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老人だけど「団塊」と一緒にすな! SEALDsとマスコミ

なんか花粉で死にそうですが。

死ぬ前に、言っておきたいことがある。

同じ老人だからって、60代のわれわれと、70代の「団塊」を一緒にするな、ということです。


少子高齢化で、老人が現役世代の負担になっている。

それは、よくわかってるんです。

老人の年金や医療費が、現役世代の重荷になっている。

それがわかっているから、つましい生活をして、健康に気をつけ、できるだけ現役さまのご迷惑にならないよう、頭を下げて老後を生きてるんです。



いまの老人は、現役の負担になっているだけでなく、日本の「長期停滞」を引き起こした加害者たちだ。

という告発も、甘んじて受けるつもりです。

でも、どっちかというと、それは、いまの70代、団塊世代のせいです。

いま60代のわれわれも、彼らの被害者でした。



若者から見れば、老人はみんな一緒に見えるだろうけど。

それはわかる。わたしも若者のときはそうだったから。

でも、いまの60代と、70代以上はまったくちがう。


われわれの若いころ、「俺が戦争に行ったときは」と語るのが、当時の老人でした。

いまの70代は、「俺が学生運動していたときは」と語る。それが「団塊」老人です。

われわれ60代も、その「聞き役」だったのです。



もっとも、これは、わたしがいたマスコミ界での話。

ほかの一般社会での「団塊」は、よく知りません。

まあ、漫画の「島耕作」が、その世代の出世ものがたりですね。


マスコミ界には、この世代の「学生活動家」くずれが、たくさん入っていた。

団塊世代は全共闘世代ともいわれる。でも、当時は大学に入るのは、いまよりずっと「エリート」でした。

その大学で暴れて、銀行や商社には入れてもらえず、マスコミに流れて来たやつが多い。


まあ、鳥越俊太郎を思い浮かべてもらえればよい。

彼は九州のボンボンだけど、京大で延々と留年して、新聞社に入った。

ほぼ戦後生まれ戦後育ち、苦労知らずだけど、「アウトロー」「反権力」を気取る。

そういうやつらです。

(鳥越は1940年生まれで、団塊世代より年上、もう80代に入ったのだが、大学で留年してるうちに成長が遅れ、団塊世代に同化した、まあ「みなし団塊」である)



三品純さんが、「【消費される若者】SEALDsの影に隠れていた情けない大人たち」という記事をnoteに書いていた。


【消費される若者】SEALDsの影に隠れていた情けない大人たち(三品純 2月27日)


「大人たち」が、SEALDsのようなのをはやし立て、スポイルした、という話。

とくに、前川喜平のくだりが強烈でした。


私の中で起こる元SEALDs活動家に感じる同情。このモヤモヤは一体、何でしょうか。

それは「SEALDsを利用した大人」です。

コラボ仁藤にキモいと言われた前川喜平の動員力が高いと絶賛!

以前、このエントリーで前川喜平元文科省事務次官の講演会を紹介したのですが、実はこんな発言をしていました。集団的自衛権行使容認、特定秘密保護法への反対デモが盛んだった当時のこと。

私も文科省の現職だったが、個人としてシールズの後ろでデモに参加した。

なんとも前川氏らしい。とても卑怯ではないでしょうか。自分は国家公務員という絶対的な安全圏に身を置きつつ若者の影に隠れて意思表明する。

(三品純 前掲記事)


ああ、前川喜平!

ああいうのがいるから、われわれが誤解されるんですよ。

前川は1955年生まれ、ぎりぎり60代の老人です。

でも、あんなバカは例外ですから。

10年前、SEALDsをはやし立てたのは、当時マスコミ界のトップ層にいた、もう少し上の団塊世代です。

象徴としていうなら、高橋源一郎です。


高橋源一郎、SEALDs『民主主義ってなんだ?』(2015、河出書房新社)


高橋源一郎は1951年生まれで、狭義の団塊(だいたい1946~1950年生まれ)よりちょっと若いけど、1960年代の学生運動を体験しているという点で、政治的、思想的な「団塊」です。

それは、1952年生まれの坂本龍一なども同様。彼は高校時代に学生運動を経験しています。

こういうポストもありました。


元民青です。
1970年代に20万人ほど居たと言われています。それから長い間に逓減し、今6460人らしい。
時代に取り残されたと言うより妄想の中で時が経ったのです。責任は、パルタイ政治局にあります。。
SEALDsは、最後のあだ花。
合掌低頭
(fengx2017 2月17日11:24)


こういう「妄想」世代が、長らくマスコミ界を支配してきました。



そして、そのあとの世代は、この「団塊」のイデオロギーに同意する、あるいは媚びを売ることによって、出世するやつは出世した。

わたしとほぼ同世代の60代老人、青木理、香山リカ、辻元清美なんかがそうです。

かれらがいつもマスコミで特等席にいるのは、「団塊」が引き上げ、保護するからです。

前川喜平の文科省時代のことは知らないが、「前科」のある彼が一躍マスコミの寵児になったのは、まちがいなくマスコミのこの世代の「引き」のせいです。



でも、そういうのは、わが世代ではむしろ例外、わたしにいわせれば裏切り者なのです。

わたしは、10年前にはまだ現役でしたが、SEALDsみたいなのをもてはやすのは間違いだ、と主張していました。

でも、徹底的に干されましたからね。

それは、安倍政権の安保法制をめぐる攻防のなかでの出来事でした。


わたしは「反権力」思想は、理解できるし、必要だと思っています。

しかし、「団塊」の連中がおかしいのは、自分たちが権力を握ったあとも、「反権力」気分を引きずっていることです。

それはただの無責任です。


そのおおもとは、冷戦が終わっても、冷戦前の「社会党」気分のままだった惰性と怠慢にあるとわたしは思いますが。

いずれにせよ、「権力者」としての自分たちは隠れたまま、「若者」をあやつって「反権力」趣味を発散してたのだから、それは三品さんの言うように無責任ですよ。

当時すでに、無責任な大人というより、もう「無責任な老人」「人事権をもつ老害」でしたが。



繰り返しいいますが、世間一般の70代のことは知らない。

でも、マスコミ界にいた70代は、一般に悪人です。

その「悪人」が、ずーっと上司にいたのが、われわれの世代なんです。

かわいそうでしょ。

そして、わたしのように、かれらを批判するのは、出世できなかった。

ね、かわいそうでしょ。



だから、いまの70代と60代は、区別してほしい。

だいたい、社会保障の世代間格差においても、70代以上は「勝ち組」、60代以下は「負け組」なんです。

下のポストに引用されているグラフを見てください。

「高齢者に甘すぎる社会」というけれど、60代は決して得してないのがわかるでしょう。



だから、いまの60代の老人には優しくして、年金減らさないでほしいんだよね。

70代のマスコミ老害は、医療費10割負担でかまわない!



<参考>


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