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11/8 貧困女子の行く末。

この季節の風物詩、「年末調整」。
職場のシステムで改めて自分の給与を見返しながら、ふと気になる事が生じて、電卓をたたく。
「厚生年金」として控除されている金額と、
手取り収入の金額を、足したり割ったりしてみる。

どうやら私は、正社員の身ではないから毎月ギリギリの暮らしなのに、1ヶ月のうち2日間は、他人様の生活を支える為に働いている。
いや、もしかしたら生活というより、娯楽を支えているかもしれない。

コロナ禍になり、より自分らしい生き方や幸せが追求されるようになった。
ある一定の年収(一説によると800万)以上になると、幸福度の上昇は、頭打ちになるらしい。
だから、年収と幸福度は比例しない、お金があれば幸せとは限らないなんて言われるが、話はそんなに単純ではないと思う。

国税庁によると、日本人の平均給与は461万円(男性567万円、女性280万円)。
さらに統計を基に計算すると、年収800万円以下の割合は男性85.1%、女性97.7%。

要は、男性も女性でも、日本人の大半が、「年収800万以上になっても、幸福度は比例して上がる訳ではない」という議論の、土俵にすら上がっていないという事だ。

私は、去年の春まで大企業で正社員をしていて、実家暮らしだった。
父は自営業で、母は専業主婦。
父の年収を、正確に知っている訳ではないが、曖昧に言うとそこそこ良かったので、お陰で、奨学金もなく大学まで通えた。
なので、借金はなし。
借金のない、正社員の実家暮らしは実に裕福なもので、実家に納める少しの生活費を除いては、自由に使えた。
日用品や食料は、母が調達するから、余計に生活費がかかる事は殆どない。
サービス業の会社なので給料はたかが知れてるから、欲しいものが何でも手に入る訳ではなかったけれど、旅行に習い事、服や化粧品、外食まで、思う存分、お金を使えた。
(私があまり貯金をしない主義だった事もあるが。)
お金の心配など、したことがなかった。

ところが、去年の6月、自立できていない自分に嫌気がさして、一人暮らしを始めた。
そこから半年後には正社員の職を捨て、今年は、いくつかの仕事を掛け持ちし、日々生活費の計算に追われながら、一年を過ごしている。

幸せだった。
周りの人に恵まれて、自分も家族も健康で。

でも、苦しかった。

お金の為に、いくつかのことを諦めた。
周りの同世代と比較して、惨めな気持ちにもなった。

自分で選んだ事だから、後悔はない。
もう一度、あの頃に戻ったとしても、私はきっと、実家を出るし、会社を辞める。

だけど、こんな生活は、これきりにしたいと思った。

私は先週、自分の通帳の金額が、「3桁」になった瞬間を見た。
このお金を別の口座に移そうもんなら、振込手数料だけで無くなってしまうような金額だ。

26歳の私はこんなに健康だけれど、もし急に、翌月の給料が支払われなくなれば、私は死ぬのだ。だって、食べる為のお金すら、入らなくなるのだから。
(もしそんな事があれば、流石に親が助けてくれるので、餓死はしないけどね。)

「お金がない事」=「お金に支配される事」。

お金がないから、いつもお金の事を考えて、焦ったり不安になったりする。

「これからは、もう少し賢くお金と付き合おう」と、今回の経験を通じて学べたから良かったと思う一方、世の中にはきっと、私のようにお金に支配されて生きている人がいて、その中には、支配されている事実にも気付かずに生きている人がいるであろう事が、急に恐ろしくなった。

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