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神経性やせ症の自分を自覚してなお、どうやって生きているのか

神経性やせ症とは、
“やせていることやの執拗なまでのこだわり、自分の身体に対するイメージ(身体像)の歪み、肥満に対する極端なまでの恐怖、ならびの食事量の制限による著しい低体重を特徴とする摂食障害”といわれる。

神経性やせ症の正体は、【自分のからだの見え方が歪み、それを信じてやまないこと】で、
いくら周囲の人に「あなたは細い」「痩せている」といわれても、
その言葉は頭の中をスルーする。
そうかもしれないけれど、そうじゃない、と常に思っている。

前回までの記事はこちら↓

自分が常日頃体型について考えていること

https://note.com/kanakocrinsom/n/ne9799b619112

神経性やせ症になったきっかけ

https://note.com/kanakocrinsom/n/n5b7d46c1858a

最後、神経性やせ症の自分を自覚してなお、どうやって生きているのかについて。

正直、神経性やせ症をもつ自分と、“普通の”“自然の”自分の間は
グラデーションみたいになっていて、どっちかを簡単に切り離せない。

日常生活の中に、自然な自分と、たぶん病的な自分が同居していて、
その割合が、自分の気分や、体調や、周囲の人の様子によって変わる。

何層にもわかれた自分がいて、
神経性やせ症の症状が重くて、その割合が大きいときの自分もいれば、
自分って結構これでいいんじゃない?と体形が気にならない気持ちの割合のほうが大きいときもある。

新しい服を着てみて、自分の体形に合っていると感じて、
私って細いかも、細く見えるかも、と自信がちょっと持てるときもある。
町を歩いていてガラス越しに見えた自分の足が太くて、二の腕が太くて、
サイアク…と一気に落ち込むことがある。
一緒にいてくれる人に褒められて、うれしくなって、全部どうでもよくなることもある。
気分が落ち込んでいるときに、街中で細い女の子を見つけて、
家に帰ってやるせない気持ちが収まらなくて、自分の腕や足を殴ったりする。

自分の身体を好きになろう、みたいな
ありのままの自分でいいんだよ、っていう活動がたくさんあることも知っている。
プラスサイズモデルの方のポジティブな発言や、
摂食障害を乗り越えた方の話を聞くと、
そうだよね、ありのままの自分を好きになりたいな、
すごい努力して心を病んじゃわなくたって、好きに生きられたらいいのにな、って
心から思うこともある。

でも、心にしみ込んでしまった自分の思い込みともいえる考えは
容易に消えてくれないし、
日常生活や、自分のちょっとした気持ちの変化に、見え隠れする。

もう、それは仕方ない。

でも、時々その気持ちから解放されて、
一緒にいて自分を大切にしてくれる人と過ごして幸せな気持ちになれたり、
おいしいものをお腹いっぱい食べてみたり、
自分の体形でいいじゃんって笑い飛ばせるときがある。

それがうれしい。
そして、少しずつ、そんな時間が増えてくれたらいいと思っている。

だから、どんな時に自分がそう思って、そう感じたのか、
客観的にみてみると、
自分が楽になる方法をひとつずつ見つけている気持ちになれる。

今まで運動しようと走ったりスクワットをしたりジムに通ったし、
食事節制もしたし、ストレッチもした。
それが楽しいときもあれば、苦痛なときもあった。

どうやったら自分が苦しむかを、何度も何度も感じてきたから、
どうやったら自分が楽になれて、楽しくて、自分らしくいられるのか、
それを、ゆっくり見つけてる。

14歳で自分が太っていると“信じ込んでから”
高校生で過剰な食事節制をして、38㎏まで落として、
以降25歳の今までBMI19くらいでいる。
BMI18.5以下が“痩せ”なので、すごく嫌だと思う。

すごく嫌だな、と思いつつ、
19じゃん、十分でしょ、って、ちょっと苦笑する私もいる。

こういうタイプの服だったら、自分の嫌な体系を隠せるし、
テンションが上がる、とかも見つけていく。
疲れているときにこういうものを食べると胃もたれしてすぐ全身の脂肪になる気がして嫌になるけど、
こういうものを食べれば元気になる、とかも見つける。

こんな気分のときは、この人に会わないほうがいい、
こんな気分のときは、この人に連絡したら、会いに行ったらいい。

【自分のからだの見え方が歪み、それを信じてやまない】けれど、
それがすべてじゃないときもある、かもしれない、と
思いながら、日々を過ごしている。

実は、最近過食嘔吐の回数が、とても減った。
なんとなく、したくないとおもうようになった。
下剤の内服量も減った。
それはとても不思議なこと、数年前には想像もつかない。
またしたくなっちゃうのかもしれないけれど、それはそれ。

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