見出し画像

【無印良品】企業から学ぶマーケティング戦略

今回は、あの世界的有名ブランドである【無印良品】がどんなマーケティング戦略をとっているかを綴っていきます。

MUZIとは

まず、無印良品がどんな企業なのか見ていきましょう。

衣服、生活雑貨、食品という幅広い品ぞろえからなる品質の良い商品として、1980年に生まれました。現在、全世界で700店舗を超え、商品アイテムは、約7000品目を扱っています。

中でも驚きなのが、ほぼ同じ品揃え・同じ商品で世界展開をしていることです。さらに、世界的有名なブランドAppleやスターバックスと異なり7000品目と数多くの商品を取り扱っていることです。

「ターゲットを絞らない」戦略

見出しを見て、驚いた方もいるかもしれません。
マーケティングの基本としてよく挙げられるが「ペルソナ」の設定です。

しかし、無印良品はペルソナ設定をせず「ターゲットを絞らない」ことでターゲットを広げるという戦略を取っています。

なぜなら、MUZIのコンセプトは「これ(が)いい」と思ってもらうのでなく「これ(で)いい」と思ってもらう商品を作ることであるからです。

iOS の画像

つまり、人々にとって何か特別なものと感じて貰う必要はなく、あくまでも「暮らしの中に溶け込む」「感じの良い暮らしを実現する」ことを重要視しています。

暮らしの中に溶け込ませる工夫

では、どのように暮らしの中に溶け込むことを可能にするのか?
無印には2つの大事にしている言葉があります。

「シンプル」「自然」

まさに無印といえばこの言葉という感じですが、商品開発の段階からこの2つをぶらさず持ち続けたことで今の無印良品があります。

さらに、商品ラベルに「わけ(説明)」を記載することで商品と生活者との接点を持たせる工夫をしています。例えば、商品名の中に便益を伝えることを重視しています。

「体にフィットするソファ」

スクリーンショット 2020-10-04 13.03.39


「首のチクチクを抑えたタートルネックセッター」

スクリーンショット 2020-10-04 13.03.07


「落ちワタふきん」

スクリーンショット 2020-10-04 13.02.31

落ちワタというのは、紡績工場の製造工程でこぼれ落ちたくず綿のことです。ただの「ふきん」ではなく、「落ちワタ」という由来を表記することで「わけ」を生活者に伝えているのです。

無印の商品開発

皆さんは、何か無印の商品でおすすめのものはありますか?

「無印はカレーが一番」
「無印といえば服でしょ」
「無印のチョコが好き」

など、推している商品がそれぞれ変わってくるはずです。
こんなに愛されるカテゴリが複数あるブランドはとても珍しく、無印の強みと言えるでしょう。

そんな商品たちはどのようにして生まれているのでしょうか?
MUZIの商品開発者が共通して考えている2つを挙げます。

①関係性
「MUJIのことを考えていると、いろんな視点で考えてみる機械が多くて、頭が良くなるよ」という言葉がある。それほど、MUJIの商品構成は幅広く多様な視点でみることができる。例えば、衣服・生活雑貨・食品・キャンプ場やカフェを運営し、さらに家まで販売している。ひとつの商品について単独で考えるでなく、他の商品とのつながり、関係性を考えることが重要な視点となる。
②使われ方
MUJIはシンプルな商品で、幅広い顧客が利用することが想定されます。例えば「ガラス器」という筒状のガラスの器は、飲み物を飲むコップにもなれば、花を生ける花瓶にもなる。ペン立てにしたり、オブジェに入れたりする使い方もある。いろいろな使い方があるからこそ、あえて商品名を「コップ」などと特定の用途向けにせず「ガラス器」としている。

どちらも商品カテゴリが多いMUZIだからこそできる開発思想である。

最後に

初めに無印良品の戦略は「ターゲットを絞らない」ことと言いましたが、言い換えると「ブランドイメージがを持たない」とも言えます。

普通の企業であれば、商品のロゴなどにデザイナー名を記載したり、有名デザイナーが携わった商品などとブランド化することが多いです。

しかし、MUJIの場合は商品にデザイナー名を記載しないことをルールとしているのです。それだけ、商品のブランドイメージをつくらないことにこだわっています。

それゆえに、文化に関わらず生き抜くことができているのです。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?