ブレグジットと英国への投資

英国の欧州連合(EU)からの離脱(以下、ブレグジット)でポンドはどうなるでしょうか。円建てでポンドを見てみると、2016年のEU離脱を問う国民投票結果でいったん1ポンド=127円程度まで円高ポンド安となり、当時のメイ首相がEUとの合意交渉を進めたときに156円まで一時的に回復したものの、ジョンソン首相のもとで合意なき離脱の可能性が高まりまた127円程度まで下がりました。つまり、130円割れの水準は混乱シナリオを織り込んでいると考えます。その後、選挙後の秩序ある離脱の可能性が出て140円程度まで戻しました。EU離脱派は、EU加盟国のコストが高い割りにメリットが薄いと指摘していたので、もしその主張が正しければ、離脱で長期的に経済政策が自由になる可能性があります。2017年から利上げ方向で進んできたように、実体経済はそれほど悪化していません。英国の経済成長率は2018年1.4%、2019年のIMF(国際通貨基金)予想は1.24%です。英国固有の理由というよりも世界の景気減速につれて英国経済も減速しますが、経済成長率が2018年0.81%、2019年0.89%予想の日本よりは高いです。投資先としては当面、政治動向次第です。移民の急激な流入対策やアイルランドと北アイルランドの国境管理問題について、選挙後に国内の意見がまとまり、EUと合意できれば、短期的な混乱を避けることも可能です。選挙結果への賭け事は避けるとしても、後になってみればポンドの変化点となるかもしれません。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕

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