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緑色の曖昧。デザインや空間での取り扱い説明

そうなんです。例えば、「好きな色は、緑色」。「緑色のソファをメインで考えたい!」と言うような、リクエストがあったとします。(実際の空間づくりでもカラーコーディネーションは重要でもあるので、色がポイントだったり出発点となるデザインも少なくありません。中でもこの「緑色」問題?!いえ、全然問題ではないのですが、好きな人も多い色だけに、その「緑色」について考えていきます。

まず、みなさんは、緑色…どんな緑色がイメージされますか?何度かでている色材の三原色は、シアン(Cyan)/マゼンタ(Magenta)/イエロー(Yellow)なので、緑色は入ってはいません。(光の三原色はRGBでは、赤(Red)/緑(Green)/青(Blue)で緑は入っています)つまり、私たちが指し示す実物的な緑色は、混色での緑色なので、よりその色幅が広くなるのでしょう。

仮に、シアン/マゼンタ/イエロー/ブラックの4成分によって色を表す色の表現法の一種であるCMYK表記で緑色は(50,0,50,0)→つまりシアン50,マゼンタ0,イエロー50,ブラック0。そこを緑色の基準色としたとして印象的には、↓こんな緑具合。

こちらは実物と画像の印象からなので実際数値でのそのものズバリではありませんが、この画像の緑色と、みなさんの印象の緑色ってどうですか??

そうなのです。近いかもしれないし、微妙に違うかもだし、大きく違う可能性もあります。それはみなさんの中での緑色が、感覚的にシアンとイエローの割合が50,50という完全ハーフではなくて、シアンが多めかイエローが多めか?その2色でもせめぎ合うし、他の色も少し加わっているかもだしで、当然に違っているということです。

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例えば、シアン多めの緑色は↓こんなイメージ。

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イエロー多めの緑色は、↓こんなイメージ。

もはや黄緑色とも感じられてもきますが、こうして比較の画像があるため黄色味が強く印象付いて感じられますが、単品で見たらより緑色カテゴリーとして、広義には緑色。関わる色とのバランスで、色の印象も大きく違うこともその曖昧さを広げます。

けれども、その曖昧さがNGということでは、全くなくて。「緑色は特に人によっての軸が違っている色である」ということをお伝えしたく、普段の生活においては一般的には大きな支障はないことでしょう。

もしかして、関係がある仕事といえば?やはり色を扱うデザイン関連の人たちで、特に私のようなインテリアデザインの中では、とても重要になってきますので、私の中では、慎重に扱っている色であるということで、今回ピックアップをしています。

では、インテリアデザインにおいての緑色をどう扱えばよいか?

私の場合は、答えはシンプル。実際の色材から、とことんクライアント様のイメージする緑色を読み取っています。まずは、その方の緑色の軸を探し当て、その空間において更にベストな緑色へと各色を調合した結果からデザイン&提案しています。

それってむずかしくない?

って。確かに、各自の頭の中の色の割合を数値化するようなイメージかもしれませんが…だからこそ!そこで大切なのが、カラー心理からの色分析なのです。いわゆる色を数値から分析のカラーコーディネートだけでなく、色の持つ意味合いの言語化から印象・心情・イメージ・好き嫌いなど心理的作用からも探求していくことで、その人にとって「心地よい緑色」を見つけていくことを目指す。単にその色を数値化で言い当てて、機械的に置き換える作業を目的とはしていないのです。

つまりは、これは緑色に限ったことではなくて…あぁ今気がつきました。私はどんな色でも、いちいちその人にとってのカラーパレットを自分の想像の中で構築しています。んっ?それは人に限っていないかも。対象物は空間だったり、デザインだったり、テーマだったり…自分がデザインする全てにおいて。無数のカラーパレットのフォルダを自然に頭の中に作成してきて、探っていました(自己発見!)。

だから、きっと例えばミスチルの曲の中にも、その軸を探して深読みしてしまう…もはや職業病とも言えるかもしれないのですね。けれどもそれらをやろう!として無理無理眉間にシワよせて分析している訳でもなんでもなくて、むしろワクワクしながら色々な色が見えてきてしまうので、楽しくてやめられないのです。頭の中もそんなだし、実務の中でも実際の色で空間をデザインしていて、更にはこうして色の魅力を伝えていきたい。色の楽しさ、みなさんの心の色パレットや心休まる空間デザインの、ちょっとでもヒントになっていきますように。

まとめ:緑色は曖昧。その人それぞれの緑色を大切に色を楽しんでいきましょう!って…ゆるいまとめのようでいて?!このおおらかさが、カラー心理的には実は結構大事なポイントでもあるのです。私の場合は、視覚的なカラーコーディネーションとしてはもちろんバランスよく&美しく整えつつも、更にそこで過ごす人が、より気持ちよく感じる「その色」までをできる限り見極めて、最終チョイスのポイントにしていけるようの心がけています。もうそこの領域は、本当に微妙な色味加減だったりしてくるので、数値の分析よりも結果「感覚」。色の洪水の中から、見えてくる色を探りあてていくことは、砂浜に落としたピアスを探すくらいのことかもしれないけれど、色にはたくさんのヒントと言語がかくされているから大丈夫!そもそも私に見えている色・感じている色の世界は、私以外の誰とも全く同じにはできないであろうことをまずは認識しているからこそ、共通感覚である色の言葉に耳を傾ける。近い将来(いやもうできる)、カラーパレットをチョイスしていけばAIが「あなたの好みの色はコレです」とデータ分析や傾向から回答を導き出してもくれるであろうとも、それはそれとして。私はこの曖昧さ感じ続ける人でありたいと大切に考えています。(と、また長々と語ってしましました。最後まで読んでいただきありがとうございます!)

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