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【読書日記】9/19 敬老の日に。Grandpa Green/Lane Smith

GrandpaGreen 
作 Lane Smith 出版 Roaring Brook Press

18日は敬老の日でした。
私の仕事の都合で子供たちは父方・母方双方の祖父母に面倒をみてもらってきました。
それだけに段々老いていく姿に不安を覚えることも多いようですが、いまのうちにたくさん、たくさん、思いを交わしておいてほしい、そう思います。

さて、年齢を重ねるうちにより一層味わい深く思えてきたこの一冊。

ひまごの男の子の語るひいおじいちゃんの人生の話。
トピアリー作りの名人のひいおじいちゃん。
農場で生まれ育ち学校を出た。園芸を学ぼうと思ったが大戦が始まり、従軍した。
戦後、結婚して、子どもができて、ひ孫ができて・・・。

人生の一場面がトピアリーで表現されているのですが、くすっと笑えるような造詣と緑の濃淡が美しいのです。
この様々なトピアリーのある庭をのびやかに楽し気に歩いていく男の子の様子がまたかわいい。

ひいおじいちゃんは、うーんと年を取って、いろいろなことをわすれるようになったけれど。
ひいおじいちゃんのことは、庭が全部覚えている。
そして、僕も覚えている。
だから、大丈夫。

観音開きのページがまるで緑の走馬灯。
ひとりの人生がここにある。

ひいおじいちゃんの長い長い歩みがこの庭にある

語り手の男の子がひいおじいちゃんを大好きな気持ち、そのひまごを愛おしそうに見守るひいおじいちゃんの表情に胸があたたかくなります。

最近では、この絵本を開くと涙がにじむようになってきました。
自分が年を取り、記憶が衰えていったとき、そのあとに何が残るのだろう。

私の場合、やっぱり本棚、なのかな。
私が読んできた本が私の人生を語ってくれるといいなあ。
私の遺した本を誰かが読んで、こいつはこんなやつだったのだろう、と思ってくれるといいなあ。

だいすきなひいおじいちゃん。


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