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第67段「ヒトをプロデュースすること」

meiyoというアーティストをプロデュース&マネジメントしている。
出会ったのは、もう何気に一昨年。自分がプロデュースしていた『イク天〜イクぜ、バンド天国』というオーディション番組に応募してきたのだ。

番組では勝ち残れずチャンピオンにはならなかったけど、ドラムボーカルと、ど直球のメロディーと、屈折した歌詞になんとなく惹かれたのでした。

で、そんな才能のある若者ならば、以前ならレコード会社とか紹介してただろうけど、今やレコード会社の存在事態が難しいし、そもそもどうやればデビュー?、どうすればヒット?の判断基準も難しい時代になった。
そんなこんなで、自分も会社を辞めフリーのバラエティプロデューサーを名乗ってるわけだし、番組やイベントや書籍や会社ではなく、『人』をプロデュースしてみようと思った次第。

彼の楽曲を集めてファーストアルバムの構想を練ったのは5月くらい。
アルバム名の『羊の皮をかぶった山羊』を発案したのは僕。
ビーバップハイスクールで、舎弟のノブオくんをトオルとヒロシが紹介するときに言っていたのをなんとなく覚えていたから。
要するに「弱そうに見えて弱い」。
これが彼のコンセプトにぴったりハマってる感じがしたから。
このタイトルを僕が口にした時、彼は満更でも無い顔をした。
「どう?」
って聞いたら、
「僕、ヒツジ年で、ヤギ座なんです」
これで、決まった。
だって12×12=144分の1の確率でぴったりハマるなんて、なんて幸先の良いスタートなんだ。それこそ、拙著『運の技術』だ。

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アルバムジャケットは、旧知のフォトグラファー・ワタナベアニさんにダメ元でお願いしてみた。

そしたら、
「かしこまりました。角田さんのフィルターを通ったモノなら信頼して承ります。山羊座仲間として頑張ります。笑」

っと即決。

最初は、彼の本名で活動しようと思ってたけど、アニさんとミーティングをしていて、活動名があることで、自分と違う人格を持てる、それは強みになると。
「弱そうに見えて弱い」アーティストが、幾ばくかでも強くなれるなら、そんないいことはない。
皆で名前を出し合いつつも、meiyoという活動名は、そのワタナベアニさんの発案だ。

中国語で「何もない」という意味の「meiyo」。
例えば上海のホテルで「部屋ありますか?」って聞けば、「メイヨー」って答えが返ってくる「ないよー」って意味。
でも中国語では『没有』と書く(らしい)。「無い」んじゃなくて、「無いが有る」のだ。
「無いっていう個性が有る」ってコンセプトのアーティストっておもしろいんじゃないか。
meiyoに決まった。アルバム名の羊は「メー」って鳴くしね。
アルバムの英語名は『Goat in the Sheep』。
『攻殻機動隊』(Goast in the Shell)とローリングストーンズの名盤『山羊の頭のスープ』(Goats Head Soup) にあやかって。

それから数日経ってmeiyoから興奮気味のメールがきた。色々ネット検索してたら、聖書の中に出てくる「stray sheep=迷えるヒツジ」を、《迷羊》というのだそうだ。
meiyoは《没有》であり、《迷羊》である。そのmeiyoのファーストアルバムが『羊の皮をかぶった山羊』
なんたる偶然。なんたる名誉!
でも起こったことは偶然でも、起こったってことは必然なのだ。
これはなんかある!
またまた拙著『運の技術』だ!

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8月4日の幕張メッセの1万人の観客のライブでオープニングアクトでお披露目し、
10月27日にはSpotifyやiTunesで配信も始まった。

そして、先日11月1日に渋谷のMilkyWayでデビューライブ。

僕はマネジメントなんで、客入れ時には関係者受付に立っていたりもする。「終演後には乾杯ありますんで…」とかなんとか、よく自分が招待でライブ行ったりすると言われることを、今度は自分が言っちゃったりして。
一方でテレビ屋なんで、ライブ中はステージに置いたGOPROカメラのバッテリーを交換しに行ったりもする。

本番前には、アンコールの服どうしよ?ってことをアーティストと相談したりもする。
物販の小銭の両替に走ったりも。

40代半ばを過ぎて、なんかこんなことしてるのも、すごく楽しい。
20代半ばの人たちが、世に出てくのを手伝ってるってのも、とても楽しい。

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今まで、いろんなモノをプロデュースしてきたけど、今度ばモノじゃない、ヒトだ。

ヒトのプロデュースって、こういうことなのか?
ライブ中に、彼の曲で盛り上がるお客さんたちを、僕はずーっと見ていました。ステージ上のmeiyo以上に。

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そしたら、今までに感じたことない想いを、沢山のお客さんの前で感じました。
感謝というか、胎動というか、ヒトが生み出される瞬間というか。
モノを産み出すのは自分なんだろうけど、ヒトを産み出すのは、それこそそんなお客さんたちに見出されることが必要なんだと。

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来てくださった方々、ありがとうございました。
そして、今度meiyoを見てみたい、聴いてみたい、って方は僕にメッセください!

アーティストを産み出すためには、皆さまに見出される必要があるのだ!

そんな想いで手探りでやっておりますが、素晴らしい音楽を僕は世に出したいのです。

皆さま、ぜひぜひよろしくお願いいたします。

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