見出し画像

【全ての人を痩せさせることができるたった一つのレシピは存在しない】ダイエット情報リテラシーの高め方を徹底解説

全ての人を痩せさせることができるたった一つのレシピなんてないよ!って話

『○○すれば必ず痩せますよ!』
『私はこの○○でダイエットに成功しました!』
(○○にありがちな内容:サプリメントなどの栄養補助食品、健康器具、我が社のメソッド、etc...)

まあ、、よく見聞きする謳い文句なんだけど、、

これってつまりはさ、『全ての人を瘦せさせることができるたった一つの方法(やり方・メソッド・商品)は存在するよ!』って言ってるのと同じだよね

僕に言わせればそれはあり得ない

なぜなら、○○をして痩せるかどうかはその人の[文脈(状況)に依存する]から

だよね⁉

これを物理学用語で“文脈依存性(contextuality)”っていう
(物理学の量子論では、ある対象物の属性は、別の対象物と相互作用した時に、その関係性という文脈においてのみ実在化するの意)

しかも、文脈と関係がある対象が複雑であればあるほど、○○をした後の結果は予想しにくくなるし、範囲は大きくなるよね

重要なのは、ここで対象となっているのが、宇宙史上最も複雑なシステムである“人体”だってことね

つまりはこうゆうこと

あなたが○○をして本当に瘦せるかどうかは、あなたがこれまで食べたもの&これから食べる物、これまでの運動習慣&これからの運動習慣、これまでの全ての記憶履歴&それに対する主観的な見解、今のストレスレベル、DNA配列&エピジェネティックな刻印、腸内環境、消化・吸収の能力、意志の強さなどの性格、所属するコミュニティの質&文化的背景、、、などの影響が加味されて決まるってわけ

だから、[全ての人を瘦せることが出来ると主張できるレシピなんて存在しない]のだ

また、この事実から導き出されるどうせなら覚えておいた方が良い真理がもう一つある

それは、ダイエットにおいて[他人との比較は無意味]ってこと

だよね⁉

あの人は太らないのに何で私だけ…?のように、余計な思考に困惑するのは無価値だと考えよう

あなたが○○をして痩せるかどうかは、あなたの“文脈”次第なのだ

ダイエットは一時的なイベントに位置付けてはならない!って話

と、ここまで一方的に僕の意見を主張してきたけど、一度批判的な視点に立ってもう少し議論を深めてみよう

[全ての人を痩せさせることが出来る○○]は本当に存在しないのか?

“存在する”、、無理やり探せばね

確かに極端すぎることを実践すれば、痩せるという表面的な目標は誰もがクリアできそうだよね

例えば、10日間水だけで過ごすとか、短期間コミット型のダイエットジム(食べてはいけないものリスト以外の献立+毎食ごとの報告義務+週数回のやたらきついトレーニング+高額なサプリメント)に入会するとか

でもここには前章とは違った角度から[全ての人を痩せさせることが出来る○○]を否定していこうと思う

上記のように、実践できれば誰でも必ず痩せると断言できそうな○○は、ほぼ確実に“限定的”で“極端”な方法論に頼ることになるよね

なぜなら、限定的で極端な介入では、微視的な相互作用は無視しても良くなるから
(10日間もカロリー摂取がなければ、遺伝子や腸内環境や運動履歴などの小さい個人差なんて関係なく誰でも脂肪は代謝される)

つまり、文脈依存で予想しにくかった結果を、確定的にできるわけ

ただしこれには代償が伴う

時間的厚みを失うのだ

ここで一つ、イギリスで行われた面白い研究結果を紹介しよう
(The Diet Myth, The Real Science Behind What We Eat/Tim Specter ,P15-16)

ダイエット経験の有無に差がある双子を対象に行われたこの研究では、過去に3ヶ月以上のダイエット経験がある双子の片割れは、過去にダイエット経験が一度もないもう片方の双子より、太っている傾向があったのだそう

この結果から、長期的な成果という視点に立つと、短期間の限定的なダイエットは裏目に出ていることが分かるんだよね

だから仮に、[全ての人を痩せさせることが出来る○○]の存在が証明できたとしても、そこでの○○は必然的に極端な方法論に頼ることになるから、効果も限定的になる

痩せる目的によってはそれでもOKって人もいるだろうから(例えばウエディングの為にとか)、完全否定はできないけど、そんな人でもリスクは知っておくべきだろう

一方、人生スパンで美と健康を追求していきたいのなら(個人的にはこっちがオススメ)、痩せる為に始める○○が何であれ、それを一時的にやらなければいけないイベントに位置付けてはいけない

なるべく遠くの未来まで見渡せる視野が必要なのだ

有益で中身のある情報かどうかはどう見極めればいいのか?って話

さて、ここまでの話をまとめると、、

「何かしらのダイエット方法を試した時に、あなたがそれで痩せるかどうかは、あなたの文脈に依存する

だから、全て人を瘦せさせることができるたった一つの方法は存在しない

もし仮にそんな方法があったとしても、時間的厚みのある成果が得られる見込みはない」

こんな感じ

ただ、そうは言っても、有益な情報を取得し、正しい知識を土台に賢くダイエットを進めていくことは重要だよね

だからこそ、この情報カオス社会の中で求められるのは、どの情報が“自分にとって”有益で中身のある情報かを取捨選択できる能力、すなわち[情報リテラシー]だ

では、それを見極めるポイントは何?って話になるよね

個人的には、次の3つをチェックするのがオススメだ

①内容が個人の感想や体験談、意見だけになっていないか
②科学的な根拠、あるいは理論的メカニズムが示されているか
③否定的な視点からの説明もされているか

説明しよう

まず一番に注意したいのが、『私はこの商品・方法・サービスで痩せました!』って類の体験談的な情報

ただ、これはもう説明は不要だよね

ここまでこの記事を読んできたあなたなら、こう疑問を持ってるはず

「確かにあなたの文脈では効果的だったかもしれないけど、私の文脈でもそれって当てはまるの?」と

さて、そこで重要になってくるのが科学的根拠、つまり“エビデンス”ってやつ

エビデンスとは、できる限り文脈を揃えて(=同じ状況にして)調べた結果、より多くの人で効果が観察されましたよ!というもの

だからエビデンスが認められた情報は、たった一人の個人的体験談よりも、あなたにも当てはまる可能性が高いと、科学的な根拠をもって言える情報の証なのだ

ただし、科学的な根拠を“絶対の保証”だと考えてしまうのは勘違いだから気を付けようね

もちろんどんなに強い傾向が示されていたとしても、必ず例外はあるからさ
(ある仮説が95%以上の確率で正しい場合にのみエビデンス(有意差)ありと示せるよう世界基準で決まっているので、多くても5%は例外となってもおかしくない)

また、研究者でもない限り全ての情報にエビデンスを記載するのは不可能なので、その場合は、理論的なメカニズムを矛盾なく説明しているかをチェックするのも優れた情報取得者になる条件だ

最後は否定的な視点からの解説もされているかどうかだけど、これには簡単に見分けられる指標があるから覚えちゃおう

反対に、とはいうものの、逆の立場から見ると、ただ一方で、しかしながら、、

これらのような、対比・逆説を表す接続詞が使われているかどうかをみればいいだけだから簡単だ

ということで、是非参考にしてみてね

あ、もちろんこの僕の記事も例外ではないよ


あなたと全く同じ文脈で生きている他人なんて一人もいない

自分と他人は違うという至極当然な事実を念頭に置いてさえいれば、散弾銃のように打ち込まれる無限の情報から身を守る、客観的な視点という盾を手にすることができるだろう

傾けるべきは、自分の身体が発する内なる声である

神尾健太のその他のSNSもチェックしてね)

➤➤Instagram
➤➤YouTube
➤➤Twitter

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?