価値を生み出すこと」に焦点を当てますし、プロセスのイノベーションを考えると「より効率的または効果的に製品やサービスを提供する手法を開発すること」でコスト削減や品質向上が実現します。
他のタイプも然りです。

イノベーションを起こすためには、これらのタイプを個別・独立的に考慮するだけでなく、相互に組み合わせて全体的なイノベーション戦略を構築すること も可能です。

10 Types of Innovation

※ Doblin - The Ten Types of Innovation と こちらの記事を引用しています


イノベーションの一歩目は強みの再認識

イノベーションは、自社の強みを正確に理解し直す(再認識する)ことから始まると考えています。
なぜなら、多くの企業は日々の業務に追われる中で自社の本質的な強みが何であるかを見失いがちで、強みを問われると明確に言語化できていないことが多く見受けられます。

一度立ち返り、自社の核となる強みを再認識し、それを未来の事業戦略の基盤とすること が重要だと感じています。

強みに基づく新規事業アイデアがイノベーション

しばしば散見されるのは、突発的ないしは偶発的、ジャストアイデア的に生成された新規事業アイデアは、実現可能性の欠如や戦略的なフィット不足により実行されないまま終わっていること です。お蔵入りされがちなのではないでしょうか。
根本原因は、これら アイデアが企業の強み(コア・コンピタンス)と連動していないこと だと考えられます。仮に実行されても、成功確率はおそらく低いものとなります。前述の「既存事業との親和性」が弱い状態 です。

新規事業アイデアを考案、実行、そして成功させる鍵は、企業の強みを「当てはめる」ことにあります。そうすることでアイデアに「既存事業との親和性」が加わり 実現可能性を持つこと で成功確率が高まっていきます。
3by3ビジネスフレームワークは、この「当てはめる」プロセス を体系的かつ網羅的に、そしてシンプルに整理化しています。

3by3ビジネスフレームワークの活用プロセス

本フレームワークの活用プロセスは
❶ 未来のホラーシナリオを想像し「未来新聞」を作成
❷ 3by3ビジネスフレームワークを用いて「新規事業アイデア」を創出
の2ステップで成り立っています。

❶ 未来のホラーシナリオを想像し「未来新聞」を作成

最初のステップでは、スペキュラティブ・デザイン思考(※)を用いて、数年後の未来における潜在的な危機(企業や業界を揺るがすような最悪な事態)を想像して描き出し、その脅威に耐え得るための強みや方法を検討します。

※スペキュラティブ・デザイン思考(Speculative Design Thinking)とは、未来の潜在的なホラーシナリオや様々な「もしも」の状況を想像 し、技術進歩や社会的変化などを基に 未来で生じ得る問題やチャンスを探る アプローチ手法です。

本ステップでは
・ホラーシナリオにならないために「今できることは何か?」
・自分たちの「強みやノウハウは何か?」
・市場における「競争優位性は何か?」
などの問いに答えながら 強み(コア・コンピタンス)が言語化 された「未来新聞」を作成します。想像した最悪な事態やリスクだけでなく、未来のチャンス も視覚化されます。

❷ 3by3ビジネスフレームワークを用いて「新規事業アイデア」を創出

次のステップでは、実際に3by3ビジネスフレームワークを活用し 企業の強み をイノベーションが起きる様々な要素に「当てはめて」 新規事業アイデアを生み出していきます。

独自に開発した「3by3ビジネスフレームワーク」では、前述の10要素(10 Types of Innovation)を
・3つの視点(ビジネスモデル、提供サービス、顧客体験:CX)に分類
・更にそれぞれを3つに細分化

することで、日本国内の企業タイプ(業種や業態)をベースとしたアイデアを導出しやすく 既存事業との親和性も持ちやすいデザイン になっています。

3By3ビジネスフレームワーク

実際のワークでは、類似企業の様々なサンプルを横に置きながら ゼロベースのアイデア出し(場の提供だけ)ではなく、より良いアウトプットを導き出すまでの問いの設計、ガードレール設定 をしながら進めていきます。
最終的には、企業が持つ強み(コア・コンピタンス)とイノベーション要素がマッチした新規事業アイデア が創出されることになります。

まとめ

3by3ビジネスフレームワーク活用による企業側のメリット

企業にとって、3by3ビジネスフレームワークを活用することでのメリットは複数あります。主なメリットを2つ挙げると
一つは
● お蔵入りされがちな突発的な新規事業アイデアではなく、ビジネスインパクトに加え 実現性が伴う新規事業アイデア が創出されること
もう一つは
● 従業員個々人が「コア・コンピタンス(強み)」を再認識でき、役割に応じたサービス価値の最大化が図れること
※サービスの付加価値について考えるきっかけになること
も然り
です。

弊社では、今回ご紹介した「3by3ビジネスフレームワーク」を搭載したワークショップ『Human Innovation Program』のご提供だけでなく、最新AI技術を用いたPoC開発やソリューション提案、ユーザー視点を重視したUI/UXデザイン設計 も支援しています。
気になる点がありましたら相談ベースで構いませんので、こちら までお問い合わせくださいませ。

次回、JOB理論を活用した顧客理解フレームワークについて

今回は、弊社が提供している『Human Innovation Program』における
「3by3ビジネスフレームワーク」を活用した新規事業アイデアの創出プロセス についてご紹介しました。

次回は、「JOB理論フレームワーク」を活用した顧客課題の掘り下げ方法と、掘り下げた課題を解決するソリューション抽出プロセス についてご紹介します。
それぞれの効果を結び付けることで、自社の強みを明確にし、顧客の本質課題へ迷いなくアプローチできる状態(そのような組織、部門、チーム)へ昇華していきます。

付録

10 Types of Innovation におけるイノベーションタイプ・カテゴリー

  1. ビジネスモデルイノベーション (Business Model Innovation)
    収益の創出方法や価値提供の仕組みを革新すること

  2. ネットワークイノベーション (Network Innovation)
    他社とのパートナーシップやネットワークを活用して価値を創出すること

  3. 構造イノベーション (Structure Innovation)
    組織構造や内部ネットワークを通じて競争優位を築くこと

  4. プロセスイノベーション (Process Innovation)
    より効率的または効果的なプロセスを通じて新しい価値を創出すること

  5. プロダクトパフォーマンスイノベーション (Product Performance Innovation)
    製品の性能や機能性を高めること

  6. プロダクトシステムイノベーション (Product System Innovation)
    製品やサービスの集まりを組み合わせ、システム全体としての価値を高めること

  7. サービスイノベーション (Service Innovation)
    製品やサービスの提供方法や使用体験を改善すること

  8. チャネルイノベーション (Channel Innovation)
    製品やサービスを顧客に届ける方法を革新すること

  9. ブランドイノベーション (Brand Innovation)
    ブランドの意味や顧客との関係を強化すること

  10. カスタマーエンゲージメントイノベーション (Customer Engagement Innovation)
    顧客の参加や体験を通じて関係を強化し、差別化すること


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