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雨後の虫たち植物たち

*虫の写真あり。とてもとても苦手な方はお気を付けください。

この夏の暑さに閉口したのは人だけではないようで、8月中はあまり虫も見かけなかった。雑草さえも成長が鈍り、暑くて草取りができなくてもさほど気にならないほどだったから、虫たちとしても熱く乾いた地上にわざわざ出かけていくこともない、ということだったのだろう。

暑さは継続していても9月半ばともなると、秋の気配が漂い始める。ただ、梅雨明けから高温乾燥が続いていたところに久しぶりに降ったのは、どしゃ降りの雨。それでも植物たちはさぞ喜んだことだろうと思って見てみると、必ずしもそうとは言えないらしい。

8月には雄花と、ときどきは雌花もつけていたズッキーニが急激に元気をなくし、葉の傷みがほとんどなかった株さえも黄色や茶色になり、虫も発生し、花をつけるどころではなくなった。果実が成長しないまでも、きれいに葉っぱを茂らせ、花を咲かせていたミニトマトは、いつのまにか虫のお城になりつつある。突然の雨は、植物よりも虫たちを元気にしたようだ。

見たことのないイモムシに遭遇した。イラガとかいう蛾の幼虫らしい。緑色で部分的に茶色、まるまる太ったような形状で、奇妙な棘をつけている。ピエール(つるバラ)の葉にくっついて微動だにしない。葉ごと切り取って捨てるのがいいだろうな…でも、ふつうのイモムシとは様子が違うから、振動を与えたら、跳んだりしないかしら…まさかねえ…

全然動かないイラガの幼虫 

ちょっと恐ろしいが、仕方ない。覚悟を決めて手袋をして、ハサミとピンセットを使い、枝ごと切り取る。やはり微動だにしない。そのまま新聞紙に乗せ、ガムテープを上からそっと張り付けて、くるくる包んで、包み終わりをガムテープでとめて、はい完了。

イラガの幼虫は、棘に毒を持っているとのこと。用心が肝心。

ピエールの枝先を見れば、おなじみのホソオビアシブトクチバの幼虫が自分は枝の一部だと言わんばかりに細い体をぺったりとピエールの枝に張り付けている。一匹駆除したそばから別の個体が出現。ふと向きを変えると、サルスベリの枝にも成りすましている。勘弁してほしい。

バジルの葉が何ものかにやられている。葉裏をのぞいてみると、そこには半透明の抜け殻と、古い衣装を脱いだばかりと思われる色のきれいな虫。この形状、この色合いには見覚えがある。今回のは少し色が薄いけれど、鮮やかな黄色と緑が特徴的。今年の春に初めてお目にかかったツマグロオオヨコバイという虫にちがいない。

ツマグロオオヨコバイと思われる虫の抜け殻

それにしても抜け殻というのは、ほんとうに細部まで精巧にできているからいつも感心してしまう。飛びもしないし跳ねもしないから安心。子どもに戻ってずーっと観察していたい気分になる。

この夏わが家の庭を避暑地に選んだアマガエル。小さくてかわいらしいし、バラや他の植物たちを守ってくれているはずと思えば、いっそうかわいく見える。

8月末 アイスバーグの花の上でひと休みするアマガエル 食後なのか妙にまるい

しかし、食べきれなかったのか、好みではなかったのか、たんに外出中だったのか。どしゃ降りの雨のあと、夏の間ほぼ常駐していたカエルくんお気に入りのバラの鉢植えにその姿は見えず、そこには秋バラを味わうオオタバコガの赤ちゃんたちがいた。

バラが虫に食べられるとほんとうにがっかりしてしまう。美しく咲くサルスベリを見て元気をだそう。

夏中咲き続け、9月になっても美しい花をつけるサルスベリ

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