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コスメと性器は関係なくない?

ここしばらくあるウェブサイトで定期的にコスメの記事を撮らせていただいている。文章も自分でベースは書くので一応ライターでもある。読みやすいように編集してくださる担当様には頭が上がらない。

コスメの記事を撮り書くということに、自分の中でとてもこだわりがある。でもそれは本誌(ウェブサイトだとなんていうんだ?)には書くことはないと思う。だからそれを率直にここにまとめておく。

化粧は開かれている

宗教の話ではない。選択権の話である。
化粧は女のもの、と思っている人は多いが、自分はそうじゃないと思う。化粧をするかしないかは選べる。すべての人に化粧をするかしないかを選ぶ権利がある。
つまり、女性で化粧をしたくないならしなくていいし、男性で化粧がしたいならすればいいし、その他の性でも勿論したかったらすればいいししたくなきゃしなくていい。それだけの話だ。

でもコスメの記事でそれを前提に書くのはとても難しい。

化粧品業界はまだまだ「男女」で話をする

デパートの売り場では基本的に女性向けが並び、片隅に男性向けがちょっとだけある。商品を作る際に基本的に男女で分けるんだと思う。

それは余りにも雑じゃないか?世の中の性別は男女だけではない。性器が男で女性らしくなりたい人は何を買ったら良いのか?そもそも理想像と性器が統一されている必要はないのにブランディングに性別は必要か?いろんな気持ちが湧く。

素敵なブランドの紹介を見に行っても、「女性らしさ」「女性らしい」の単語の多いこと多いこと多いこと多いこと!女性らしい肌ってなんじゃ。しっとりして艷やかな肌とか書き方あるだろうに。これで沢山のお客を取りこぼしていることを気付いてくれ〜!

(勿論最近そういうのを考えてるブランドがたくさん増えてきているのは知ってます。ホルモンバランスとかで肌の質が違うから、とかも分かった上で書いてます)

大きな荷物を男性陣に任せるな

性別のない(正確には多分クエスチョンとかXジェンダーとかなんだろうけどなんでもいいや)自分がコスメについて書く上で、ひとつ決めたのは「性別に言及しない記事にする」ということだ。

たとえば、大きな荷物を運ぶときに人を集める。この時「男性陣集まって」と声をかける人は多い。でもこれは本来「力持ち集まって」である。男性は力持ちという偏見に基づいて男性陣を集めるのは目的の達成に適切な選択とは言えない。

だから自分は「力持ち集まって」と声をかける記事にしたい。届くべき人に、きちんと受け取ってもらえるような記事を作ることが、他の誰でもない自分が記事を作る意味だと考えている。

気をつけていること

・男女、の分け目は出来るだけつけない
この世に存在するのは「化粧する人・しない人」である。前者が女性、後者が男性ではない。だから本文中では(少なくとも編集前の時点では)男女とは書かない。

ここが難しくて、UNOは完全に「男性向け」と銘打ってるしSEO的にはメンズコスメとか入れたほうがいいしみたいなことがめちゃくちゃあってなかなか苦戦している。

・「女性的」といった表現はしない
各ブランドの紹介で女性的ってめちゃくちゃ見る。薬事法に引っかからない範囲で説明しようとすると都合のいい言葉なんだろうなとは思うけどそれで取り残される人の悲しみよ!だからどんなに「女性的」な仕上がりになるとしても女性的とは書かない。

ここも難しくて、華やかとか素敵とか言いかえの単語を探しているもののなかなか良いものがない。いい単語知ってたら教えて下さい。コスメ男女語変換辞典ほしい。

他にもあるけど後日追記します、書くの疲れてきた

そんな中で「男性向けBBクリーム」の記事を書いた訳

クマや青ひげをナチュラルに隠してくれるUNOのクリーム。自分にちょっと自信が持てるな | ROOMIE(ルーミー) https://www.roomie.jp/2020/04/609326/

あーやっとたどり着いた。書きたいのはここから先です。

そんな中で「男性向けBBクリーム」として売り出されたUNOのクリームを選んで書いた。前述のことを成し遂げるべく苦戦した跡がかなり見えると思う。

本来、性別指定をわざわざして売る商品は自分の中では選択範囲外だ。でもこれはそれでも書きたいと思った。このあとに理由を書く。

第一印象を底上げしたい、はみんなの願い

プロモーションでは徹底してビジネスシーンがうつる。相手受けをかなり意識した作りではあるものの、第一印象を底上げできたぞ!という自信から堂々たる振る舞いをして成功する、みたいな流れがある。

第一印象底上げしたい、はみんなにある悩みだ。そして化粧は解決策のひとつとしてかなり有効である。化粧の力で本当にルックスが良くなって第一印象がよくなる部分は確かにあるけど、それ以上に効果的なのが「今日の自分は素敵だぞ!」って自信が持てていつもより少し勇気をもった振る舞いができることだ。自信があるとうまく行く。

化粧をする選択肢を、「化粧したくてもできなかった人達、化粧で自信が持てることを知らなかった人達」に広げていくために

この「化粧をすると自信がつく」効果はいままで化粧をする人しか得られなかったし、一般的に化粧をしてこなかった、できなかった男性にはこの発想はまだ浸透していない。そこに切り込んでいこうとこのクリームを作ったんだろうなということにまず感動した。ここまでUNOブランドは一般的な男性の為のものとして信頼を勝ち取ってきた。その中でここにきてBBクリームを出したか!すげー!

そして中身、めちゃくちゃいい。目の下のクマはどこかへ飛んでいき、顎や鼻下のくすみは晴れやかになった。ナチュラルに仕上げるならもうこれで十分だ。これ一本で!を本気出して作った感じ。

普通の化粧の中に(つまり「女性向け」の化粧品と一緒に)使っても大活躍である。クマと口周りにUNO、赤み消しにINTEGRATE、上からRMKのリキッドファンデを軽く。組み合わせはめちゃくちゃだけど個人的に過去最高の顔面が出来上がってしまった。

「化粧は女がするもの」という固定概念を取り崩していくために、まずは敢えて「男性向け」と銘打って商品を出すことで、化粧をするハードルを下げて選択肢に加える。それから男女の壁を崩していく。そして、性別に関係なく化粧するしないの選択肢とコスメが自由に選べるようになるんじゃないか…そんな期待をさせてくれる商品だった。だから、ここで紹介することにした。

これからもこれまでも

ふぅ、書きたいこと書き終わった。疲れた。

この「性器とコスメは関係なくない?」という気持ちはかなり強くあり、過去記事のコスメでもかなり徹底してこだわっている。アイテム選びの時点で「女性的・男性的」にプッシュされている物や仕上がりになるものも今のところ避けているので見てほしい。
しかし「男らしく、女らしく」しあげたいという気持ちもまた自由であると思うので、今後それらのアイテムを取り上げるときどうやって書こうかすでにワクワクしている。

そして最後になりましたが、最高な担当様が自分の考えを理解してくださって、できるだけ男女を使わないで修正してくださっているのもまたありがたいことで…本当に感謝してます。いつもありがとうございます。これからも宜しくお願い致します。

んでいっぱい頑張って書いて撮ってるので沢山記事を見てください!励みになるので…

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