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世界経済の歴史について(2)

前回は、第一次世界大戦まで説明しました。
今日はその続きの話をしていきます。

その前に改めて忘れてはいけないのは、

"世界史は生産と需要の原則を基本に派生に派生を重ね、
私たちが住む社会が形成されている"ということです。

第2次世界大戦の説明に入る前に、
まずは世界的に最も問題のあった世界大恐慌について簡単に話します。

1.世界大恐慌

( 世界大恐慌 )

1914年から1918年まで第一次世界大戦が終戦し、
敗戦国となったドイツとその他の国家はとても辛い時期を迎えることとなります。

持っていた植民地まで全て奪われ、戦争賠償金まで支払わなくてはいけないため、
国民たちの生活はとても窮乏しました。
当然、怒りは極限に達します。

また、アメリカも同様です。戦勝国ではありましたが、途中参戦国家であったため、それほど恩恵もなく、産業革命による過剰供給により植民地が必要となります。
しかし、ドイツが見せてくれた前例があるため、イギリスとフランスに対抗することができなかったのです。

では、他にどんな方法があるのか?と考えた結果、
供給された物品の価格を下げたのです。
価格を下げれば当然多くの人が買うだろうし、それによって
再び工場や生産者が生き残ることができるということを考え出したのです。

そして、A社、B社問わず皆、価格を下げ始めます。

そうすると、最初はよく売れます。それでさらに多く生産し始めるのです。
もう一つの過剰生産の始まりです。
値下げすることで、始めは一時的に経済が良くなり始めましたが、
その場しのぎに過ぎなかったのです。

市場にまた物品が多くなります→価格をまた下げます→C社が登場し、
A社B社よりさらに値下げします→価格競争が激しくなり→価格をさらに
下げるために人件費を削減しなければならないので労働者を解雇します→
労働者=消費者→消費者が萎縮してしまうため→さらに価格を下げます→
価格競争がさらに激しくなります→労働者を解雇......

( 労働者=消費者 )

これが繰り返され、A工場、B工場が廃業になります。
そしてC工場も長くは持たないでしょう。
ドミノ現象で国家経済が揺れ始めます。

この時、失業者だけで1,500万人に達し、その余波によってドイツ、
イギリス、フランスまで伝播され、全世界に大恐慌の時期が到来する
ことになります。

イギリス、フランスはともかく、ドイツはどうなったのでしょうか?
戦争賠償金を支払わなければならないし、植民地は全て奪われて……
その当時、貨幣だったマルクが暴落することになります。
世界経済が厳しくなり、自国の工場も全て倒産すると、
ついには物品がなくなり始めたのです。
パン1つ10円だったとすると、パンの生産者がいないため、
10,000円あっても購入できなかったのです。

( ハイパーインフレーション )

これが"ハイパーインフレーション"です。
極度の値上げとも表現できます。世界大恐慌とともに貧困に苦しむドイツは、
もう本当にどうしようもなくなってしまったのです。
そんな時に登場したあの有名な人物がナチスのヒトラーです。

2.ドイツのヒトラー登場と"ホロコースト"

ヒトラーは「私たちがなぜ戦争賠償金を支払わなければならないのか?」 
私たちゲルマン民族は優秀な民族である。
私は戦争賠償金を支払わない。
そして、国内を見渡すとおかしな民族たちが私たちゲルマン民族の
崇高な血統を汚している。

こうした発言したことで、
ドイツ国民が狂ったように「ヒトラー」と叫びながら崇拝し始めます。
当然のことでしょう…… 生きるのが大変でどうしようもない時に、
英雄が出てきて食糧に困らず豊かに暮らせるようにしてあげると言って
借金を返さないと言うのですから。なんてすごいヒーローなんでしょうか?
(今でいうとサイコパスですが...当時は英雄として登場したのです)

その他の歴史的な事実は、ユダヤ人です。
ユダヤ人は伝統的に国家がないため、見捨てられる民族でした。
話すと長くなりますが、このような理由で中世時代から軽視されていた
金融と商売に長けた民族であり、産業革命が起きるにつれ、金融と商業が
発達すると地位も高くなり、裕福な民族として浮上した時期です。

ヒトラーがユダヤ人を排斥し、
600万人を虐殺した事件を"ホロコースト"といいます。

ホロコーストはなぜ起こったのか?
そして、その影響はどうなったのかを簡単に話します。
ホロコーストを背景に作られた映画がたくさんありますが、
その中でも"シンドラーのリスト"がお勧めです。

ヒトラーは、列強国がすでに植民地を掌握しており、
戦争賠償金も返さないと宣言したので、
国家を再建する方法を探すことになります。
まさにそれは戦争です。
第一次世界大戦の敗戦国がその戦争賠償金を返せなくて、
国も国民も皆が厳しい状況になるため、極端な冒険を試みるのです。

しかし、お金がありません。
戦争資金を調達するためには何か方法が必要なのに何も思いつかず、
周囲を見渡すとユダヤ人たちがお金を多く持っていたのです。
産業革命の影響によって大きな富を手にしたユダヤ人たちは、
とても豊かに暮らしていたそうです。

上の段落で話した通り、
ユダヤ人はヨーロッパ国家で主流の民族ではありませんでした。
その歴史を辿ってみると、かつてローマ帝国が栄え、大帝国を建設する際に
植民地国家としてイスラエル地域を支配し、
"ポンテオ・ピラト"という人物を植民地の管理者として
その地域に送ったのです。
そして、司法権までも与えられると、
強大な権力を持った人物となりました。
まずここからユダヤ民族は国家を失った民族になります。
このような植民地時代で、イエス・キリストという人が宗教を伝播し、
奇跡を起こすものだから、目の上のたんこぶだったのです。
その後、バラバという人物とイエス・キリストが捕まり、裁判を受けます。

この当時、ポンテオ・ピラトは群衆にキリストとバラバの二人の内、
どちらを助けるか選択しろと言うと、群衆はバラバを助けてほしいと言い、バラバが十字架にかけられないようにしたのです。

これがユダヤ民族の原罪となります。
キリストを殺させた民族。ご存じのように、ほとんどのヨーロッパ国家は
神を崇拝する、言い換えれば神様を祀る国家であり、その代理人の教皇は
強大な権力を行使します。
当然ユダヤ民族を蔑視せざる得ない社会構造が形成され、
彼らは当時蔑視されていた上空に生計を立てることになるのです。

余談ですが、
ユダヤ民族がバラバを選択するしかなかった理由があるようです。
雑犯と出てきますが、実は彼はローマ帝国に対して独立のために戦った
独立運動家だったのです。
*独立運動家と奇跡を起こし目に見えない宗教を布教する人。
どちらかを選ぶように言われたので、群衆は当然バラバを選択したのです。

戻って話を続けると、
ヒトラーはお金がたくさんあるユダヤ人たちの財産が必要だったのです。
理由は戦争資金として使用するためです。
名分を立てるために
"偉大なゲルマン民族と神聖なドイツの地に汚いユダヤ人がいるので、
排除しなければならない
。"
と主張します。そして行動します。
"ホロコースト"はドイツの戦争準備なのです。
そしてかなり入念に準備を始めます。
ついにヒトラーとドイツはポーランド侵攻で
第二次世界大戦を引き起こします。
第二次世界大戦の構図は第一次世界大戦と似ています。

産業革命で植民地が多い列強国
(主要国:イギリス、フランス、ロシア、アメリカなど)
VS
そうではない国
(ドイツ、イタリア、日本など)
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3部では第二次世界大戦から話します。
お時間があれば、一緒に冷戦時代まで見ましょう。


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