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永野護『ファイブスター物語』デザイン画集第七弾『F.S.S.DESIGNS7 ASH DECORATION』を手に入れたよ。

 『ファイブスター物語』のデザイン画集第七弾『ASH DECORATION』を入手しました(6600円……)。あれ、なぜか画像が表示されない。まあいいか。

 今回は星団暦3075年の魔導大戦(マジェスティック・スタンド)終焉のあたりまでのデザインを追いかけているようです。

 語尾を濁すのはまだすべて読んでいないからですが、ぱっと見ただけでもあいかわらず凄まじい情報量で、もうここまで来ると完全に「教科書」、勉強するものだよなーという感じ。

 まあ、いままでもずっとそうだったのだけれど、ここに来て情報の錯綜がさらに常識を超えてきていて、ミラージュ騎士団のナンバーとかもう憶えられないよ!と叫ぶしかありません。バランシェファティマのナンバーもそうだけれど。

 表紙はヤクト・ミラージュことデトネーター・ブリンガー。かっこ良いけれど、グロテスクな金属のカタマリとも見える特異なデザインですね。

 『ニュータイプ』のインタビューによると、このデトネーター・ブリンガーでひとまずモーターヘッドのゴティックメードへの移行は終わり、今後、新しいタイプのゴティックメードが出て来るのだとか。

 ゴティックメード自体、いままでの永野デザインをことごとく過去のものにするとんでもないシロモノだったわけですが、そのゴティックメードの初期デザインをさらに塗り替えるデザインが『デザインズ』の第八弾以降には登場してくるのかもしれません。楽しみ!

 たぶん魔導大戦の終結を機に次のエピソードに入っていくのだろうけれど、いったい今度はどんな世界に入っていくのか。

 何だかぱらぱらめくってみただけでも「うわー」というか、「いままでとぜんぜん違う世界」を予感させるキャラクターが何人かいて、もう、ひたすらわくわくしながら待つしかありません。

 しかし、永野さん、一方で連載を抱えながら良く描くよな。永野護という人は一貫して「漫画家」でも「アニメーター」でもなく「デザイナー」を名のっているわけですが、ほんとうにデザインの才能こそが傑出しているのだと思います。

 いまとなってはマンガもかなり上手くなったし、ストーリーテラーとしても一流といって良いと思うけれど、本質的には「そちら側」の人ではなく、あくまでデザイナーなんでしょう。

 ただ、この場合の「デザイン」とは、「世界ひとつ」そのものを生み出してしまうレベルの特異な能力と技術を表しているわけで、必ずしもロボットとかキャラクターのデザインだけに留まるものではありません。

 そもそもロボットとキャラクターの両方をデザインできる人って日本に何人もいないんですけれどね。永野さんの才能は特異点というか、あまりにも傑出していて「例外」として処理するより他ないレベルのものなのかもしれません。

 「異端」、「異形」、必ずしもメインストリームではない突出し過ぎた個性として見られている永野ワールドなのですが、まあ、あと何十年かしたら時代が追いついて来て「わりとふつう」に見えるようになっているかもしれませんね。

 その頃には永野さんはまた「そのさらに先」を生み出そうとして来ることだろうけれど。

 ふつうならもう引退していてもおかしくない年齢なのに、このモチベーションの高さは何なのでしょう。本人もこの本のなかで「狂気」と語っていますが、尋常ではないプロフェッショナル精神と、何より「創造」の魔性に憑かれているのに違いありません。ふつうじゃないよね。

 ぼくみたいなど平凡な人間からすると、ありがたやあと崇めるほかない人のひとりですね。

 いや、クリエイターさんたちはみんなそうなんですけれど、そのなかでもやっぱり永野護はスペシャル。空から慈雨を降らせてくれる神さまといったポジションのお方です。ありがたやありがたや。

 おそらく今年はヨーンとデコースの三度目の、そして最後の決戦が描かれるはず! 星団中の注目を集め、あのログナーをして賞賛させるというその戦いの帰結とは? わあ、めちゃくちゃ楽しみ。

 今後もぼくは『ファイブスター物語』を追いかけます!

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