映画「あの頃。」
人や街は変わるが、思い出は変わらない。
今回、「愛がなんだ」や「街の上」での監督今泉力哉さんの「あの頃。」を視聴させていただきました。
脚本に僕が大好きな作品の「西瓜とマヨネーズ」の監督、冨永昌敬さんが担当。
自分的には最高の一作と感じております。
①【内容】
大学院受験に失敗した剱。
彼女やお金もほとんどなく、バイト先と自宅を行き来するうだつの上がらない日々。
そんな時、友人から松浦亜弥のミュージックビデオを渡される。
そのミュージックビデオを視聴し、涙が止まらなかった。
その後、取り憑かれたように松浦亜弥にハマっていく。
ある日、ハロー!プロジェクトのイベントに参加し、その際に出会った人たちと仲良くなっていく。
知り合った仲間たちとの日々が楽しく、学生時代に味わった”楽しかった青春”のように。
お金がなくとも、仲間といるあの時間だけが自分の心の支えだったのかもしれない。
思い出とは、何者にも変え難く誰にも干渉されない自分だけの宝。
②【松坂桃李さんと仲野太賀さん。】
「不能犯」、「娼年」、「新聞記者」などシリアスな役柄を演じることが多い、松坂桃李さんが今作では、”オタク”を演じる。
序盤からは人に対してそんなに心を心を開こうとしていなかったが、松浦亜弥、仲間との出会いで一転。
どん底にいた人間を救ったのは、音楽であり仲間であった。
そう思わせる演技が素晴らしい。
最初は、ほとんど笑うことがなかったのに中盤からは笑顔の絶えない青年に変身。
一方の仲野太賀さんは、本当にすごかった。
仲野さんが演じたコズミンが印象的で、仲野さんの何がすごいかというと受けの芝居である。
例えば、松坂さんと仲野さん居酒屋の前での最初の掛け合いと剱の家の前でのシチューの件なんかは最高で素晴らしかった。
松坂さんもそれに負けじと、表情やアドリブで対抗しているからこそ、剱のキャラクターにコズミンという役が剱に大きく影響を与えていることは間違いない。
本当に素晴らしかった。
先日、仲野さんが「女子高生が好きな俳優」で、一位を取ったのはこういう芝居と仲野太賀さんのキャラクターが良かったのだろうと感じる。
③【まとめ】
最近では、”推し”などと自分の好きなものを称されることが当たり前となり、オタク文化も浸透し当たり前のことになりつつある。
恋人や友人ではない、もう一つ括り
それが推しだと自分は思います。
アイドルや音楽などだけではないが、エンターテイメントというのは人の心を動かすもの。
自分も映画からそのことを学び、救われてきた人間。
だからこそエンターテイメントという仕事は、素晴らしいのではないかと自分は思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?