見出し画像

妊活の前に体を見直す?妊活たまごくらぶの特集#助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた

【妊活の“前”に、そもそもあなたと彼ができていない5つのこと】
妊活たまごクラブで、巻頭特集として特集されていたことは、
医療の言葉でいえば、プレコンセプションケアだった。

プレコンセプションケアとは、
受胎(コンセプション)の前(プレ)に必要な心身のケア、であり、知識のこと。

私が母性看護・助産学の大学院に進学して、研究を学ぶ中で出会った、
産婦人科領域のホットトピックともいえるプレコンセプションケアが
妊活たまごくらぶの雑誌に載っていることに、
私はちょっと衝撃と、感激を覚えた。

プレコンセプションケアは、女性、カップルが、妊娠を望むとき、そして今すぐ妊娠したいと思っていなくても、
未来の赤ちゃんのため、
妊娠してからではなく、その前から体や生活習慣を変えようということ。

日本では2015年に、東京緒にある国立成育医療健康センターで
プレコンセプションケアセンターが設立されている。

周産期・母性診療センター母性内科医長の荒井尚子先生は
「現在、全体の6%の赤ちゃんが早産だったり、10%は2500g未満の低出生体重児、2~3%は先天異常の赤ちゃんなど、母体が持っているリスク因子が原因で、赤ちゃんの健康状態に影響を及ぼしているケースが増えています。これを防ぐためには、妊娠してからのケアでは遅いのです。早いうちから健康状態を改善することで、生まれてくる赤ちゃんの長期的な健康増進にも役立ちます。」
と、雑誌の中で語っている。

正期産といわれる37週より早く生まれる早産や、
生まれたときに2500g未満の低出生体重の赤ちゃんが増えていることが、
妊娠前の女性の、カップルの健康と関連している、

なんて

そんなこと、って感じると思うのだけど、
実際に妊娠前にこのような傾向の健康状態のある女性から
早産や低出生体重になる赤ちゃんが多い、ということが
研究でもわかっているのだ。

最近はコロナで、テレビなどでも聞くことの多い、WHO(世界保健機関)でも、
プレコンセプションケアは推奨されている。
WHOでプレコンセプションケアが提示されているサイトは以下。
https://www.who.int/maternal_child_adolescent/documents/preconception_care_policy_brief.pdf#search='WHO+preconception+care'

そして、米国疾病管理予防センター(CDC)がプレコンセプションケアについて紹介しているサイトはこちら。
https://www.cdc.gov/preconception/index.html

なんとなく体にいいコト、ではなく
その生活習慣をした人たちと、そうじゃなかった人たちを比べた、というような研究結果の積み重ねから裏打ちされた、こういうケアや知識が、
いつか妊娠したいと思っている女性とカップルに大切と思われる、というもの。

妊活たまごくらぶのページにも載っていた、
国立研究開発法人 国立成育医療研究センターのサイト上の
プレコンセプションケア チェックシートはこんな感じ。
男女それぞれある。

多いよね。
これだけやっていれば、妊娠のため、とか、将来の赤ちゃんのため、とか
関係なく、めっちゃ健康になりそう。

でも、WHOとかアメリカのCDCで言われているプレコンセプションケアは
別に妊娠のため、とかではなく、
生涯の健康の中の一部分として、思春期から成人の女性と男性は
妊娠した時、妊娠したい時に、より健康でいたいねっていう考え方で。
別に妊娠するため用!!ではないところが、
わかるようでわからないような、広い範囲だし、
日本で浸透しきっていない考え方なんじゃないかなと思う。

妊活たまごくらぶで紹介されていた、
【妊活の“前”に、そもそもあなたと彼ができていない5つのこと】
は具体的にこちら。
➊食事と栄養

❷体重管理

❸低体温

❹検診・予防接種

❺飲酒と喫煙

プレコンセプションケアといっても幅広いなかで、
雑誌で取り上げたのが、なぜこの5つなのか、
ちょっとよくわからないけれど。
低体温は。成育医療研究センターのチェックシートにも書いてないのでは…?と思ったりするけど。

ちなみに、
妊活たまごくらぶでも紹介されていた成育医療センターの
プレコンセプションケアについてのサイトがこちら。
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/index.html

妊活というと、食事を変えようとか、体質改善とか、体力をつけるとか、
スピリチュアル系から、美容系から、医療まで
範囲が広くなってしまっていると、感じることがある。
とくにインターネットで妊活、なんて調べれば
大量の情報が、あふれるように出てくるし。
「私はこうやって妊娠できました」ってブログがあれば、読んじゃうと思うし。

でも、別に、
妊娠するため、妊活のために健康を考えるのは
別に昔からあったんじゃない?という指摘もあると思う。

もちろん以前から言われていることと同じものもあると思うけれど、
“実際に研究で根拠が提示され始めている”
“データの解析で結果がでている”ものがあるなら、
そっちをやってみようと思うんじゃないか。

難しいのは、早産にならない、とか、
赤ちゃんの体重が2500g以上ある、というような医学的用語な結果と、
“キレイになる”とか、“早く妊娠できる”とか、
そういうポップな結果のほうが、伝わりやすいんだろうなって思う。

研究では医学的用語で定義したアウトカムの設定が大事だから、
それを外してはいけないけれど、
一般の人に、社会に広めていくときに
どうしたらいいのかっていうのは、また別の問題なんだろうな。

とりあえず、妊活たまごくらぶに
プレコンセプションケアが載っていることが嬉しかった。
これをきっかけに、もっと広まってほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?