kaki

日々徒然と。

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最近の記事

ラジオと小説

三谷幸喜さん監督の映画で「ラヂオの時間」という作品があります。 平凡な主婦がラジオドラマコンクールで入選し、そのシナリオをラジオドラマ化するというもの。爆笑必至のコメディなので、興味がある方はぜひ。 で、その映画の中で出てくる人物が、ラジオドラマの良さについて熱く語るシーンがあります。曰く、「映画やテレビドラマで宇宙を描きたかったら、それなりのセットやCGを駆使して、途轍もない予算を組んでそのシチュエーションを作り出さないといけないが、ラジオドラマであればナレーションで一言

    • 「箱根そば」に行こう!

      久しぶりに「箱根そば」に入りました。 小田急線沿線の駅などでよく見かける立ち食いそば屋のチェーン店です。 僕は数ある立ち食いそば屋の中でも箱根そばがダントツで好きで、 見かけると嬉しくなって、たいして空腹じゃなくても入りたくなります。 ここしばらくは、自分の生活における行動範囲の中に店舗がなくてご無沙汰していましたが、最近引っ越しをしたことで範囲内に復活。 喜び勇んで食べに行ってきた次第です。 美味しいとはいっても立ち食いそば屋ですから、そこを目指して出かけていくという場

      • タンクトップと空耳と。

        今日の昼間、洗濯物を干していたときの話。 妻は朝から出勤し、僕は午後からの出勤なので、洗濯担当はだいたい僕ってことになります。今日も今日とて洗濯をして、YouTubeで動画を見ながら干していたとき、なんの脈絡もなく不意に思ったことがありました。 THE BLUE HEARTS に「パンク・ロック」という曲があります。 曲があります、などと偉そうに言ってますが、実は僕、その曲名を知ったのは今日でした。何かでタイアップされていた曲なんでしょうか。1曲丸ごとを聴いたことはないん

        • 「許されようとは思いません」芦沢央

          先日読んだ「悪いものが、来ませんように」が面白過ぎて、 しばらく芦沢央さんの作品にハマりそうな予感がしています。 「許されようとは思いません」は短編集で、やはりレビュー等の評価も高かったので購入してみました。全部で5つの短編が収録されていて、それだけでわくわくしてきますね。 というわけで、例によって以下は若干のネタバレを含む感想になります。 未読の方はご注意ください。 5つのお話の中で、一番印象に残ったのは「ありがとう、ばあば」 実力ある子役のマネージャーとして、孫娘の

        ラジオと小説

          「聖母」 秋吉理香子

          これもネット上のレビュー等を参考に購入して読んだ作品。 秋吉理香子さんの「聖母」 帯には「ラスト25ページ、世界は一変する」の一文が。 とにかくこういう誘い文句に弱い。 というか、弱くない人っているんだろうか。 ネタバレなしレビューをいくつか読んでみましたが、どれも高評価。 これは帯詐欺ではないだろうと信じて読んでみました。 以下、読んだ感想を。 若干のネタバレを含むので未読の方はご注意ください。 ラスト25ページで世界が一変、なのだからやはり叙述トリックが用いられている

          「聖母」 秋吉理香子

          「悪いものが、来ませんように」芦沢 央

          最後まで読んだらもう一度読み返したくなる… 背表紙のあらすじにこの手の紹介文が書いてあると、ついつい読みたくなってしまいます。 大袈裟な称賛の言葉に騙されることも多いのですが、この作品はそうではありませんでした。たしかに、もう一度読み返したくなる傑作ですね。 以下、若干内容のネタバレを含んで感想を書くので、未読の方はご注意ください。 ネット上のレビュー記事などを参考に自分にハマりそうな作品を探し、つい先日に購入した芦沢央さんの作品。10年ほど前に刊行されていたようです。

          「悪いものが、来ませんように」芦沢 央

          書店の神経衰弱

          平日はよくて1冊、休日でも2冊読めれば御の字であろう限られた時間の中で、どの作品を選び、読むのかを判断するのはとても難しいという話。 平日も休日も、すべての余暇時間を読書に充てられるわけもなく、最初に書いた冊数はあくまでも上振れした場合の数字になります。 実際には、1週間で5冊読めれば上出来といったところでしょうか。 でも、書店に足を運べば、興味を引く作品はいくらでも見つかる。 ここ数年は仕事の忙しさにかまけて読書を怠けていたこともあり、ブランクの間に刊行された多くの魅惑的

          書店の神経衰弱

          「硝子の塔の殺人」

          少し前に話題になっていた知念実希人さんの作品。 島田荘司さんや綾辻行人さんなど錚々たる方々が絶賛のコメントを出しており、例に漏れず単行本の帯にも好奇心を煽る誉め文句がつらつらと。 当たり前ですが、そういった紹介文は、出版社側がその本を売るために依頼して書いてもらっている、あるいは買い手の気を引きそうな評価を選んで使っているわけで、鵜呑みにすると痛い目に遭うことも少なくありません。 さて、硝子の塔の殺人はどうかな…。 以下、若干のネタバレを含んで感想を書いていきますので、未読

          「硝子の塔の殺人」

          「世界でいちばん透きとおった物語」

          予測不能の結末が待つ、衝撃の物語 書店で見かけて、帯の謳い文句に釣られて購入しました。 杉井光さんという方の作品で、恥ずかしながら氏の作品を読んだのはこれが初めてになります。 ちなみに、これ以下の文章には若干のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。 以下、ネタバレ含む 「絶対に予測不能な衝撃の結末」という煽り文句は少々言い過ぎだと思いました。ただこれは、僕がごく最近に似たような仕掛けの作品を読んだからかもしれません。この作品で用いられているトリック(?)は

          「世界でいちばん透きとおった物語」