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#7 心療内科を受けた日


初診の予約が取れたのは、涙が出て教室に入れなくなってから10日後のことでした。


今やどこの心療内科も予約でいっぱい。
初診を受け付けないところも多い中で、ここなら予約が取れる、とスクールカウンセラーの先生が紹介してくださいました。


病院がこの世で嫌いなものランキング上位5位に入るわたしです。
しかも病院があるのはめちゃくちゃに都会の街。
人がたくさんいて、乗る電車も満員です。


不安と緊張をもりもり抱えて、重い足取りでなんとか病院にたどりつきました。


はじめて心療内科に入ると、小さな病院の待合室の椅子にぎっしり人が座っていました。

みんな、外から見たら普通に見える人たちばかりで…

わたしだけじゃなく、みんな心にいろんなものを抱えて生きているんだなと思いました。

そして、そんなに人がたくさんいるということは、それだけ待ち時間が長いということで…

1時間以上待ったでしょうか…
病院嫌いのわたしにとっては生き地獄でしかなく、やっと呼ばれた頃には不安も緊張も人生最高潮に達していました。



診察室に入ると、強面の先生が待っていました。
緊張と不安がフルマックスのわたし。
もう軽くパニックでした。

(声が出ない、しゃべれない…)

スクールカウンセラーの先生がご厚意で書いてくださった情報提供書を渡せたおかげで、なんとか状況を伝えることができました。
ここで言っても伝わらないけど、書いてくださって本当にありがとうございました…😭


「お待たせしましたね〜。
そうか〜学校の先生ですか〜」

強面の先生でしたが、話すと優しくて。
イメージで言うとクレヨンしんちゃんの園長先生みたいな、そんな方で…(褒め言葉です)
質問にぽつぽつ答えて行くことができました。でもやっぱり、涙が出てきました。


「あなたは今うつ病の一歩手前、軽度うつ病ってところかな。
緊張状態ずっと続いてストレスがかかったせいで、脳が骨折してるみたいな状態だね。
休んで薬を飲めば、楽になると思うよ。
ただ学校だとどうしても、欠員が出ると現場が回らなくなるからねぇ…

来週から100%元気で働くか、年度末まで休職するか、どっちにする?」


言葉が出ませんでした。
脳が動かないわたしにはもう判断できず…

「どうしたらいいか…わかりません…」

と答えました。


すると先生は
「そうしたら年度末まで休職しましょう。
学校のために休んでやるぜくらいの気持ちで☝️
とにかく今は自分を責めないでゆっくり休む。
その方が早く治りますから。
薬は…そうか…粉しか飲めないのか…」


そういいながら、診断書を万年筆でサラサラと書いていきます。


目の前で大きく

「うつ病」

と書かれた瞬間、どうしようもないショックがわたしを襲いました。



休めて嬉しいなんて感情は一切湧かず、診察後の会計中も、涙がぽろぽろ出て止まりません。

自分が何を考えてどう思っているのか、全くわかりませんでした。

涙が止まらずパニック状態です。
病院を出た後、数歩歩いただけでその場に座り込んで、わんわん泣いてしまいました。


このあと、人混みをかき分けて駅まで歩いて、満員電車に乗って家まで帰らなければならない。

どうしよう、どうしよう…




そんな時、スマホが鳴りました。
ちょうど近くで働いている子からの連絡でした。
神様だと思いました。

「ごめん、今死ぬほど苦しくて…
迎えにきてくれないかな…」

そう返信すると、その子はすぐに電車に乗って駆けつけてくれて、薬局に行くのも付き合ってくれました。


「今日は一人で家にいたら、つらさで心が押し潰されちゃうかもしれない…」
と話すと


「もちろんだよ、うちにおいで!!!!」


と、家に泊めてくれました。
ありがたくて涙が出ました。



次の日、カウンセラーの先生と話して気持ちを整理してから、診察結果を校長先生に報告することになりました。


つづく…

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