エッセイを書く

私は鏡をあまり見ない。目やにやよだれ跡がついていないかさっと確認して終わり。理由は単純、そこに映るのが自分だと知っているから。aespaのウィンターさんや森川葵さんが映るなら半日でも一日でも眺めていられるんだけどなあ。

それと同じく、私はエッセイが苦手だ。
どうにもこうにも、そこに映るのは私だから。

ドラマティックな悲劇でも腹の捩れる喜劇でもないごく普通の三十路の人生。巡り合った人たちは本当に素晴らしいけれど、素晴らしいからこそ営利目的で筆に乗せるのを躊躇う。どう受け取られるかもわからなくてこわいし。

しかし今回偶々挑戦しようと思った長文のコンテストがなんとエッセイで、私は嫌でもこの人生と向き合わなければならない状況に陥った。

書き出しみるとそれはそれはぐちゃぐちゃな甘ったれた感情と、陰鬱な不安と、格好付けと。

とても読めたものではない。筆も進まない。

しかしここから格好付けをこそぎ落とすとどうだろう。私のような平々凡々な人生でも少しは喜劇になるんじゃないか。

別に面白く書こうとしなくても人の日記を覗くのはおもしろいもので。そういった体験をしてもらうために格好付けと羞恥心はノイズにしかならない。心に残らないよりはワッと笑われた方がいい

私はしばらく私の中の格好付けと闘いながら筆を動かし続ける。

これができるようになれば物書きとして、ほんのちょっとだけ前に進める気がするぞ。



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